愛天使世紀 ウェディングアップル

ウェディングアップル・シナリオ制作チーム

第2話 愛天使華麗に登場②(脚本)

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〇綺麗な教会
  花吹雪の舞う美しい教会の一角。
  そこで新婦の椿は、新郎の三田村博と
  誓いのキスをした。
  人々の声援に包まれ、幸せそうな笑顔を
  浮かべる二人。

〇モヤモヤ
  そんな幸せな二人に忍び寄る、不気味な
  影があった。
  影は博の背後に回り込むと、その背中に
  黒い妖気を放出した。

〇綺麗な教会
三田村博「ウッ!」
三田村博「・・・・・・」
三田村博「雪代椿、お前は大嘘つきだ」
雪代椿「え?」
三田村博「お前は俺を愛してなどいない。 会社の上役と不倫を重ねているだろう」
雪代椿「・・・不倫? 博さん、何をおっしゃっているのです?」
三田村博「俺はお前の淫らな心をすべて 知っているんだ」
雪代椿「淫らな心?」

〇備品倉庫
雪代椿「キャーーー!!」
朝陽林檎「ん?」

〇綺麗な教会
朝陽潤一郎「博くん、どうしたんだ!?」
三田村博「邪魔だ。どけ!」
  次の瞬間。博は並々ならぬ力で
  カメラマンを弾き飛ばした。
朝陽潤一郎「うわあああああ!!」

〇備品倉庫
  弾き飛ばされたカメラマンを見て、
  思わず声をあげる林檎。
朝陽林檎「お父さん!?」

〇綺麗な教会
青年「やめろ!」
  急いで駆けてきた青年が、博に
  飛びかかって体当たりを食らわす。
  不意打ちをくらった博はよろけ、
  首を絞めていた椿を解放した。
  しかし博はすぐに体勢を立て直すと、
  青年に向かって黒い妖気を噴射する。
三田村博「キェッ」
青年「うっ・・・!」
  妖気を全身に浴びた青年は、意識を失い
  地面に倒れた。
客人の女性「きゃぁぁぁ~っ」
三田村博「ウオォォォ~ッ!」
  博の叫び声とともに会場内を黒い渦が
  覆い、人々が次々と倒れていく。

〇備品倉庫
朝陽林檎「ああ・・・」
  外の様子を眺めていた林檎は、
  なすすべもなく崩れ落ちる。
女神「あの人には魔霊が取りついています」
朝陽林檎「魔霊・・・?」
女神「はやく天使の愛を発露させなさい。 魔霊を取り除くのです」
朝陽林檎「天使の愛を発露?」
女神「愛天使になるのです」
女神「”ラブリィ・エンジェル・アップル”と 唱えなさい」
朝陽林檎「ええっ?」
女神「はやく!」
  林檎は戸惑いつつも、呪文を唱えた。

〇水玉2
朝陽林檎「マニフェステイション・オブ・ ラブリィ・エンジェル・アップル」

〇備品倉庫
アップル「な、なんなの? これ?」
女神「はやく花嫁を助けるのです!」

〇森の中
雪代椿「ハァ・・・ハァ・・・」
  鬱蒼(うっそう)と繁る樹々の中を、
  椿が駆けていく。
  博は獲物を探すかのように、
  椿の跡をゆっくりと追いかけた。
???「待ちなさい!」
三田村博「ギョエ? お前は・・・何だ?」
アップル「わ、私は・・・。 愛天使ウエディング・アップル」
アップル「心優しき女性の愛は尊いものよ。 それを汚すなんて・・・許せない!」
三田村博「ほざくな。ウォォォォ~ッ」
アップル「うぅぅぅぅ・・・」
三田村博「愛天使ウエディング・アップルだと? こざかしい。愛など偽りだ」
三田村博「アップル。 お前は人に裏切られたことはないのか?」
アップル「うぅぅ・・・」
三田村博「人を恨んだことはないのか?」
アップル「うぅぅぅ・・・」
三田村博「人に馬鹿にされ、罵られたことを 思い出せ! 憎むのだ!」

〇モヤモヤ
霧乃あやめ「林檎、戻しなさい」
霧乃あやめ「商品に触ってはいけない! って何度言ったらわかるの!?」
苗場桜「アルバイトのクセに勝手するな。 ば~か!」
霧乃あやめ「パーティ会場に飾る花、確認出来たの?」
霧乃あやめ「林檎、遅い」

