彼の秘密(脚本)
〇メリーゴーランド
もう1人の偽秋長
秋長を名乗る未来人「過去に戻って彼女に会えるなんて・・・。これがただのデートならどんなに幸せだろう」
秋長を名乗る未来人(これから、どう行動しよう。 まさか二人も秋長がいるなんて。 ひとりが殺人犯の秋長で、もうひとりは電話で呼んだ警察か?)
秋長を名乗る未来人「「あなたは警察ですか?それとも犯罪者ですか?」なんて聞けるわけが無い・・・」
〇病室のベッド
時は未来の話。
葉子が秋長達とデートをした日、その日の四年後の未来の事だ。
葉子の母親は入院していた。
病院には、葉子の未来の彼氏が、葉子の母のお見舞いに来ていた。
その彼こそ、偽秋長のひとりだった。
葉子の母「忙しいのにお見舞いに来てくれてありがとう。 葉子にこんな優しい彼氏がいてうれしいわ」
葉子の母「実は、あなたに頼み事があるの」
秋長を名乗る未来人「(後で秋長と名乗る葉子の彼氏) どうしたんですか?」
葉子の母「葉子の左腕に、ミミズ腫れのような傷があるのは知ってる?」
秋長を名乗る未来人「はい。交通事故で怪我をしたと聞きました」
葉子の母「実は違うの」
葉子の母「四年前、あの子は「秋長隼人」という男に朝の9時に会いに行って拉致された。なんとか逃げ出したんだけど腕に怪我を・・・」
葉子の母「恐怖で、誘拐された頃の出来事をほとんど覚えてないの。 私がちゃんと「知らない人と二人きりで会うな」と止めていれば・・・」
驚いて言葉が出なかった
葉子の母「無事に帰ってきたから良かったけど、最近あの子の記憶が所々戻ってきてるみたいで、心配なの」
葉子の母「お願い!四年前に行って、葉子を助けて!」
秋長を名乗る未来人「お、お義母さん? どうしたんですか!? いや、過去に戻らなくても、自分が葉子さんを幸せにしますから!」
葉子の母「私、病院のベッドで横になりながら「死ぬ前にしたい事」を考えてたの。 ひとつは、葉子の苦しみを取り除く事だと思ったわ」
葉子の母「四年前の過去に行って葉子が誘拐されなければ・・・。 私は行けないから、あなたにお願いしたいの」
秋長を名乗る未来人「ダメだ・・・お義母さん聞いてない。 えっと、あの〜 いや〜さすがに過去には行けません」
葉子の母「大丈夫」
秋長を名乗る未来人「いやっ、大丈夫じゃないです」
葉子の母「私が一生に一度だけ使える「自分の目の前の人を好きな時間と場所に移動させ、一日経ったら帰って来させる」魔法を使うわ!」
秋長を名乗る未来人(お義母さん錯乱中か? しかも拒否権とかないのかな〜)
葉子の母「さあ、この手を取って、目をつぶって。 一日経ったらこっちに帰って来れるからね」
秋長を名乗る未来人(まいったなぁ・・・ でも、葉子のお母さんの気持ちもわかるから、過去に行ってきた演技でもするか)
葉子の母「まかはんにゃ〜トラトラ〜ナムナム〜」
秋長を名乗る未来人「仏教呪文ですか!?そうなのか!?」
葉子の母「キェ〜〜〜〜〜〜〜イ!」
秋長を名乗る未来人「えっ!?」
葉子の母「よろしくお願いしますね〜」
秋長を名乗る未来人「うお!うお、うぉ〜〜!」
葉子の母「やった。成功〜 行ってらっしゃ〜い」
葉子の母「さて、疲れたし、寝よ寝よ」
〇駅前広場
気がついたら、駅前にいた。
葉子のお母さんの話から考えると病院にいた時から数えて四年前に来ているはず
秋長を名乗る未来人「うーん、警察の助けは必要だよな。 持ってたリュックに携帯は⋯これ、使えるかな?」
秋長を名乗る未来人「でも「四年後の未来から恋人を助けるためにやって来ました。犯罪者が彼女と会います」なんて言っても信じてもらえる訳がない」
秋長を名乗る未来人「・・・・・・。 よし、警察には非通知番号で情報流したし、必要な物も買えた」
秋長を名乗る未来人(あっ!葉子だ・・・。まだ女子大生なんだな。 今も昔もかわいいよ)
お義母さんの言っていた事が思い出され、胸が痛くなる
葉子。絶対に君を守るから!
〇ジェットコースター
話は遊園地デートに戻る
私「ふう〜!ジェットコースター、楽しかった♪」
あきさん「ドキドキしてヤバかった。 スクリュー最高〜」
私「はい!怖くて叫んじゃいました」
はやとさん「あの浮遊感、スピード、病みつきになりますね」
ながさん「・・・」
私「長さん大丈夫ですか?顔が真っ青ですよ。 あっ、手も冷たい。(フニフニ)」
ながさん「・・・そんな風に揉んでもらって、元気でた」
私「あっ!ご、ごめんなさい。つい友達みたいに」
ながさん「いや、サンキュ」
あきさん「葉子ちゃん、僕も揉んで〜」
はやとさん「私もお願いします」
私「いえ、もみませんっ」
私(これって、私の事が好きなんじゃなくて、張り合ってるだけだよね?)
私「はい、次行ってみよう〜!」
アキナガが一杯でちょっと置いて行かれてる感ありますが(苦笑)面白かったです。続きが楽しみです。
おお~、物語に深みというかドラマ性が増してきましたね~。応援したくなる「秋長」も出て来て、これから先を読むのがますます楽しみです♪