〇女の子の一人部屋
怠惰ちゃん（今日はあのお客さんとゲームのイベント？に行く日だけど・・・）
怠惰ちゃん（何着てこう・・・）
怠惰ちゃん（これ？）
怠惰ちゃん（それともこれ？）
怠惰ちゃん（・・・うーん、私服のバリエーションが少なすぎる）
怠惰ちゃん「・・・」
怠惰ちゃん（まあなんでもいいか。何着ても一緒だし）

〇渋谷駅前
怠惰ちゃん「あっ」
暴食くん「やっほ〜」
怠惰ちゃん「おはようございます」
暴食くん「えーみさたん何その格好！ 子供っぽい！」
怠惰ちゃん「子供っぽい？」
暴食くん「あっごめん。貶してるわけじゃないよ」
暴食くん「ロリっぽくて可愛いなあって意味！」
怠惰ちゃん「ロリ？ 若いってことですか？」
暴食くん「そうそう！ てかプライベートなんだし敬語使わなくていいよ〜」
怠惰ちゃん「は、はい。えーと・・・」
暴食くん「リヒトでいいよ〜」
怠惰ちゃん「リヒトはああいうお店よく行くの？」
暴食くん「ああいうお店だけじゃなくて色んなお店行くよ〜」
暴食くん「僕は食いしん坊だからね〜」
怠惰ちゃん「・・・そうなんだ」
怠惰ちゃん「他の女の子とも、こうやって会ったりするの？」
暴食くん「え、そこ気になる？」
怠惰ちゃん「なんとなく・・・」
暴食くん「うーん、別に会ったりはしないかなあ」
暴食くん「みさたんがあまりにも僕のタイプだったから勢いで連絡先聞いちゃったけど、普段はそんなことしないよ」
怠惰ちゃん「そっか」
暴食くん「イベント始まっちゃうから早く行こ！ 僕やりたいゲームがあるんだよね〜」
怠惰ちゃん「・・・うん」

〇近未来の通路
暴食くん「うわ〜すごいや〜」
怠惰ちゃん「なんだか近未来的な空間だね」
暴食くん「最先端のバーチャルリアリティが体験できるらしいよ〜」
ホログラム「ファンシー・ビジュアライズへようこそ」
ホログラム「お客様には、これから様々な空想を擬似体験して頂きます」
暴食くん「すご〜い。ホログラムだ〜」
暴食くん「見て見て〜！ 触っても触れない」
怠惰ちゃん「すごい」
ホログラム「あちらへお進みください」
暴食くん「はーい」

〇研究所の中枢
ホログラム「よく来たな。人間たちよ」
暴食くん「あははっ。龍神様かな？」
ホログラム「我が名はアトランティス。海底の都を護る精霊だ」
ホログラム「君たちには使命を与える。七つの災害を司る悪魔から私たちの世界を守ってほしい」
怠惰ちゃん「使命・・・」
ホログラム「時間がない！ 行くぞ人間たち！」
　　お手元のゴーグルを装着してください
暴食くん「・・・」
怠惰ちゃん「えと、これで合ってるかな」
ホログラム「準備はいいか!? さあ行くぞ！」
ホログラム「Dive to Atlantis！」

〇川沿いの公園
「なんだか、まだ頭がぼんやりする」
「没入感やばかったね〜」
怠惰ちゃん「今のVRってあんな凄いんだね」
暴食くん「凄いよね〜。五感を完全に騙しにきてるというか」
暴食くん「ゴーグル外した時、あれどっちが現実だっけ？ ってなっちゃった」
怠惰ちゃん「わかる」
暴食くん「もしかしてこれも現実じゃないのかな？」
暴食くん「みさたんの存在も全部僕の妄想だったりする？」
怠惰ちゃん「私はちゃんと存在するよ！」