〇森の中
三田村博「そうだ。お前の心には憎しみが宿った」
三田村博「お前の夢を遮る者を恨め! 憎め!」
アップル「うぅぅぅ・・・」
三田村博「愛など不毛だ。 怒りと憎しみで心を満たせ!」
アップル「うぅぅぅ・・・」
  アップルはうめき声をあげつつも、
  必死に胸のペンダントを掴む。
  ペンダントから聖なる輝きが放たれ、
  彼女の身体を包み込んだ。
アップル「・・・・・・」
アップル「違う。違います」
三田村博「なに?」
アップル「あやめ社長は・・・私のためを思って 叱ってくれるのです」
三田村博「なんだと?」
アップル「叱られるのは私が悪いからです・・・ 憎しみなど持ちません」
三田村博「黙れ、黙れ、黙れ!」
アップル「あなたは結婚しようとした人をなぜ 憎むのですか?」
三田村博「この女は、会社の上役と不倫を 重ねていた」
  椿は震えつつも首を横に振る。
三田村博「俺は何度も見た、この女がいかがわしい ホテルから出てくるところを!」

〇ラブホテル

〇森の中
三田村博「こいつは、ミダラな女なのだ」
雪代椿「違います・・・そこは取り引き先の会社 三宅商事への通り道でした」
雪代椿「たまたまホテルの前を通っただけです」
三田村博「嘘をつくな!」
雪代椿「本当です・・・愛しているのは あなただけです」
三田村博「信じられるかぁ!」
  意識を失って地面に倒れ込む椿。
  アップルは椿の前に出ると、彼女を
  庇うように妖気を浴びる。
アップル「あなたは間違っています」
三田村博「ふざけるな。 俺のことを何も知らないくせに。 わかったふうな口をきくな」
三田村博「俺はな・・・俺は・・・幼い頃からいつも 仲間に馬鹿にされ、裏切られて来た。 好きになった女にもな」
三田村博「甘い言葉で唆され、金を騙し取られた こともある」
三田村博「それでもやっと信じられると思う 椿と出会うことが出来た」
三田村博「それなのに、それなのに、この女は 俺を裏切った」
アップル「悪の心に惑わされてはいけません。 思い出して! 椿さんとの楽しい日々を!」
三田村博「ウウッ?」

〇水たまり
  博の頭の中に、椿との美しい思い出の
  日々がよぎる。

〇駅前ロータリー(駅名無し)
  突然の豪雨に戸惑う博の前に、
  広げた傘を差し出す椿──

〇雑居ビル
  酒に酔い、路上に倒れそうになった
  博を抱き起こしてくれた椿──

〇観覧車のゴンドラ
  夜景の美しい観覧車の中で、目を閉じて
  博のキスを受け入れた椿──

〇森の中
三田村博「嘘だ。この女は俺を誑(たぶら)かして いたんだぁ!」
アップル「哀しい人・・・なぜ信じてあげられ ないのです?」
三田村博「邪魔するなぁ!」
  雄たけびをあげてアップルに襲いかかる。
アップル「わっ」
  アップルは横跳びで避けようとするが、
  ドレスの裾を踏んで思わず地面に倒れる。
アップル「ああ!」
女神「アップル、お色直しするのです」
アップル「ええ?」
女神「念じて光の中で舞うのです」
  女神の言葉に戸惑いつつも、アップルは
  呪文を唱え始めた。

〇水玉2
アップル「お色直し! ア・ブライズ・チェンジ・オブ・ コスチューム!」

〇森の中
アップル「えぇっ、なんなの? これって?」
三田村博「なんだと? お前はやはり伝説の・・・ 愛天使の一人なのか!?」
三田村博「ウオォォォォ~~~!」
アップル「!! これが悪の正体ね」
アップル「新郎、博さんのほんの些細な妬み心に 取り憑いて・・・ 愛を壊す魔霊は許せない」
アップル「このウェディング・アップルが 不滅の愛を教えてあげるわ」

次のエピソード:第3話 愛天使華麗に登場③

コメント

  • 博くんさぁ……君が覚えてるだけでも椿さん、君にはもったいないくらい素晴らしい方じゃん……
    だからこそ、怪物とかを使役するんじゃなくて愛する人そのものに取り憑くってのは趣味が悪ぃな魔霊。
    ウェディングアップル!やっちゃいなよ!(ヤッチャイナヨー!)やっちゃいなよ、そんな魔霊なんか!

  • 少し前に西本りみさんの朗読版がありましたが
    アニメノベルで聴いてみたいですね。

  • おもしろいです!

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