5面 ミント(脚本)
〇備品倉庫
秋原さんが終わってから
洗う用品を
奥つめでキチンと入れ込んでいく
またタイヤは
残りもんをくっつけようとして
人ごとだと思って
折中珠未「全部終わったら この折中が相手だっ」
だいぶ想像できるようになったな
やさしいもの言いの折中さん
カーディガンはおるのが似合う
〇ショッピングモールのフードコート
折中珠未「食べ終わった?」
江藤鉱「いや、ていうか先行ってていっすよ」
──ランチセットのおまけで
みんなに一つずつヤオヨロアニマルの
フィギュアをくれるという。
みんな取った後、俺は、と、
江藤鉱(・・・んーピンとこないな)
フレイミィあったかと思ったらないし。
オレンジ色で縁起もいいかな
伝承系よりなじみのあるものが
いいかと思ったんだけど。
江藤鉱(あ、これヤオアニじゃない、 映画のキャラもあるのか)
敵の、未来の鳥仮面。
象牙でつくった
浮遊ボードみたいなのに乗って
江藤鉱(まー敵も必要か、これにしようかな・・・)
江藤鉱(あ、こっち、これにしよう)
と取って出したのは
鳥仮面と同じ映画の主役、ナマミィ
折中珠未(ナーマーっ)
ただすごく小さい。
舞台セットは大きいけど
ナマミィは小さいし、
耳?にあたる部分欠けてる。
けどいい。ウケ狙ってるわけじゃなく。
したら、店員さん直し始めてくれる。
その間に尾沢さんと珠未さん
歩き始めるので・・・自分も離れる。
紙袋包んでくれたりしてくれてるな
と後ろ見ぃ見ぃ気にしつつ──
江藤鉱(あ、持ってきてくれた)
江藤鉱「ありがとうございまーすっ」
折中珠未「やっと笑ったっ」
江藤鉱「えっ?」
尾沢吏帆「はじめ笑ってそのあと ずっと笑わなかったから」
江藤鉱「たぶん、考えてたからだと思いますよ」
珠未さんと尾沢さんは、二人揃って
俺が笑ったって言って微笑んでくれる。
そんな真顔で選ぶの迷ってたのか俺、
気をつけんとな。
──尾沢さんはヤオバザの先輩で、
先日、TV撮影のインタビューだかで
尾沢吏帆「そしたらB倉庫をご案内します」
尾沢吏帆「いや、食べ物って一人で見たらちょっと つまみたくなっちゃうじゃないですか」
などと言ってる。
だから連れだって行く倉庫を選んだんだな、
冷蔵庫倉庫。
〇地下の避難所
「ミント食べたーい」
みんなしてそう言うから、
じゃあ剥がすか。
床面にひっついたカートン二つ並びを──
って、一切さんと二人でやれば剥がれるべ。
江藤鉱「おいっ、ミント流行ってんの?」
川浦 凪「「おいっ」だってっ」
社員の一切さんについ、
そう呼びかけちゃったか。
つっこんだのは川浦さんだっけ。
案内カウンターからシーバー何度も飛ばす、
微笑みほくろメガネの女性。
・・・まぁそんなこんなありました。
尾沢吏帆(無茶苦茶かっこよくなかった?)
なんて思うわけねーな、
尾沢吏帆さんが。ましてや俺をや。