マリン脱退(脚本)
〇一人部屋
同期飲みでした!サイコーの同期✌️
まだまだ未熟な私たちですが、精一杯頑張ります☆
契約取るぞー!!
やべぇ、研修ハードすぎるww
昔サッカー部で地獄の階段トレーニングやってたの思い出すw
──なんか、思ってたのと違うかも。
私がやりたいのはもっとクリエイティブな仕事で、こんな雑用みたいなのいつまでやるの?
彼と別れました。
お互い社会人になって、環境や生活リズムも変わって・・・
寂しいけどお互いに納得した上での決断
マリン(そっか、みんなもう、社会人なんだ。 この仕事してると感覚鈍るな・・・)
〇カフェのレジ
マリン「いってきまーす」
マリンの母「いってらっしゃい。今日はなんのお仕事?」
マリン「ライブだよー」
マリンの父「おー、気をつけてなー」
最初こそアイドル活動に反対していた両親も、今は何も言わない。
むしろ応援してくれている
〇ライブハウスのステージ
今日は新宿のVosenでライブ!
私たちPass☆Tellは3組目の出演です!
よかったら見に来てね♪当日券もあります
ファン「マリンちゃーん!今日も来たよ!」
マリン「あ、ありがとうございますー!」
固定のファンもできた。
長い人はもう、3年以上応援し続けてくれている
〇土手
インスタのフォロワー7000人
Twitterのフォロワー5000人
ブログのPV 1月6000PV
これは、2年前からほとんど変わっていない
マリン(そろそろ、潮時かな・・・)
〇更衣室
マリン「私、やめようと思う」
ヒマ「えっ!?待って、それ、私たち3人になっちゃうってこと? これからどうするのよ!」
モモ「マリン、やめるっていうのは、グループをやめるってこと? それとも・・・」
マリン「芸能界を、やめる」
メロン「・・・そっか。 もう事務所には話してあるんだ」
マリン「うん」
〇ライブハウスのステージ
メロン「みんなー!今日はマリンのラストライブだよ☆」
ヒマ「すごいね〜満員御礼! それでは、今日の主役に登場してもらいましょー!!」
マリン「本当に、本当に── 4年間、ありがとうございました!!」
ファン「うおぉぉぉ、マリンちゃーーーん!!」
〇空っぽの部屋
監督「マリン、お疲れさま。今までよく頑張ってくれた」
マリン「えーっ!こんな・・・」
メロン「お疲れさまー♪」
ヒマ「そういえば、ちゃんと引退イベントやったの、マリンが初めてだもんね」
モモ「マリン、今までありがとう」
〇カフェのレジ
マリンの母「そっか。長い間、お疲れさま」
マリンの父「未練はないのか?」
マリン「うん、もうやりきったから。 これからは、こっちで精一杯頑張ります」
〇コンサート会場
まるで、夢のような4年半だった
歌やダンスなんて、将来なんの役にも立たなそうなことに、夢中になって、怒って、泣いて、笑った
なぜか私を応援してくれた「ファン」という存在
もっと可愛くて、歌もうまくて、ファンサービスの良い子なんてたくさんいたのに
あの人たちの中に、私は「マリン」として生き続けるのだろうか
特殊な世界だったけれど、良い経験になったと思う
〇カフェのレジ
──1年後
マリン「いらっしゃいませー」
マリン「って、モモ!?」
モモ「マリン、久しぶり〜!」
マリン「久しぶりだねー! 来るなら連絡くれればよかったのに」
モモ「あははっ、急にごめんね〜 これから収録だから、現場に差し入れ持っていこうと思って」
マリンの母「あらまぁ、アイドルの時同じグループだった、あの可愛い子! 実際に見るともっと可愛らしいわねぇ〜」
マリンの父「なにっ、アイドルか? そんな細くて、ちゃんと食べてるのか!? ほら、おまけするからたくさん食べなさい」
マリン「もーお父さん、落ち着いてー」
モモ「あ、ありがとうございます」
マリン「そういえばモモ、今度ドラマの主役決まったんだね!」
モモ「あ、うん!知ってたんだ! 深夜枠だけどね〜」
マリン「みんなはどうしてる?」
マリンが脱退した半年後、「Pass☆Tell」は解散した
モモ「メロンは相変わらずマルチにやってるよ。 今度声優のお仕事もやるって言ってた」
モモ「ヒマは、芸能活動というよりインフルエンサー的なのを目指すって、SNS頑張ってるよ」
マリン「そっか、みんなそれぞれ変わっていってるんだね」
モモ「わー、こんなにおまけしてもらっちゃって、ありがとうございます!」
マリンの母「ぜひまたいらしてね」
モモ「はい! じゃあ、また連絡する♪」
マリン「うん。撮影頑張って!」
そして、仕事が変わっても、仲良くいられる友人ができた
私にとってアイドル活動は、青春そのものだった
完
完結おめでとうございます!
マリンちゃんはアイドル活動を辞めてしまいましたが、その経験は決して無駄では無かったと言い切れますね。
もう一度言いますが完結おめでとうございます!