エピソード11(脚本)
〇マンションの入り口
千頭和 由愛葉「佐々ちゃん、あれ」
私は窓の外を指さす。
金髪のピアスが何個が何個か開けられていて、いかにもヤンキーって格好をしている。
佐々木宙「あいつだ」
その男は、分析した時に出てきた男と瓜二つであった。
私の体は、自分の脳みそより早く動いた。
千頭和 由愛葉「ちょっと待ったーーーー!!!!!!」
私は勢いよく車から飛び出て、犯人に走っていった。
佐々木宙「おい、待て!」
佐々ちゃんの声は、私には届かず、
千頭和 由愛葉「そこの金髪~~!!」
私が大声を発しながら犯人に近づく。
すると、足元がもたついて、転んでしまった。
千頭和 由愛葉「いててっ」
いつもの悪い癖が、ここでも出てしまった。
金髪男は、私を見て「なんだこいつ」みたいな顔をしていた。
佐々ちゃんが私の後を追って、犯人に近づく。
そして・・・
佐々木宙「お前を誘拐犯として逮捕する」
金髪の手に手錠をはめた。
私は、擦りむいた膝を抑えながら、
千頭和 由愛葉「ネコちゃん確保!!!!」
ゲージを持ち上げて、中を確認した。
そこには、毛が鼠色で、目が青の猫が入っていた。
千頭和 由愛葉「こころちゃんの猫だ」
私は、嬉しさと、安堵が混ざったため息をついた。
佐々木宙「とりあえず、車の中で事情聴取だ」
佐々ちゃんは男を連れて、車の後部座席に乗り込んだ。
〇車内
私は助手席に座り、メモを取り始めた。
佐々木宙「なんで猫を誘拐した」
佐々ちゃんは男に聞いた。
すると・・・
男「猫が欲しかったからです。でもお金がなくて」
と、泣きながら話した。
佐々木宙「なんで、あそこの家を狙ったんだ?」
男「前にあそこの家の前を通った時に、あの猫に一目惚れしまして」
私はこの人の話し方で気づいた。
千頭和 由愛葉(この人は、ホントは優しい人だ)
千頭和 由愛葉(ただ、やり方を間違えただ)
私は、彼に助言をした。
千頭和 由愛葉「お金がないんだったら、動物愛護団体で保護られた猫を貰いに行けばいいじゃい。申請すれば、無料だよ。」
男「でも、俺は見た目がこんなんだから、無理かと」
彼は俯きながら話した。
千頭和 由愛葉「それなら、あなたが出所したら、私が一緒に行ってあげるよ。あなた根はいい人みたいだし」
男「ほんとですか?」
千頭和 由愛葉「ほんとさ」
彼は私の手を握り、何度も頭を下げた。
〇住宅街
車は動きだし、彼の身柄を警察課の方へ渡した。
手続きが済んだ後、こころちゃんのもとへ向かう。
お昼頃行ったこころちゃんの家の前には、親御さんと一緒にこころちゃんが立っていた。
千頭和 由愛葉「はい、こころちゃん」
私は猫が入ったゲージを渡す。
女の子「たま~~~!!!!!!」
こころちゃんは、跳ねながら喜んでいた。
両親「この度はありがとうございました」
佐々ちゃんと私に両親はお礼をした。
佐々木宙「いえいえ、私達の仕事は人々の笑顔を守ることですから、ではここで」
佐々ちゃんはそう言うと、車に乗り込んだ。
千頭和 由愛葉(佐々ちゃんカッコいいこと言うじゃんか。)
私も、佐々ちゃんに続いて車に乗り込もうとすると
女の子「ありがと!千頭和の探偵さん、佐々ちゃん」
たまの手を振ってお礼を言った。
千頭和 由愛葉「こちらこそ~」
佐々木宙「なんで俺だけあだ名なんだ……………」
千頭和 由愛葉「まっそんなのいじゃん?」
佐々木宙「それもそうだな」
こうして、猫ちゃん誘拐事件は、幕を閉じた。