異世界で牢屋に入れられましたが、異世界から来て牢屋に入れられた人がいました

空木切

2.いざ調査へ〜護衛の力〜(脚本)

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空木切

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〇研究施設の廊下
  廊下を歩いている二人・・・
梨夢(りむ)「こんなに自由に歩き回れるんだね」
パスカル「奴は研究に夢中らしい。俺たちが何をしようと放置だ」
梨夢(りむ)「・・・パスカルはお姫様の護衛をしてるんだっけ?やっぱり大変?」
パスカル「・・・まあ」
パスカル「大変だな・・・少し・・・いや、だいぶ・・・」
パスカル「姫は無茶ばかり言うんだ。素手でドラゴンを捕まえてこいと言われたこともある」
梨夢(りむ)「それは・・・できるものなの?」
パスカル「無理に決まっているだろう。もう少し落ち着いてもらいたいものだが・・・」
パスカル「いや。守る側が言うセリフではないな・・・」

〇草原の道
  馬車での移動中・・・
姫「パスカル!ねえ、聞いてるのッ!?」
パスカル「・・・何か問題が?」
姫「馬車の揺れが酷いじゃない!!ずーっとガタガタして、体中おかしくなりそう!!」
パスカル「仕方ないでしょう。姫様がどうしても隣の町へ行きたいと言うので、安全な道を探した結果です」
姫「あーっ!もうやだっ!!何なのその態度!!もっと申し訳なさそうにしたらどう!?」
パスカル「申し訳ございません」
姫「貴方って顔が良いだけで他は全部ダメね!!!私はお姫様なんだから、もっと敬って、かしずいて、可愛がりなさいよっ!」
パスカル(どう可愛がれと・・・?)
パスカル(疲れる・・・)

〇魔物の巣窟
モンスター?「キシャーッ!!」
梨夢(りむ)「うわーっ!なんだここ!?」
梨夢(りむ)「怪しいってレベルじゃない!」
パスカル「そっちの部屋じゃない。こっちだ」

〇怪しげな祭祀場
梨夢(りむ)「うわーっ!怪しい!」
梨夢(りむ)(でもさっきの部屋ほどじゃない・・・)
梨夢(りむ)「帰る手がかりを探してみよう。パスカルも好きに探して」
パスカル「そんな雑でいいのか・・・」
梨夢(りむ)「全く当てがないから、闇雲に探すしかないんだよね」
梨夢(りむ)「まあ、頑張ろうよ。一緒に」
パスカル「!」
パスカル「一緒に、か・・・ああ、そうだな」
  一時間後・・・
梨夢(りむ)「何か見つけた?」
パスカル「ああ、一応」
梨夢(りむ)「私も見つけたよ。これ」
パスカル「・・・なんだこれは。玉?」
梨夢(りむ)「呪術に使った物かな?武器になりそうだから貰っとこう」
パスカル「俺はこれだ」
梨夢(りむ)「あ!白衣男の身分証!!」
梨夢(りむ)「さすがパスカル!姫の護衛なだけあって優秀!」
パスカル「護衛であることは関係あるのか・・・?」
梨夢(りむ)「白衣男の名前は、ネイト。異世界生物研究所の所長・・・?」
梨夢(りむ)「うーん。これだけだと情報不足だな。ネイトの研究内容を調べた方がいいかもしれない」
パスカル「・・・その字、読めるのか?」
梨夢(りむ)「え?読めないの?」
パスカル「いや、読める。俺の国の文字じゃないんだが・・・お前にも読めるんだなと思って」
梨夢(りむ)「確かに。どう見ても日本語じゃないけど読める・・・謎だけど便利な文字で良かった」
梨夢(りむ)「他の場所を探すことにして、一旦引き上げ・・・」
パスカル「!!!」
パスカル「下がれっ!」
梨夢(りむ)「え?一歩下がる」
パスカル「何者だ!」
ネイト「うわっ・・・!あ、あぶないな!」
ネイト「こんなところで何をしている?」
ネイト「ん?後ろにも誰か・・・」
ネイト「なっ!?なぜ僕の妻もここにいるんだ!?」
梨夢(りむ)「妻になった覚えはない・・・」
梨夢(りむ)「私が愛しているのは美味しい食べ物だけ・・・特にイクラ・・・」
ネイト「!?僕はイクラじゃないぞ!?」
梨夢(りむ)「それは見れば分かる」
パスカル「・・・君は下がっていてくれ・・・」
パスカル「彼女に用があるなら俺を倒してからにしろ」
ネイト「な・・・」
ネイト「なんで!?」
ネイト「まるで賊のような扱いだ・・・ここは僕の研究所なのに・・・」
ネイト「これだからお前はナシだったんだ・・・」
梨夢(りむ)(どうしようこの状況)
梨夢(りむ)(パスカル、護衛の時の癖が出てるんだろうな・・・)
梨夢(りむ)(こうなったら・・・)
梨夢(りむ)「パスカル!こ~んな大貧民に関わっている暇なんてありませんわ!さっさとゴージャス大豪邸へ引き上げますわよ!」
パスカル「はっ・・・?えっ・・・?」
梨夢(りむ)「さあ、そこの貴方、どいてくださる?」
ネイト「えっ?ぼ、僕?」
ネイト「二人そろって通すわけには・・・!」
梨夢(りむ)「私、少し散歩がしたくて。護衛を連れて歩いていただけなんですのよ」
梨夢(りむ)「ねえ?そうでしょう?ねえ?(圧力)」
パスカル「はっ、はい。そうです・・・」
梨夢(りむ)「はあ~!肩も腰もしっちゃかめっちゃかで大変~!早くゴージャス大豪邸に帰って、優雅に飲料水を嗜みたいところですわ〜!」
梨夢(りむ)「と、いうことなので。通してくださいます?」
ネイト「・・・」
ネイト「ど、どうぞ・・・」
梨夢(りむ)「感謝、感謝。良きに計らえでござる」
梨夢(りむ)「行きましょうパスカル。後で褒美を取らせますわ~」

〇牢獄
梨夢(りむ)「ふう・・・なんとかなった・・・」
パスカル「あまりの力業で言葉も出なかった・・・」
梨夢(りむ)「うちの牢屋仲間に、令嬢と侍忍者がいて良かった。二人の言動を参考にさせてもらったから」
パスカル「二人ともあんな言動してたか・・・?」
梨夢(りむ)「さっき、勝手に護衛扱いしてごめんね」
パスカル「あ、いや・・・それは構わない」
梨夢(りむ)「今日は休もうか。さすがにもう動かない方がいいだろうし」
パスカル「そうだな」
梨夢(りむ)「早く元の世界に帰らないとね・・・私のイクラも、パスカルのお姫様も心配だし」
パスカル「そう、だな・・・」
梨夢(りむ)「それじゃ、おやすみ。夜か昼か分かんないけど私は寝る」
パスカル「・・・ああ、おやすみ」
パスカル「・・・」
パスカル(・・・帰っても、俺はまた・・・)
パスカル(俺は帰りたいのか・・・?)

次のエピソード:3.ここって何?〜忍びのアイデンティティ〜(前)

コメント

  • 梨夢さんのイクラ愛ww
    他の登場人物が変わりすぎなのであまり気付きませんでしたが、梨夢さんも相当な個性してますよね!作中空気感、好きです!

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