私もラブストーリーガールズサイド!攻略対象は、同じ名前で三人で!

ブルークレヨン

マジですか?(脚本)

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ブルークレヨン

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〇地下室(血の跡あり)
  私は、諦めずに何度も叫んだ。
  喉が痛くなった頃、ドアノブを壊す音がした。
私「あっ!長さん! 助けに来てくれたんですか?」
ながさん「ちょっと待って」
私「えっ!包丁!?ちょっ・・・まさか長さんが誘拐犯!?」
私「や、止めて! 私を食べても美味しくないよっ!」
ながさん「怖かっただろう⋯」
ながさん「もう大丈夫だ」
私「あっ!紐を切ってくれて⋯えっ?助けてくれるの?」
ながさん「俺がトイレから帰って来たら、葉子さんがいなくて焦ったよ。 良かった見つけられて」
私「あ、ありがとう⋯って、結局あなたは一体誰?」
ながさん「話は後だ。とりあえずここから出て、警察に助けてもらおう」
  そう言った長さんは、持っていたリュックに包丁を入れて、私の手をひいた
はやとさん「二人でどこに行くんですか?」
私「えっ?はやとさん? 私、気がつくとここにいて⋯。 すみませんが警察を呼んで来てもらえませんか?」
はやとさん「警察⋯今来られたら困りますね。 私は着替えを取りにロッカールームへ行っている事になってますから」
ながさん「あんただったんだな。殺人鬼秋長」
私「えっ!?」
はやとさん「わかってませんね。私は秋長ではありません。なりすましです。 そして刑事にはあなたを危険人物と触れ込みました」
はやとさん「ここなら見つかりにくいと思ったのですが⋯。 まったくあなたは目障りな人だ」
ながさん「⋯」
ながさん「これまでも同じ様な手口で、女性を誘拐したのか?」
はやとさん「私は毎回同じ手を使うような単純な人間ではありません。 前回の女性はアイドルのライブで「アイドルに会える」と声をかけました」
はやとさん「何を話しても私を疑わなかったんですから、よっぽどアイドルに会いたかったんですね。 殺してからきれいに火葬してあげました」
私「酷い⋯」
はやとさん「う〜ん、いいですね。 私はあなたのそういう顔が見たかったんです」
ながさん「くそっ、ふざけるな!」
はやとさん「ジェットコースターの後、放心している長さんのリュックを覗き見て、包丁を持ってる事に驚きました」
はやとさん「どうして持っているか理由は聞きませんが、どうせあなたに私は刺せないでしょ?」
ながさん「どうかな。 葉子さん、俺について来て下さい」
  はやとさんが、長さんが持つ包丁を見ながら、私達から少し離れた。
  長さんが私の手をひいて外に出ようとした時だった
ながさん「えっ!?何が!?」
ながさん「うわぁー!」
私「えっ!眩しい! 長さん!?」
ながさん「だめだ! 葉子!逃げろっ! うわぁ〜!」
  長さんは目の前で、煙のように消えてしまった。

〇病室のベッド
ながさん「えっ!?四年後に戻って来たのか? マジかよ」
  葉子の未来の彼氏・岡田長治(おかだ・ながはる)は、四年後の未来、葉子の母がいる病院に戻っていた
葉子の母「あらあら、失敗しちゃったのね。 あなた怪我はない?」
ながさん「お義母さん、葉子さんは!?葉子さんはどうなったんですか!?」
葉子の母「あなたが過去に行った間に変化したものは何もないと感じるわ。 いずれにせよ、私の体調が悪いから、魔法が中途半端だったのね」

〇地下室(血の跡あり)
私「えっ!?消えた? 見た?見たよね? まさかどこかに隠しカメラがあるの?ドッキリ?」
はやとさん「なんと!手品で逃げるなんて笑わせてくれますね」
私「違うわっ⋯逃げたんじゃないっ け、け、警察を呼びに言ったのよ!」
  私は声が震えたが、長さんが落としていった包丁を咄嗟に拾い、犯人に向けた。
私「ちょ、ど、どきなさいよ! 私は怒ると怖いんだからね!」

