第4話 暴食くん(脚本)
〇高級マンションの一室
「帰るの?」
色欲くん「ああ」
傲慢ちゃん「朝までいていいのに」
色欲くん「お前が命令するならいてやるけど?」
傲慢ちゃん「・・・」
色欲くん「人とお前を繋ぎ止めているのは“金”だろ。なら、お前は俺の頬を札束で引っ叩けばいい」
色欲くん「そしたら俺は跪いて朝まで足を舐めてやるよ」
傲慢ちゃん「そういうの・・・」
色欲くん「でもそれが一番安心するんだろ?」
色欲くん「人の感情が分からないお前は打算に頼るしかない。愛情も友情も全部金で買うのがお前の生き方だろ?」
傲慢ちゃん「そうだけど・・・でも・・・」
傲慢ちゃん「悠太は・・・それで満たされるの?」
色欲くん「当たり前だろ。金貰ってんだから」
傲慢ちゃん「違う。そういうんじゃなくて・・・」
傲慢ちゃん「悠太は、私を抱く時、何を考えてるの。本当にお金のことしか頭にないの?」
傲慢ちゃん「さっきも私だけが気持ちよくなって・・・」
色欲くん「いいじゃんお前がそれで満たされるなら。俺はそれで十分だわ」
傲慢ちゃん「何も思わないの? その・・・私って自分で言うのもなんだけど・・・」
傲慢ちゃん「結構可愛いし・・・」
色欲くん「ははっ。面白いこと言うな」
色欲くん「いいか? 俺はお前を気持ちよくしてやろうなんて一度も思ったことがない」
色欲くん「お前が勝手によがってるだけだ」
傲慢ちゃん「・・・」
色欲くん「お前が勝手によがって、それを見て俺も勝手に楽しんでる」
色欲くん「俺はお前をどうこうしたいんじゃない。どうこうしてるお前を見てえんだよ」
傲慢ちゃん「・・・それだけでいいの?」
色欲くん「ああ、楽しいし」
色欲くん「ベッドの上で跳ねるお前はギャップがあって面白いからな」
傲慢ちゃん「・・・恥ずかしい」
色欲くん「でも、そこが可愛い」
傲慢ちゃん「・・・」
色欲くん「まあ・・・俺もお前も勝手に気持ちよくなってる。それで十分だろ」
傲慢ちゃん「・・・そうなのかな?」
色欲くん「ああ」
色欲くん「元々、愛を確かめ合うだあーだこーだくだらねえ感情は俺たちにはねえ」
傲慢ちゃん「・・・うん。私もそういう気持ちはよく分からない」
傲慢ちゃん「でも・・・」
色欲くん「いいんだよ。無理して他人を愛さなくても」
色欲くん「自分を愛してればそれでいいだろ」
色欲くん「お前も自分が好きだろ?」
傲慢ちゃん「・・・好き」
色欲くん「誰よりも自分が好きだろ?」
傲慢ちゃん「・・・うん」
色欲くん「俺も同じだ。だから気持ちいいんだよ、お前とヤるのは」
傲慢ちゃん「・・・」
傲慢ちゃん「ならもっと・・・気持ちよくなろう?」
色欲くん「いくら出せる?」
傲慢ちゃん「じゅうまんえ〜ん」
色欲くん「もう一声!」
傲慢ちゃん「え〜〜じゃあ〜〜」
〇メイド喫茶
怠惰ちゃん「100万円・・・ですか」
暴食くん「そうそう〜。まさかあんなに大勝ちできるとは思ってなかったよ〜」
怠惰ちゃん「競馬ってすごいですね。私もやろうかな」
暴食くん「今「ウマ女」の影響ですごく流行ってるからね〜。始めるには丁度いいかも」
暴食くん「乗るしかねえ! このビッグウェーブに!」
怠惰ちゃん「あはは」
暴食くん「あ、オムライスおかわり」
怠惰ちゃん「ありがとうございます」
怠惰ちゃん「あっ、ありがとうございます、先輩」
暴食くん「よしよし、可愛い後輩ちゃんだ〜」
怠惰ちゃん(変な気分。私の方が多分、年上なのに)
怠惰ちゃん(アラサーなのに制服着てる時点で変な気分だけど・・・)
〇車内
色欲くん「知り合いが経営してるカフェがあるんだけどよ」
色欲くん「人手不足らしいからお前に入ってほしいんだけど、行ける?」
怠惰ちゃん「カフェ・・・? バイトってこと?」
色欲くん「おう。ニート脱却の良いチャンスだろ」
怠惰ちゃん「でも・・・」
色欲くん「大丈夫大丈夫。話は全部こっちで通すから」
色欲くん「「可愛い子がいたら是非お願いします」って言われたんだが、俺の知り合いで可愛い子っつったらお前しかいねーからさ」
怠惰ちゃん「・・・そうだね。私くらいだよね」
怠惰ちゃん「私くらい可愛い子は私しかいないよね」
色欲くん「つーことで頼むわ〜」
色欲くん「ニート姫の社会復帰を俺は応援してますぜ〜」
怠惰ちゃん「・・・もう!」
〇メイド喫茶
怠惰ちゃん(それがまさか、こんなコスプレカフェだったなんて)
怠惰ちゃん(でも・・・)
怠惰ちゃん(私が一番可愛い)
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理解できないのがまた出てきた… 怠惰ちゃんはやっぱりチョロいかも…
自己愛で勝手に気持ち良くなるはある種の真理かもしれないですね。
愛を確かめあう云々も結局は相手の気持ちを理解したと勝手に自分が思うだけって解釈も出来ますし。
暴食は色欲とは違うベクトルでやばそう