異世界で牢屋に入れられましたが、異世界から来て牢屋に入れられた人がいました

空木切

1.初めまして全員集合(脚本)

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〇牢獄
「んん・・・?」
梨夢(りむ)「どこだここ?牢屋?」
ネイト「やあ!やっと目覚めたか!」
ネイト「君、名前は?何歳?仕事は何してる?どこ住み?」
梨夢(りむ)(出会い系?)
梨夢(りむ)「あの、ここは一体どこ・・・」
ネイト「こっち来て、こっち!」
梨夢(りむ)「え?牢屋の鍵開けてるし・・・」
梨夢(りむ)「外に出されるし」
梨夢(りむ)「どこかに連れて行かれる〜・・・」

〇研究所の中
梨夢(りむ)「日本人です。社会人です。ここはどこですか?」
ネイト「うんうん、うんうんうん!」
ネイト「よし決めた!」
ネイト「君と結婚しよう!」
ネイト「今まで何人も召喚してきたが、君が一番理想通りだな!」
ネイト「いやー、良かった良かった。これで寂しい一人暮らしからも解放される」
梨夢(りむ)「うーん、話が通じない」
梨夢(りむ)「私は家に帰りたいです。仕事があるので」
梨夢(りむ)「仕事と・・・冷蔵庫にイクラがあるので」
梨夢(りむ)「北海道産イクラと黒毛和牛の最高級ステーキ肉が私を待っている・・・早く帰りたいんです」
ネイト「・・・」
ネイト「何を言っているのかよく分からないが・・・そんな思考はダメだ」
ネイト「君は僕の理想でいてもらわなくては困る」
ネイト「きちんと反省して、その愚かな思考回路を改善するといい」
ネイト「君に必要なのは、僕に対する愛だけだ」
ネイト「分かってくれるね?」
梨夢(りむ)「・・・」
梨夢(りむ)「いえ全く」