〇病室のベッド
ながさん「過去の葉子さんを助ける方法は、もうないんですか?」
葉子の母「過去の葉子···あら、今の本人が来たわ♪」
私「お母さん、具合どう? あ、長さんお見舞いに来てくれたのね。 ありがとう」
ながさん「あっ!葉子!」
私「ど、どうしたの? ちょっと、お母さんの前でハグとか⋯」
私「ちょっ!⋯き、キス〜!」
ながさん「だって、俺うれしくて! 過去の葉子を殺人犯と一緒に置いて来たから、もう心配で!」
  長さんは、私を抱きしめながらクルクル回り出した
葉子の母「ヒューヒュー!熱いね、ご両人!」
私「もう、お母さんまで〜! 何その踊り?ってか起き上がって大丈夫なの?」
葉子の母「あ痛た⋯手術跡が引つるわっ」
葉子の母「結局、長治さんには余計な事をさせちゃったわね。 ごめんなさい」
ながさん「いえ。葉子さんを怪我しないように守る事はできませんでしたが、今の笑顔が見れて良かったです」
私「全く、二人とも変よ? 説明して」
葉子の母「長治さん、ごめんなさい。 ここで話すと私が葉子にすごく怒られそうだから、先に二人だけで話してくれないかな?」
葉子の母「それで、葉子の怒りを少し沈めてくれると助かります」
ながさん「お義母さん〜も〜仕方ないですね〜」
ながさん「わかりました。葉子さんの怒りを沈めてからこちらに戻って来ます」
私「怒りって? うん、病院の中庭へ行く?わかった」

〇養護施設の庭
  長さんがそっと私の手を取る
ながさん「葉子、あの後犯人と戦ったんだな。 腕の傷はその時に···? すこし腕を見せてくれないか?」
私「えっ、あ、腕?私はっきり覚えて無いんだけど、昔事故で怪我したの」
ながさん「ああ⋯ そもそも俺が君に会いに行く前、犯人に対抗するための包丁を買わなければ⋯」
私「何の事? 今日は長さんもお母さんも変だよ。 本当に何があったの?」
ながさん「葉子はきっと四年前の事を覚えていないと思うけど、俺は葉子に会ったんだ」
私「四年前?長さんが?」
  モヤモヤする頭の中で、遊園地の賑やかな風景が浮かぶ。
  そこでは楽しかった気がする
私「ところが急に、暗い倉庫みたいな所に閉じ込められて⋯ トン君が助けてくれないか待ってて」
私「なんとか逃げようとした時、誰かが包丁を落としてそれを拾おうと揉み合いになって⋯ 私、痛くて怖くて気を失って⋯」
ながさん「どうした!?葉子!大丈夫か?」
私「何だかハッキリは思い出せないんだけど、すごく怖くて・・・気がつくと今度はお城の中だった」
ながさん「お城の中?(あの後何があったんだ?) 怖かったよな⋯ごめん、もう思い出さなくていい」

〇地下室(血の跡あり)
  実は過去の葉子は、殺人鬼からすんなり逃げられた訳ではなかった。
はやとさん「手が震えてますね。 包丁は、お料理の時に使う道具でしょ? 無理しなくていいですよ」
はやとさん「実は、私はこう見えて麻酔針を打つのが上手いんです。 あっという間に眠りに落ちますよ」
私「やだ!来ないで! や、掴まないで、手、手首が痛い! あっ!」
  犯人ともみ合っているうちに、包丁が滑って私の左の二の腕を傷つけた
私「痛いっ!」
はやとさん「ああ⋯その傷は美しくないですね。 さてと、ハンカチで止血して・・・」
はやとさん「後は、この針で眠れますよ。 目が覚めたら、私がどれほどあなたを好きになったか話してあげますね」
私「⋯」
  犯人の本性を知ってから、私は怖くて仕方なかった。
  針が近づいてきた途端、また目の前が真っ暗になった
私「⋯」

〇養護施設の庭
私「・・・」
ながさん「葉子、大丈夫か?思い出させてごめん!」
私「今、犯人と包丁を取り合って怪我したのは思い出したんだけど、長さんの事は思い出せないの。一緒だったってどういうこと?」
ながさん「信じられないかも知れないが、俺は葉子のお母さんの魔法で、過去に飛んだんだ。 そして、過去の葉子を殺人鬼から守ろとした」
私「魔法?」
ながさん「信じられないよな」
私「昨日、お母さんが「今まで黙ってたけど、私すごい魔法が使えるのよ」とかなんとか言ってたあの・・・」
私「もしかして「自分の目の前の人を好きな時間と場所に移動させ、一日経ったら帰って来させる」魔法ってヤツ?」
ながさん「そうだ。それ。 お母さんが「過去の葉子を助けてください」って。 俺もそうしたかったのに何もできなかった」
私「マジですか?」
ながさん「信じてくれる?」

次のエピソード:二度目の救出

コメント

  • 凄い展開に驚きました!
    ますます続きが気になります。

  • おお~! はらはらドキドキ~♪すごないな~お母さんの魔法!でもまだ謎は残っていて…。どうなるのかしら~ん(*´▽`*) ますます目が離せなくなりました!

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