呪いなら間に合ってます

中村朔

第4話 水着イベント発生! 呪いは一時休止?(脚本)

呪いなら間に合ってます

中村朔

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〇旅館の和室
土御門魔矢「くっはぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
土御門魔矢「しなびた温泉宿で真っ昼間から 温泉入って冷酒キメるのサイコー」
土御門魔矢「生きてるって感じするわー。いやマジ、 最近忙しすぎて心身ともに死んでたからな」
土御門魔矢「しばらく仕事のことは忘れてのんびりしよ」
土御門魔矢「そだ。余計な連絡来ないように 今のうちにスマホをオフに・・・」
  プルルル
土御門魔矢「・・・とか言ってたら鳴るんだよね。 うん、知ってた」
土御門魔矢「げ。しかも実家じゃん・・・」
土御門魔矢「・・・はあい」
土御門魔矢「え? いま温泉・・・ は? 今から? だから今温泉だっての!」
土御門魔矢「え? やばい案件? 特A級? 父さんと母さんは? 海外旅行!?」
土御門魔矢「そんなんアタシが 出張るしかないじゃん・・・」
土御門魔矢「あーもー! わかった! 行く行く! はあい!」
土御門魔矢「・・・ったく、真守があんなだから、 依頼ぜーんぶアタシにくるんだから」
土御門魔矢「真守もいい加減モノに なってくれないと・・・ 真守どうしてるだろ」
  ピッピッピ
土御門魔矢「・・・あ、真守? 呪いとの同棲生活はどうよ? そろそろ限界?」
土御門魔矢「え? 聞こえない。 なんか後ろが騒がしいんだけど・・・ あんたどこいるの?」
土御門魔矢「え? 海? 呪いといっしょに? はあ!?」
土御門魔矢「なんでギャルゲみたいなことに なってんの!? あ、ちょっと! 真守!!」

〇海水浴場
土御門真守「ご、ごめん姉ちゃん! 忙しいからまたあとで!」
  ピッ
土御門真守「ええと、あとはなんだっけ・・・ そうだ、焼きそばとビーチパラソル! 早く買って帰らなきゃ!」
  水着姿の男女の間を縫うように、
  目的の場所に急ぐ。
  空には輝く太陽。そしてその空を
  映してどこまでも青い海・・・
  ゲームなんかじゃない、
  ここはリアルな海だ。
  もちろんひとりで来たんじゃなくて・・・
  水着姿の2人の女の子といっしょ。
コトリ「こら、真守! 遅いぞ! 腹ペコじゃ!」
八尺様「せっかくの白い肌が 日焼けしちゃうじゃないの」
土御門真守「ご、ごめんごめん!」
コトリ「どうじゃ、お前も楽しんでおるか?」
土御門真守「え?」
コトリ「今日はお前の休息のために 海に来ておるのだからな。 感謝しろよ?」
八尺様「そうよ。怖がってばかりで 疲れちゃったでしょう? 今日くらいリラックスしなさい」
土御門真守「・・・僕のために海に?」
コトリ「いかにもじゃ。む、あの 『ばななぼーと』というやつは 楽しそうじゃの。後でやってみるぞ!」
八尺様「私は色白のイメージを変えたいから じっくり甲羅干ししてるわ」
土御門真守「君たちが海に来たかった だけなんじゃ・・・」
  理由はさておき、姉ちゃんの言う通り、
  まるでギャルゲの水着イベントみたい。
  水着イベント・・・
  意中の女の子と非日常を共有することで、
  ぐっと親密になるイベントだ。
  でもそんなフラグは立ってない。
  立ってるのは・・・
コトリ「次はコーラとソフトクリームじゃ。 5分以内な。 5分で戻って来なかったら呪い殺すぞ?」
八尺様「私はサンオイルとサングラス。 同じく5分以内に戻ってこなかったら呪殺」
土御門真守「うう、死亡フラグしか立たない・・・」
コトリ「1、2、3・・・ ほら、カウントは始まっておるぞ」
土御門真守「いいい、いってきまあす!」

〇海水浴場
土御門真守「お使いばっかりで疲れた・・・ コーラとソフトクリーム、サンオイルと サングラス・・・これで全部だよね」
???「お兄さーん」
土御門真守「え? 僕ですか?」
???「ねえねえ、私とイイコトしなーい?」
土御門真守「え? 逆ナンパ!? 生涯初だ・・・」
土御門真守「あ、せっかくですけど、 すみません・・・人を待たせてるもので」
???「そんなこと言わずにぃ、 ねえねえ、ちょっとだけでいいから ちゅーちゅーさせてよう」
土御門真守「ちゅ、ちゅー!? わわっ、やめて! 僕ファーストキッスなんです」
コトリ「こら、真守」
土御門真守「わ! これはその、違くて! ・・・なんで僕、言い訳してるんだろ?」
コトリ「おい、そこのお前。それはわしらの 獲物じゃ。勝手に血を吸うでない」
???「なあに? あんたは?」
八尺様「そんなに血を吸いたいなら吸わせて あげるわ。自分の血をたらふく・・・」
???「あれ、あんたたちって・・・ヒ、ヒィ!」
???「し、失礼しました〜〜〜〜!」
土御門真守「逃げちゃった・・・」
コトリ「まったくお前は・・・ つまらん呪いに引っかかりおって」
土御門真守「えっ、呪い?」
八尺様「あれは磯女。水辺で人を惑わして 生き血を吸う呪いの一種よ」
土御門真守「うう、人生初の逆ナンパが磯女・・・」
コトリ「ほら、邪魔者も去ったし、 バカンスの続きをするぞ!」
土御門真守「あ、はい」
ナンパ男1「そこのお姉さんたちー、俺らといっしょに ウェイウェイしようぜ!」
コトリ「なんじゃお前は。呪い殺すぞ」
八尺様「生理的にムカつく。呪殺決定」
土御門真守「だめだめだめー! ストーップ!」
ナンパ男1「んだてめーは!」
土御門真守「危ないから離れてください!」
ナンパ男1「邪魔すんじゃねえ!」
土御門真守「邪魔してるんじゃなくて僕はあなた たちのためを思って・・・いたっ! お尻を蹴飛ばさないでください!」
ナンパ男1「オラ! オラッ!」
土御門真守「痛い! お尻が割れる!」
ナンパ男2「そこのお姉さーん!」
土御門真守「あ、そっちの人も! その子たちから離れてください!!」

〇海水浴場

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