正義のヒーロー 鎧六(アームドシックス)!

七霧孝平

第5話 ピンチ! 金谷財閥襲来①(脚本)

正義のヒーロー 鎧六(アームドシックス)!

七霧孝平

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〇男の子の一人部屋
  夜。
  家で宿題をしていたナイトの
  スマホが鳴る。
ナイト「ん? ハナのお母さん?」
ナイト「もしもし。 おばさん、どうしたんですか?」
ナイト「え、ハナ? 今日は訳あって一緒に帰ってませんけど」
ナイト「まだ帰ってきてない・・・?」
ナイト「わかりました。 俺も探してみます」
ナイト「ハナ・・・いったいどこに?」
ナイト「落ち着け。 俺には鎧がある。それで探せばいい」
ナイト「アームド、オン」
ナイト(変身)「よし」
ナイト(変身)「サーチ、発動!」
ナイト(変身)「あっちか!」
  ナイトは勢いよく、家を飛び出した。

〇個別オフィス
  大きなビルの一室。
  その部屋を召使いは丁寧にノックする。
召使い「お連れしました」
???「入れ」
  3人は部屋に入る。
  召使いが最後に入り、戸を静かに閉めた。
金谷 乱蔵「よく来た。 鎧 凛 姫野 花」
ハナ「・・・」
リン「私たちをお呼びした、 と聞きましたが」
金谷 乱蔵「そうだ。鎧 凛」
金谷 乱蔵「いや、 アームドスリー、リーン」
リン「!」
ハナ「アームド・・・? リーン?」
金谷 乱蔵「ああ、すまん。 そっちは何も知らないんだったな」
金谷 乱蔵「まあ、そのうちわかる。 今は聞くだけ聞いておけ」
ハナ「・・・」
金谷 乱蔵「さて、 アームドスリー、リーン。 ここに呼び出した理由はわかるな?」
リン「私から鎧を奪うため、よね」
金谷 乱蔵「ふ、まあ普通はそうだ」
リン「違うとでも?」
金谷 乱蔵「奪うのではない、商談をしたい」
リン「商談・・・?」
金谷 乱蔵「そうだ」
金谷 乱蔵「これで、貴様が持っている アームドスリーとフォーを売らないか?」
  リンは、自身の前に置かれたケースを開ける。
ハナ「これは・・・」
  ケースの中は大量の札束。
  いくらあるかは数えきれない。
金谷 乱蔵「一般人が一生働いても手に入らない額だ。 悪くはあるまい?」
リン「冗談かしら」
金谷 乱蔵「うん・・・?」
リン「アームドシックスはお金以上の価値がある。 売るとでも?」
金谷 乱蔵「ふっ、まあそれが普通か」
金谷 乱蔵「最初と同じ手は通じんわな」
リン「最初・・・?」
金谷 乱蔵「オレは元は鎧の持ち主ではない」
金谷 乱蔵「鎧、アームドファイブを買ったのだ」
リン「!」
金谷 乱蔵「元のアームドファイブの持ち主は かなりの借金をしていてな」
金谷 乱蔵「それをオレが肩代わりしてやったのだ。 アームドファイブと引き換えにな」
金谷 乱蔵「バカなやつよ。 借金など、鎧の力でどうとでもなったろうに」
リン「・・・」
金谷 乱蔵「さて、では交渉は決裂したところで」
リン(くる・・・?)
  だが男。
  金谷 乱蔵(かねや らんぞう)は
  立ち上がらない。
  しかし机にあるリモコンを素早く押した。
  リンとハナの立つ床が急に開く。
ハナ「!」
リン「しまっ・・・!」
  2人はビルの下層に落ちていく。
金谷 乱蔵「安心しろ。 落下死はしないようになっている」
  もう聞こえないだろう2人に
  乱蔵は呟いた。
召使い「ご主人様・・・」
金谷 乱蔵「ああ、あれは任せる」
金谷 乱蔵「アームドシックスの方はどうなっている?」
召使い「予想通り彼女たちを追っております」
金谷 乱蔵「アームドシックスはあれで足止めしろ」
召使い「仰せのままに・・・」
  召使い返事をし退室した。
金谷 乱蔵「楽しませろよ? オレの娯楽としてな」
  部屋に乱蔵の笑い声が響いた。

