強欲ちゃん

戸羽らい

第10話 冷静(脚本)

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〇ホストクラブ
ホスト「ぴとちだけだよ・・・」
ホスト「俺のつらさを分かってくれるのは・・・」
嫉妬ちゃん「良い子良い子」
ホスト「本当は女の子にこんな姿を見せるのはダメだけど、ぴとちならどんな俺も受け入れてくれるって知ってるから」
嫉妬ちゃん「うん。私はどんな雅也でも受け入れるよ」
嫉妬ちゃん「大変だったね。でも、莉奈さんも別に雅也を苦しめたくてやってるわけじゃないと思う」
ホスト「じゃああの人は何がしたいの?」
嫉妬ちゃん「楽しみたいんだよ。きっと、あの人なりの楽しみ方をしてるだけ」
嫉妬ちゃん「雅也はあの人の期待に変に応えようとしなくていいんだよ」
ホスト「でも、あの人のおかげで今の俺がいるから裏切るわけにもいかなくて・・・」
嫉妬ちゃん「雅也は・・・ホストでしょ?」
ホスト「・・・うん」
嫉妬ちゃん「お金に誠実なのは良いことだけど、相手の気持ちにまで誠実でいたら身が持たないよ」
ホスト「でも俺は・・・」
嫉妬ちゃん「・・・」
嫉妬ちゃん「どうしても・・・負い目を感じるなら、その時はこの仕事をやめればいい」
ホスト「・・・」
嫉妬ちゃん「やめた方が良いって言ってるんじゃなくて、「いつでもやめられる」と思うことでもうちょっと気楽になれるってこと」
ホスト「でも、やめたら俺には何も残らない」
ホスト「いつでもやめられるなんて・・・そんな覚悟俺にはないよ・・・」
  私は彼を抱きしめる
  “恋人”でも“姫”でもなく、まるで“母親”のように愛情深く抱きしめる
ホスト「うぅ・・・」
嫉妬ちゃん「こら。泣いてたら仕事にならないよ」
  彼の涙を拭うと、私は“悪魔”になった気持ちで彼に囁く
嫉妬ちゃん「大丈夫。雅也がホストをやめても私は見放したりしないから」
嫉妬ちゃん「何をしても、この先どうなっても、私だけはそばにいるよ」
ホスト「う・・・うぅ・・・」
ホスト「ぴとちぃ・・・」
ホスト「あの卓だけホストじゃなくてホステスですね」
ホスト「黄泉くん・・・」
ホスト「本来なら叱るべきですが・・・彼もつらい時期なのでしょう。そっとしておきますか」
ホスト「・・・まあ普段からあのクソ莉奈の相手してますからねえ。メンタルおかしくなるのも仕方ないか」
ホスト「う・・・うぅ」
嫉妬ちゃん「他のホストさんや内勤さんたちが見てるし、続きはアフターでね?」
ホスト「・・・わざわざお店に来ることないのに。お店に来ても俺、ろくな接客できないよ」
ホスト「それに、ぴとちとの時間を俺はアフターだと思ってない・・・」
嫉妬ちゃん「雅也・・・」
嫉妬ちゃん「もう! そんなんじゃ指名取れないよ! 私たちはあくまでホストと姫なんだから、ちゃんと仕事だって割り切らないと!」
ホスト「割り切れないよ・・・」
嫉妬ちゃん「もう・・・」
  私が思った通り黄泉は純粋で、無垢で、この仕事に後ろめたさを感じていた
  そんな彼の気持ちを利用することに躊躇いはあったけれど、今の私は手段なんか選んでられない
  あの女に取られるくらいなら、何をしてでも自分のものにする
  ──そう決めたから

〇シンプルな一人暮らしの部屋
色欲くん「はははっ! それもうお前に惚れてんじゃん!」
嫉妬ちゃん「どうだろうね。まだ完全ではないかな」
嫉妬ちゃん「私と仕事どちらを優先するかと言われたら・・・まだ彼の中で迷いはあると思う」
色欲くん「まぁNo.1だしなあ。そう簡単にやめられねえよな」
嫉妬ちゃん「私としては別にやめてもらう必要はないんだけどね」
嫉妬ちゃん「彼の中で私が一番なら何でもいい」
色欲くん「それにしても安全基地作戦上手くいったなぁ」
色欲くん「男が最終的に求めるのはやっぱり安心なんだよ。夜に慣れてないやつなんか特にな」
色欲くん「よっ! ぴとママ! 俺にもお小遣いちょーだい!」
嫉妬ちゃん「死ね」
色欲くん「死ななーい」
嫉妬ちゃん「ちょっと! まだやる気?」
  その男は着け直したばかりの私の下着に手を伸ばす
色欲くん「黄泉くん、じゃなかった。雅也くんがこれ見たらどう思うかな〜」
嫉妬ちゃん「・・・」
  彼の手が、舌が、私の肢体を痺れさせる
嫉妬ちゃん「・・・嫉妬してくれると思う」
嫉妬ちゃん「彼はきっと、前の私のように嫉妬する。そして私は、そんな彼の嫉妬を見て満足するんだろうね」
色欲くん「ついでにお前は俺に抱かれながらも、ずっとあいつのことを想ってる」
色欲くん「妬けるな〜」
嫉妬ちゃん「・・・思ってもないくせに」
  こいつはただの代替品。彼と会えない間、その穴を埋めるためだけのラブドール
色欲くん「俺だって男なんだぜ〜。もしかしたらお前のこと好きかもしれねーよ?」
嫉妬ちゃん「だとしたら、諦めて」
色欲くん「うるせえ。その生意気な口を矯正してやる」
  彼は言葉とは裏腹に、優しく、丁寧に私と交わる
嫉妬ちゃん「ん」
  彼との行為中、私は決まって目を閉じる
  頭に浮かべるのは黄泉の顔。彼を黄泉に置き換えて、まるで黄泉と致しているかのような妄想をする

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コメント

  • 作者コメントに笑ってしまいました…

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