第6話 ピンチ! 金谷財閥襲来②(脚本)
〇開けた交差点
ナイト(変身)「ぐああっ!」
〇闇の闘技場
リーン「きゃああっ!」
〇個別オフィス
金谷 乱蔵「ふはは、楽しいわ」
金谷 乱蔵「これだからやめられない」
愉快に映像を見ている乱蔵。
そこに電話が鳴る。
金谷 乱蔵「ちっ、なんだ?」
「乱蔵様。幹人(みきと)様からお電話ですが・・・」
金谷 乱蔵「幹人? 無視しろ」
「しかし・・・」
金谷 乱蔵「今、忙しいと言っておけ!」
「わ、わかりました」
金谷 乱蔵「ふん、幹人め・・・」
金谷 乱蔵「邪魔な奴よ。 アームドファイブで潰してやろうか」
金谷 乱蔵「まあいい」
金谷 乱蔵「今はこっちに集中しよう」
〇開けた交差点
ナイト(変身)「おおおっ!」
改造怪獣「・・・」
ナイトの攻撃が怪獣の一体を倒す。
改造怪獣「・・・」
ナイト(変身)「ぐあっ!」
しかしその隙に後ろから、
別の怪獣がナイトを切り付ける。
さらに──
ナイト(変身)「キリがない・・・」
ナイト(変身)「普通の怪獣とは全然違う・・・」
ナイト(変身)「まさかこれも金谷財閥の・・・?」
怪獣が迫るなか、ナイトは考える。
その時だった。
???「ナイトくん・・・」
???「助けて・・・ナイトくん・・・」
ナイト(変身)「ハナ・・・!?」
ナイト(変身)(やっぱり、ハナも危険な目に遭っている?)
ナイト(変身)「ハナを助けにいく・・・!」
ナイト(変身)「邪魔を・・・するなあ!」
高速の斬りが怪獣を一掃する。
「おおー、やったー! ヒーロー!」
ナイト(変身)「ハハ・・・」
ナイトはふらつきを耐えながら、
金谷財閥に向け走り出した。
〇闇の闘技場
リーン「か・・・はっ・・・」
戦闘開始から数分・・・。
耐えていたリーンが、ついに倒れこむ。
ハナ「リンちゃん!」
召使い「ここまで、ですかな」
召使いはゆっくりとリーンに近づく。
ハナ「こ、来ないで!」
召使い「・・・」
構わず近づく召使い。
召使い「終わり・・・ですな」
リーン「ええ・・・。 貴方がね!」
召使い「!」
召使い「ぬうっ!?」
召使いが近距離で魔法を受け、
大きく吹き飛ぶ。
ハナ「り、リンちゃん!」
リーン「ごめんねハナちゃん。 騙すようなことして」
リーン「でもあの人に魔法を当てるには これしかなかったの」
召使い「倒れこんだのは・・・」
リーン「そう、魔方陣を隠すため」
召使い「ふふ、私もまだまだ甘いですな」
召使い「私の負けです」
リーン「じゃあ、ここから出してくれるわよね?」
召使い「・・・いえ。それはできません」
ハナ「え?」
リーン「ちょっと、ふざけないで」
召使い「ふざけてなどいません」
召使い「貴方たちの本当の相手はあれなのですから!」
召使いが指差す。そこには。
リーン「鎧・・・! まさかまだアームドシックスが?」
その時、部屋の上から乱蔵の声が響いた。
???「安心しろ。 それは本物のアームドシックスじゃあない」
???「それは我が財閥が開発した 特製の鎧・・・」
???「金谷オリジナルアームドシックスよ!」
リーン「金谷製・・・アームドシックス」
改造鎧戦士「・・・」
リーン「くっ・・・」
召使いを倒したとはいえ、
リーンの身体は限界に近かった。
だがそんなことは関係なく
鎧戦士は近づくと。
リーン「ああーっ!」
リーンは殴られ、吹き飛ぶ。
ハナ「り、リンちゃん!」
ハナがリーンに近寄ろうとするが・・・。
改造鎧戦士「コー・・・」
ハナ「は、離して!」
ハナは必死に離れようともがくが、
鎧戦士はびくともしない。
改造鎧戦士「コー・・・!」
鎧戦士のもう片方の手が振り上げられる。
ハナ(助けて・・・ナイトくん!)