〇牢獄
ネイト「そこでよく頭を冷やすんだな!」
梨夢(りむ)「・・・また牢屋に入れられてしまった」
梨夢(りむ)「うーん、困った」
「そこに誰かいますの?全く困っていない声が聞こえましたわ」
梨夢(りむ)(隣の牢から声が・・・?)
梨夢(りむ)「いますわよ!こっちですわ!」
「真似しないでくださいます?!」
ヴェロニカ「よっこいせっと」
ヴェロニカ「あら、貧乏くさい顔」
ヴェロニカ「私(わたくし)、ヴェロニカ=ユライヒ=スーヴェニアンと申します」
ヴェロニカ「あのスーヴェニアン家の一人娘ですの。・・・と言っても、この異世界では知る者もいないようですが」
ヴェロニカ「名門、アルディファイヒ学園の生徒です。気に食わない新入生が入ってきたものだから、いびっていたらこんな場所に・・・」
ヴェロニカ「私が何をしたって言うのかしら」
ヴェロニカ「あの白衣の男に”お前は性格がキツそうだからナシ!”と言われてずっとここにいるんです」
ヴェロニカ「はあ・・・どうにかしてくださいな。貴方、下働きの人間でしょう?」
梨夢(りむ)「・・・なるほど」
梨夢(りむ)(この人、悪役令嬢・・・?)
梨夢(りむ)(立派な令嬢でありながら人をいじめて追い詰めるという・・・)
梨夢(りむ)「私のこともいじめるんですか?」
ヴェロニカ「はあ?わけの分からないことを言っていないで、元の世界に帰る方法を探してくださる?」
「誰かいるんでござるか!!!声が聞こえたでござる!!」
梨夢(りむ)「二人いるでござる!!」
「真似しないで欲しいでござる!!」
侍丸「うんしょっと」
侍丸「拙者、忍びの者でござる。紫電の里の次期長として修行に励んでいたら・・・」
梨夢(りむ)「ここに召喚された?」
侍丸「そうでござる。拙者、侍丸(さむらいまる)と申す」
侍丸「あの白い外套の男に”お前は名前が呼びにくいからナシ!”と言われてずっとここにいるでござる」
梨夢(りむ)「なるほど・・・」
梨夢(りむ)(侍が忍者か分からないもんな・・・)
「誰かいるんだな!そっちに行くぞ」
梨夢(りむ)「ああ、いるぜ!」
パスカル「とうっ!」
パスカル「今の勇ましい声はお前か」
梨夢(りむ)「そうだ。お前も白衣の男にナシと言われたクチか」
パスカル「あ、ああ。そうだ。話が早いな。・・・俺はパスカル=ヴォイジャー。姫の護衛を仕っていた」
パスカル「護衛任務中、交代で休憩を取っていたんだが・・・気付くとここにいた」
パスカル「あの白衣を纏った男に”お前は強そうだからナシ!”と言われ・・・」
梨夢(りむ)「ずっとここに?」
パスカル「そうだ。あのワガママ姫を他の奴らが守りきれるのか、不安でならない・・・早く帰りたいんだ」
梨夢(りむ)「なるほど・・・」
梨夢(りむ)「話を整理すると・・・ここにいる全員が異世界の人ということ?」
三人「そう(だ)(ですわ)(でござる)」
梨夢(りむ)「あの白衣の男は、異世界から人を召喚していた」
梨夢(りむ)「召喚する理由は・・・結婚相手を見つけるため」
ヴェロニカ「信じられない話ですわね。私、既に婚約者がいますの」
パスカル「俺は騎士団の人間だ。結婚などまだ考えるような立場じゃない」
侍丸「けっこんって何でござるか?」
梨夢(りむ)(あの白衣の男、見境ないにもほどがある・・・)
ヴェロニカ「それで?貴方は何と言われたんですの?”地味すぎてナシ!”とでも?」
パスカル「”何を考えているか分からないからナシ!”では?」
侍丸「”声がかわいいからナシ!”では?」
梨夢(りむ)「・・・」
梨夢(りむ)(酷い言われようだ・・・一人はナシの意味も分かってなさそうだし・・・)
梨夢(りむ)「私は・・・”結婚しよう!理想の相手だ!素晴らしい!完璧すぎる!”と言われた」
三人「!!!!」
梨夢(りむ)「・・・ドヤッ」
梨夢(りむ)「みんなごめん。あの白衣の男は私がもらうことに・・・」
ヴェロニカ「別にいりませんわ」
梨夢(りむ)「・・・」
梨夢(りむ)「私も別に・・・結婚したくはない・・・」
梨夢(りむ)「それより早く帰りたい」
梨夢(りむ)「冷蔵庫でイクラと肉が待ってるから・・・」
ヴェロニカ「イクラ?はよく分かりませんが帰りたいというのは同意ですわ」
パスカル「俺もだ。帰る手段を探さなくては」
侍丸「こんな狭いところでは、修行もろくにできないでござる」
梨夢(りむ)「全員気持ちは同じ。つまり私たちは同音異義語ってことね・・・でも、どうやって帰れば良いんだろう」
侍丸「同音異義語はそういう意味ではないと思うでござる・・・」
侍丸「先日、拙者が牢を抜け出したところ、珍妙な呪術の痕跡を見つけたでござる」
侍丸「恐らくはそこが元凶かと思われる」
梨夢(りむ)「なるほどね・・・ところで皆さん、先ほどから自由に牢屋を出入りしている様子ですが?」
ヴェロニカ「ええ。ここの壁、脆いんですもの。牢屋同士ならあちこち行き放題ですわ」
ヴェロニカ「なんなら牢屋の鍵も壊してあるので好きに出入りできます。でも白衣の男が気持ち悪いのでここにいるんです」
梨夢(りむ)「自由すぎる・・・」
梨夢(りむ)「とりあえず・・・牢屋を出て、その呪術?の場所を見に行こう」
ヴェロニカ「ええ。頑張ってください」
梨夢(りむ)「・・・呪術の場所を見に行こう!」
侍丸「拙者、応援するでござるよ!」
梨夢(りむ)「・・・」
梨夢(りむ)「呪術の・・・場所を・・・」
梨夢(りむ)「・・・あーあ!誰か一緒に行ってくれないかなー!!!」
パスカル「・・・」
梨夢(りむ)「あーあ!!頼もしい人が一緒に行ってくれないかなーーっ!!」
パスカル「・・・行こう」
梨夢(りむ)「よし!!!!行くぜ!!」

次のエピソード:2.いざ調査へ〜護衛の力〜

コメント

  • みんなキャラが濃い〜〜!!会話のテンポが良く面白かったです!続きが楽しみです!

  • めちゃくちゃな理由で集められたんですね!?
    結婚相手を探すにしても、まずは友達から始めましょうよ。笑
    イクラが気になっているようですが、たしかにイクラなら気になってしょうがないと思います。
    美味しいですからね!

  • それにしても、キャラの濃すぎる4人が見事に召喚されたものですね!w 果たして、梨夢は冷蔵庫のイクラとステーキ肉の賞味期限内に帰ることができるのか、これからも注目ですね!

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