聖魔ざくろ学園 ~きみは僕のマニフィカト~

みかの原 和季

光射す庭で(脚本)

聖魔ざくろ学園 ~きみは僕のマニフィカト~

みかの原 和季

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〇華やかな裏庭
  あなた、運命は信じる?

〇華やかな裏庭
  私は信じる。
  今でも、信じてる。
  運命は、きっとあるって。

〇華やかな裏庭
  でも――
  運命を信じることと、受け入れることは、
  また、別の問題だよね。

〇華やかな裏庭
  「しくしくしく・・・・・・おうちに帰りたい」

〇華やかな裏庭
  コンビニのおにぎり食べたい。
  ジャージ着てゴロゴロしたい。
  誰かと道ばたでおしゃべりしたい。

〇華やかな裏庭
  コーラ飲みたいポテチ食べたいスニーカーのかかと履き潰したいドンキ行きたいイオンでもいいスマホで動画チャットゲーム周回!

〇華やかな裏庭
有鹿えいど「かえせもどせ私の人生! どうしてこうなった!」

〇華やかな裏庭
  叫んで見ても、応えはない。
  聞き入れてくれるものは、誰もいない。
  私の運命は変わらない。

〇華やかな裏庭
  出会ってしまったことは、なかったことにならない。。
  魅入られてしまったことは、取り消せない。

〇華やかな裏庭
  ううん、魅入られたのではなく、私が彼を魅了してしまったのかも。

〇華やかな裏庭
イリス「あたたかいね、僕のマニフィカト」

〇華やかな裏庭
  少年の姿をした「彼」は言う。
  少年の声で、言う。

〇華やかな裏庭
  でも、それは偽り。
  見かけも声も年齢も、人であることすらも。

〇華やかな裏庭
  彼は、物の怪。
  この世ならざるもの。
  されど、この世を統べる力を持つもの。

〇華やかな裏庭
  そして、私は彼のマニフィカト。
  彼に愛され、敬われ、憧れられ、畏れられ、嫌われ、憎まれ――彼を惹きつけるもの。

〇華やかな裏庭
  つまり、私は彼を統べるもの。

〇華やかな裏庭
  どうして、こうなっちゃったかなぁ。
  私は、ほんの数日前のことを思い返していた。
  私の、運命の日を。

〇渋谷のスクランブル交差点
  渋谷、スクランブル交差点,夕方――
  だが、あたりは真夜中のように暗い。
  車も、人の姿もない。

〇渋谷のスクランブル交差点
  あたりを埋め尽くす、土砂降りの雨音。
  それに混じって、コツコツと何かがぶつかる音。
  雨に混じって、雹が降っている。

〇渋谷のスクランブル交差点
  そして、稲光と、雷鳴。

〇渋谷のスクランブル交差点
  (雨の予報、出てないな・・・・・・)

〇渋谷のスクランブル交差点
  雨を避けて駆け込んだレンタル屋の隅っこで、お天気アプリを確かめる。

〇渋谷のスクランブル交差点
  雨雲レーダーには、雲の影一つない。渋谷は、晴れのはずだ――自然科学的、には。

〇渋谷のスクランブル交差点
  (と、なると、アレだなぁ・・・・・・)

〇渋谷のスクランブル交差点
  あきらめ半分、覚悟半分の境地になった私の耳に、店内の誰かの会話が飛び込んできた。

〇渋谷のスクランブル交差点
  「ねぇ、雲の中、なんか動いてない?」

〇渋谷のスクランブル交差点
  その直後、店内のあちこちから同じアラーム音が鳴り出した。みんなの持ってるスマホに、警報が着信したのだ。

〇渋谷のスクランブル交差点
  「緊急警報です、地震、落雷、突風など、あらゆる超自然災害に備えて下さい」

〇渋谷のスクランブル交差点
  店内のあちこちから、ざわめきや悲鳴が上がる。

〇渋谷のスクランブル交差点
  いつも思うけど、どうせすぐに判るんだし、判ってもどうしようもないんだし、だったらこんな警報、意味なくない?

コメント

  • 不思議な設定とお話ですね。
    たしかに予報をされても…という気持ちはわかります。
    何かが起きる序章っていいですね。
    これからのお話が示唆されてる感じです!

  • 導入部、とてもキリのいいところで終わったのでこのあとの展開が気になります。日々のぽんぽんでてくる小さな欲求たちであったり、生きることって全般にわけわかんないことや葛藤、矛盾も多くありますね。

  • 人生って、何も教科書があるわけじゃないので人それぞれですよね。でもどうしてこうなった!と感じるのは皆そう思うはず!
    そう思いたいだけかもしれませんが…。

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