エピソード3(脚本)
〇救急車の中
楓「・・・・・・」
龍人「楓・・・・・・気をしっかりな・・・・・・」
楓「うん。ありがと。頭が少し痛むけど、それ以外は問題ないわ」
龍人「そうか・・・・・・」
龍人「・・・・・・しかし、二匹もあんな化け物がいるなんて・・・・・・」
龍人「ゴキブリなら一匹見つければ百匹はいると言われているが・・・・・・」
楓「その話だと、昨日見たのと合わせて三匹見たから、三百匹以上はいる事になるわね ・・・・・・」
龍人「・・・・・・あ、ああ、そうだな」
楓「・・・・・・ちょっと・・・・・・?」
楓「お兄ちゃん・・・」
龍人「うむ・・・・・・」
龍人「(ふふふ)」
楓「なんか、嬉しそうに見えるんだけど・・・・・・」
楓「気、気のせいよね・・・・・・」
龍人「ふふふ」
龍人「うふふふふふふ」
楓「はぁー・・・・・・」
龍人「だーーーーーっはっはっはーー!!!」
楓「こういう不謹慎なやつだったわ・・・・・・」
龍人「楓!とうとうこの日が来た!!」
龍人「魔王だ!」
龍人「魔王が復活したに違いない!!」
龍人「修行の成果を世間に見せつける時がやって来たのだ!!」
楓「妹が襲われとるとゆーのに、その態度は何よ!」
龍人「う。・・・・・・そうだったな。すまん。つい・・・・・・」
楓「はぁ。まあ、大事に至らなかったから良かったけど・・・・・・」
楓(これってわたしが言うセリフなのかしら)
楓「それにしても、あの男の子。何しにあそこに・・・・・・」
「うわ!危!!」
「え!!」
キキーーッッ!!
〇オフィスビル前の道
ザザザザザザッ
「な、なんだ!?子供!?」
〇救急車の中
楓「え、何?」
救急隊員「だ、大丈夫でしたか!?」
楓「え、ええ。でも、今の何ですか?」
救急隊員「子供が飛び出て来たようで、慌ててブレーキを・・・・・・」
救急隊員「でも、すぐに見失ってしまったみたいで・・・・・・とにかく、急ぎます」
楓「あ、はい」
龍人「本当に子供・・・なのか・・・」
楓「うーん・・・」
〇黒背景
・・・・・・
程なくして救急車は病院に到着した
バタン
ガチャ
ガラガラガラ・・・・・・
〇病院の待合室
龍人「ふう。楓は診察か」
龍人「しかし、本当に一人でうかうか外も歩けなくなってしまったな」
龍人「私が常についておいてやるべきか」
龍人「あいつももう高校生か。そろそろ鎧の一つも作ってやらねばなるまいか・・・・・・」
龍人「お」
ツカツカツカツカ
龍人「あれは」
ツカツカツカツカツカツカツカ!
龍人「楓ではないか!早かったな!」
楓「帰るわよ!」
龍人「もう大丈夫なのか?先生は何だって?」
楓「ヤブ医者だわ!ここ!」
龍人「何!?」
楓「いえ!ヤブ医者なら、それはそれで医者だからまだマシ!」
楓「ふざけてるのよ!」
龍人「ど、どう言う事なのだ!」
楓「医者じゃなくて、コスプレ変態親父なのよ!」
「おおーい!カエデニア!待たれよー!!」
王様「いやいや、そんなに急いで帰る事もなかろうに」
楓と龍人の目の前に「王様」が現れた
楓「あんた!どこの誰よ!」
王様「な、何と!失礼な!カエデニアよ!その言葉づかいどう言う了見だ!」
楓「今まで出会った事のあるどのカテゴリにも属さない風貌はなんなのか聞いてるのよ!」
楓「いい年して!コスプレとか!ここは病院でしょ!?早くお医者さんを呼んで来なさいよ!」
王様「おお・・・カエデニアよ・・・・・・何を言っているのだ、ここはレグザス地方の東方全域を治める都市クラマトの中枢・・・」
王様「中村記念病院城ではないか!」
楓「病院やないかい!」
王様「あ、あれ・・・何故だ・・・知らぬ言葉が頭に・・・・・・」
楓「もう!お兄ちゃんも何とか言ってよ!」
龍人「あ、お・・・・・・あなた・・・」
王様「むう・・・・・・」
龍人「お、お、」
龍人「王様ーーー!!!!」
楓「お前も!そっち側かー!!!!」
龍人「王様!カエデニアの言動申し訳ありませんっ!!」
王様「お前は、リュートか!!」
龍人「は、はい!!何故名前を!?」
王様「お前がまだ幼き頃、腹を下してここに来た時の事をよく覚えておるぞ・・・・・・」
楓(医者なのか!?医者なのか!?)