〇開けた交差点
  ナイトは街を走り立ち止まる。
ナイト(変身)「ここで反応が跳んでいる・・・」
ナイト(変身)(車かなにかに乗せられたか・・・?)
先生「おや、きみは・・・」
ナイト(変身)(先生・・・)
先生「ヒーローじゃないか! 私もファンなんだよ!」
ナイト(変身)「あ、ありがとうございます」
ナイト(変身)(って、喜んでる場合じゃない)
ナイト(変身)「すみません、ハナを・・・ いえ、姫野 花さんの行方を知りませんか?」
先生「姫野の・・・?」
ナイト(変身)「まだ家に帰っていないらしく・・・」
先生「ふむ。 真面目な姫野がこんな時間まで帰っていないと」
ナイト(変身)「はい」
先生「・・・そうだ!」
先生「姫野かどうかはわからなかったが 金谷財閥の車にうちの生徒が乗っているのを見たぞ」
ナイト(変身)「!」
ナイト(変身)「金谷財閥ですね、ありがとうございます!」
  ナイトが先生に礼をいい、
  走り出そうとしたときだった。
「きゃー、怪獣よー!」
先生「な、なんだって!」
ナイト(変身)(急いでるときに・・・!)
ナイト(変身)(だが、ここで見捨てるわけにもいかない!)
  ナイトは怪獣の元へ向かうのだった。

〇闇の闘技場
リン「いたた・・・」
ハナ「うう・・・」
  2人は謎のコロシアムに落とされていた。
リン「ハナちゃん、大丈夫?」
ハナ「大丈夫・・・です」
リン「それにしても・・・」
  リンは回りを見渡す。
リン「とても現代とは思えない場所ね・・・」
ハナ「ここはなんなのかな?」
「ここはご主人様の娯楽場です」
「!」
リン「貴方は召使いさん・・・」
召使い「わたしめが言うのもなんですが、 ご主人様はなかなか趣味がお悪く、」
召使い「このようなコロシアムで 余興を行うのです」
リン「余興・・・」
召使い「さて話はここまでにしましょう」
召使い「覚悟はよろしいですかな? まずはわたしめが相手です」
  召使いが戦闘の構えをとる。
ハナ「め、召使いさん?」
リン「ハナちゃん、下がって」
ハナ「リンちゃん・・・?」
リン「アームド、オン!」
ハナ「リン・・・ちゃん・・・?」
召使い「なるほどそれがアームドスリー・・・」
リーン「おじさんでも手加減しないわよ!」
召使い「手加減・・・?」
召使い「はたしてそのようなことをする余裕がありますかな?」
  召使いは踏み込むと、
  瞬時にリンへの距離をつめた。
リーン「速い・・・!」
「きゃああっ!?」
ハナ「リンちゃん!」
召使い「生身の人間と油断されましたな?」
リーン「・・・っ」
ハナ「リンちゃん、大丈夫!?」
リーン「結構、効いたわね・・・」
リーン「でも!」
  リーンが魔法攻撃を発動する。
  しかし──
召使い「・・・」
  召使いは魔方陣の出現と同時に、
  再び距離をつめてくる。
リーン「くっ・・・」
  魔法攻撃の発動のタイムラグ。
  そこを素早く攻めてくる召使い。
  リーンにとっては相性の悪い相手であった。
  リーンを庇うように、ハナが前に出る。
召使い「おや?」
リーン「だ、ダメよ、ハナちゃん」
ハナ「大丈夫、リンちゃん」
召使い「・・・」
ハナ「召使いさん。 アームドというのはわたしにはわかりません」
ハナ「でも、わたしに何かあっても、 ナイトくんが絶対に助けに来てくれます!」
召使い「表裏 騎士ですか・・・」
召使い「はたして来てくれますかな・・・?」
ハナ「え・・・?」
リーン(まさか・・・ ナイトくんにも手を打っている?)

〇開けた交差点
ナイト(変身)「うおおっ!」
改造怪獣「・・・」
ナイト(変身)「ちいっ!」
  ナイトの剣は怪獣に傷を付ける。
  しかし怪獣はまるでダメージがないように
  ナイトに反撃を入れてくる。
ナイト(変身)「・・・なら」
  ナイトにエネルギーが集中する。
ナイト(変身)「これでえっ!」
改造怪獣「・・・」
  怪獣は無言のまま倒れ混む。
ナイト(変身)「はあっ・・・はあっ・・・」
ナイト(変身)「手こずったな。 早くハナたちを──」
「ヒ、ヒーロー! あれ!」
ナイト(変身)「なに・・・?」
ナイト(変身)「な・・・!?」
  倒れた怪獣と同じ姿の怪獣が、
  別方向から現れる。さらに──
ナイト(変身)「な!?」
  苦戦した怪獣が次々と現れる。
ナイト(変身)「冗談・・・だろ」
  ナイトは完全に足止めされていた。

次のエピソード:第6話 ピンチ! 金谷財閥襲来②

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