こんなの言ったもん勝ちだ(脚本)
〇個別オフィス
課長「──のため、君には別部署へ左遷してもらう」
課長「そして、被害者の彼は退職代行を使いもう退職している」
課長「もう君の顔を見るのが苦痛で仕方ないそうだ。自分が何をしたか分かっているのか!?」
夜中 力「ちょっと待ってください!」
夜中 力「私は暴力は勿論、怒鳴る様な真似も、脅す様な真似もしてません!」
夜中 力「今はそういうのに厳しいから教える立場として気を付けてきました」
夜中 力「これじゃあ言ったもん勝ちですよ・・・」
課長「確かに私たちとの育った環境とは違う事も多くある。それでも君のやってきたことは」
課長「立派な”パワハラ”なんだよ」
〇線路沿いの道
夜中 力(・・・あんまりだ。こんなの)
夜中 力(アルコールを無理に飲ませたり、何かを強制したりもしてないのに)
夜中 力「・・・あいつの勘違いじゃないのか?」
夜中 力「まさか、ハメられた・・・!?」
〇黒
彼は本当にハメめられたのでしょうか?
それとも、無自覚だったのでしょうか?
彼と新人くんのやりとりをみて、
皆さんで考えていきましょう
〇オフィスのフロア
遡ること1か月前
心木 新「本日よりお世話になる心木 新と申します。宜しくお願い致します!」
上司「宜しく。君のOJTはあそこの端に座っている夜中が担当する」
上司「分からないことがあったら彼に聞いてくれ」
心木 新「わかりました」
夜中 力(ほう。あいつが今年の新入社員か)
夜中 力(最近の若いのは褒められないとやる気を無くすと聞くしな。よし、最初から褒めるか)
心木 新「心木 新です。宜しくお願い致します!」
夜中 力「あぁ、よろしく」
夜中 力「それにしても、心木は随分とイケメンだな!学生時代はモテたんじゃないか?」
心木 新「えっ」
心木 新「いや、そんなことは」
夜中 力「謙遜するな。それにゆとりにしては言葉遣いもしっかりしている方だし」
夜中 力「期待の新人だな!」
心木 新「・・・あはは。ありがとうございます」
夜中 力(よし。つかみはバッチリだな)
〇居酒屋の座敷席
数日後の飲み会にて
上司「それじゃあ新人の入社を祝って」
「カンパーイ!!!」
夜中 力「ぷはーっ!やっぱりビールだよな!」
心木 新「あっ、注ぎますよ!」
夜中 力「おぉ、気が効──」
夜中 力(そうだ!アルハラにも気をつけないと!)
夜中 力(一気飲みやアルコールの強要は確かダメなんだよな?注ぐのもアウトなのか?)
夜中 力(とはいえ、後からこれがアルハラと言われたらたまったもんじゃないし、断るか)
夜中 力「いや、大丈夫だ。俺のことは気にせず好きにしろ」
心木 新「えっ、でも」
夜中 力「良いから良いから!これはお前を祝う会なんだから」
心木 新「あ、ありがとうございます!」
夜中 力「あぁっ」
夜中 力「とはいえ」
夜中 力「俺が若い頃はこんなのあり得なかったけどな〜!いい時代に生まれてよかったな!」
夜中 力「ほら、好きなのを頼め頼め!」
心木 新「・・・はい」
夜中 力(よし、強要はせず相手のこともしっかりと持ち上げてる。これで問題ないだろ)
〇居酒屋の座敷席
〇大教室
心木 新「──さて、以上、パワハラについての動画をご覧頂きましたが」
心木 新「皆さんどうでしたか?正直な感想をお願いします」
原田「彼は実際にあの新人にハメられていたんじゃないか?問題点が見つからん」
原田「そもそも退職代行を使用するなんてけしからん!あんなのは甘えだ!」
麺道「そうだそうだ!そういう場ではしっかり自分の口で言うべきだ!」
麺道「寧ろお酒だって注がなくて良いと断っていたし、何が不満だったんだ」
瀬句「あそこのシーンじゃない?ほら、イケメンとか言ったところ」
瀬句「今時の子ってあぁいうの言われると切り返し方がわからないのよ〜」
瀬句「何でもパワハラって言ったらいいと思ってるのよね〜」
心木 新(あぁ、ほらやっぱり)
〇黒
(イジメはなくならない訳だ)
私は古いタイプなので、パワハラをやる可能性がとても高いのですが、基本は本音でいかないと、心の体力がもちません。お話の切りどころも、あーここだなぁとガッテンしました。別の話でもハマったので、次回が楽しみです。
追伸、音の出し方を模索中。
今の時代に会社員として働くことは難しいですね。パワハラ、セクハラ、モラハラなど、人間関係が希薄になって共同活動や公共生活の礎を破壊してます。
まぁパワハラではないとは思います。
でも受け手がどう感じるかにも左右されますが…。
昔はどうだったとか、言葉選びは大事ですが、それを見越した適切な人員配置は上長の役目だと思うので、会社の過失でもあるのでは?と色々考えてしまいました笑