プリンセス劇場の悪夢(脚本)
〇劇場の舞台
ジーグフェルド「やあ、フーディーニ! 今日も見事な脱出ショーでした」
フーディーニ「どうも、ジーグ」
ジーグフェルド「劇場公演は明日で千秋楽です。 今日は早めに休んでください」
フーディーニ「ありがとう」
〇コンサートの控室
フーディーニ「ふぅー」
フーディーニ「明日でモントリオールともお別れだ。 ベスに土産でも買いに行くかな」
フーディーニ「はい・・・」
ホワイトヘッド「フーディーニさん?」
フーディーニ「君は?」
ホワイトヘッド「マギル大学の学生です。 「脱出王」に一目会いたくてね」
フーディーニ「そうか、悪いけどここは関係者以外は・・・」
フーディーニ「うぐ・・・」
ホワイトヘッド「どうした?」
ホワイトヘッド「あんた「不死身」なんだろ?」
フーディーニ「ぐぐ・・、誰だお前・・・」
ホワイトヘッド「言ったでしょ? ただの学生ですよ」
〇手術室
ベアトリス「ハリー!」
フーディーニ「すまないね、ベス」
フーディーニ「君が心配した通りになってしまった」
ベアトリス「ハリー、お願いしっかり!」
フーディーニ「でも、君には本当のことを話しておきたい」
ベアトリス「ハリー?」
フーディーニ「僕がサイキックハンターとしてインチキを暴いてきた本当の目的だ」
ベアトリス「悪い人たちを懲らしめたかったわけではないのよね?」
フーディーニ「ああ・・・」
フーディーニ「僕は本物の霊能力者を探していたんだよ」
ベアトリス「!?」
フーディーニ「そして、死んだ母親ともう一度だけ話がしたかったんだ・・・」
ベアトリス「お母さま?」
フーディーニ「だが、とうとう本物の霊媒師に会うことはできなかった・・・」
ベアトリス「ハリー、しっかりして!」
フーディーニ「ベス、最後にお願いがある」
フーディーニ「よく聞いてほしい・・・」
ベアトリス「ハリー・・・」
フーディーニ「もし・・・、」
フーディーニ「もし、死後の世界があるなら、僕はどんな手段を使ってでも君に連絡をとる・・・」
フーディーニ「僕からの通信を、決して聞き逃さないでくれ・・・」
1926年10月31日
フーディーニは急性虫垂炎を発症し亡くなった
マギル大学生ジョセリン・ゴードン・ホワイトヘッドに腹部を強く殴られたことが原因とされる
ぎゃああああ‼️