ハナがそう願った時だった。
???「おおおっ!!」
「!?」
ナイト(変身)「ハナを、離せー!」
ナイトの強力な拳が、鎧戦士を吹き飛ばす。
ハナ「ヒーロー・・・さん?」
ナイト(変身)「ああ、そうか・・・」
ナイト(変身)「ハナ、俺だよ。ナイトだよ」
ハナ「ナイト・・・くん?」
ナイト(変身)「こんな姿だからな。 信じられないか?」
ハナ「ううん。 その声、本当にナイトくん!」
ハナは喜びのあまり、
ナイトに抱きついた。
ナイト(変身)「お、おい。ハナ・・・」
ハナ「あ、ご、ごめんね」
ナイト(変身)「い、いや、いい」
ナイトは照れている。
ハナ「そうだ、リンちゃん!」
リーン「・・・」
ハナ「大丈夫? リンちゃん」
リーン「おかげさまで・・・」
リーン「ハナちゃんがナイトくんに飛び込むところを バッチリと」
「すまん(ごめんなさい)」
リーン「いいわ。それより・・・」
吹き飛んでいた鎧戦士が立ち上がっていた。
ナイト(変身)「ハナは下がっていてくれ」
ハナ「う、うん。 気をつけてね」
ナイト(変身)「闘えるか?」
リーン「きみこそ、 だいぶ息が上がってるみたいだけど?」
ナイト(変身)「厄介な足止めをくらったからな・・・」
ナイト(変身)「だが、ハナの前で負けるわけないだろ!」
リーン「そうね!」
ナイト(変身)「はあっ!」
リーン「くらいなさい!」
改造鎧戦士「コー・・・」
ナイト(変身)「硬い・・・!」
リーン「魔法もまるで効いていない・・・」
2人の驚きの隙に、
鎧戦士は高速で移動する。
ナイト(変身)「ぐあっ!」
リーン「きゃあっ!」
改造鎧戦士「コー・・・!」
鎧戦士は倒れた2人に近づくと、
2人の首をつかみまとめて持ち上げた。
ナイト(変身)「ぐ・・・!」
リーン「ううっ・・・」
ナイト(変身)(な、なんて怪力だ)
リーン(疲労してるとはいえ アームドシックス2人を圧倒するなんて)
ナイト(変身)(だが掴まれてる今なら・・・!)
ナイト(変身)「これでえっ!」
ナイトの渾身の一撃が、
鎧戦士の腕を切り裂く。
ナイト(変身)「どうだ!」
ナイト(変身)「!?」
改造鎧戦士「・・・」
鎧戦士の片腕は確かに斬れていた。
しかし何事もないように
鎧戦士はもう片腕でリーンを締め付ける。
ナイト(変身)「くっ、リーン!」
リーンを助けようと、
ナイトは再び剣を構える。
改造鎧戦士「コー!」
それを見た鎧戦士は、
リーンをナイトの方に放り投げた。
リーン「きゃっ!」
ナイト(変身)「うおっ!」
2人がぶつかり倒れこむ。
その隙に鎧戦士は、
斬られた腕をつけ直した。
ナイト(変身)「人間じゃないのか・・・!?」
リーン「金谷製のアームドシックス とは言ってたけど・・・」
リーン「鎧どころかロボットじゃない・・・!」
〇個別オフィス
金谷 乱蔵「表裏 騎士がここまで来たのは計算外だったが・・・」
金谷 乱蔵「さすが鎧戦士よ。 予想以上の活躍だ」
モニターを見る乱蔵。
その時、部屋がノックされる。
金谷 乱蔵「誰だ! しばらく誰も来るなと言っただろう!」
金谷 乱蔵「ミキト・・・!」
ミキト「叔父さん・・・」
金谷 乱蔵「何しに来た? 今忙しいと言っただろう!」
ミキト「その鎧・・・」
金谷 乱蔵「これか? これはアームドファイブ」
金谷 乱蔵「ミキト・・・。 お前が超能力少年と持て囃されていても この鎧の力があれば用済みよ」
ミキト「・・・映像の人たちは?」
金谷 乱蔵「ふん。あれはオレの敵。 アームドスリーとアームドシックス」
金谷 乱蔵「だがもうすぐ鎧戦士により倒される」
金谷 乱蔵「そうなればあの鎧らもオレの物」
金谷 乱蔵「オレの天下よ! わっはっは!」
ミキト「・・・」
ミキト「叔父さんの望みは叶わない」
金谷 乱蔵「なに?」
ミキト「なぜなら・・・」
ミキトが乱蔵に向け腕をかざす。
金谷 乱蔵「な、なんだ!?」
金谷 乱蔵「あ、アームドファイブが!」
ミキト「その鎧が言っている。 叔父さんの元は嫌だと・・・」
金谷 乱蔵「ふざけたことを! 鎧に意思などあるわけ・・・」
金谷 乱蔵「お、おおっ!?」
金谷 乱蔵「よ、鎧が!? アームドファイブが!」
ミキト「これからは・・・」
ミキト(変身)「ボクがアームドファイブだ」