龍人「何と!あの時の事を!覚えて下さっていたのですね!」
王様「うむ。よーく覚えておるぞ。あの時の幼子がこのように逞しくなったか」
楓「・・・・・・」
王様「カエデニアも大きくなって。しかしこちらはお転婆に育ったものだ」
龍人「えぇ!そうなのですよ!兄としても困ったものです!」
「なーっはっはっはっはっは!!」
楓「あかん・・・わたしはもう帰る!」
「カエデニア!」
「ハモるな!!」
〇病院の入口
楓「頭も痛く無くなってきたし。早く帰って寝よ」
「まつのだ!」
龍人「カエデニア!」
楓「楓です!」
龍人「楓、王様にしつ・・・・・・ゴホン、体は大丈夫か?」
楓「ええ、なんか怒ってるうちに頭痛も消えたみたいね。普通は逆に悪化するはずだけど!」
龍人「うむ。そうか、体調が良くなったのは何よりだな」
龍人「では、帰るか」
楓「そうね。頭痛は無くなったけど、どっと疲れたわ」
ザザザザザザ
楓「え!」
龍人「なんだ!」
「ギァーーーース!!」
楓「出たー!!」
楓(もうやめて・・・・・・)
龍人「くそ!本当に何処にでも潜んでるな!」
龍人「しかぁし!今度こそ私の剣の前にひれ伏すが良い!」
楓「お兄ちゃん!いいから逃げないと!」
龍人「これで四体目・・・・・・一匹でも多く・・・・・・」
龍人「狩る!!」
ガンッ!!
緑の肌の生物「グググ、、」
楓「当たった!」
緑の肌の生物「グググ」
緑の肌の生物「ギァース!!」
龍人「クッ」
龍人「でやぁ!!」
ガガガガッッ!!
緑の肌の生物「ギァーーーース!!」
楓「だめ!お兄ちゃん!効いてないわ!」
龍人「ぬぅ!やはり段ボールにアルミホイルを巻いただけの剣ではダメージが少ないか!」
楓「なんつうモノ装備して来たのよ!」
龍人「くそー!しかし諦めたらそこで試合終了だと〇〇先生も言っていた!」
楓「それはバスケの話ね・・・・・・」
龍人「数打って削るしかない!」
リュートよ!これを使うが良い!
龍人「なんと!王様!!」
龍人「こ、これは!」
ブラッディソード・・・・・・レグザス地方中央にそびえるリコピ山脈の山中に眠るとされるメアリの泉で・・・
楓「あーもう!うんちくはいいから!お兄ちゃん早く!」
龍人「こいつならば!」
龍人「つぁーーーっ!!!」
ザンッ!
緑の肌の生物「グググ、、」
緑の肌の生物「ギャアアアアアァァァ・・・・・・!!!!!!」
龍人「はぁ、はぁ、はぁ、・・・」
楓「・・・・・・やった・・・・・・わね」
龍人「お、王様・・・・・・」
王様「うむ、リュートよ。良くやった。わしが見込んだだけの事はある」
王様「さあ!見るが良い!!」
そう言って王様は通りの向こうの繁華街を指した。
〇繁華な通り
クラマトの街へようこそ
うちの亭主ったら。また酒場に行ったのね。帰って来ても入れてやらないんだから。
おう!今日は武器屋は閉店だ!武器が欲しいならまた明日来てくれ!
楓「な!!」
龍人「こ、これは!」
王様「うむ」
楓「コスプレ!・・・・・・にしてはクオリティが高すぎるような!」
王様「ああ、わしも記憶が混濁しているが。ここは」
王様「クラマトの街じゃ!」
龍人「わなわなわなわな」
龍人「来たーーーーーーー!!!!!」
楓「ちょっとお兄ちゃん!!どこ行くの!?」
ガッチャガッチャガッチャガッチャガッチャ!!
楓「はぁーーーー・・・・・・」
つづく