【読切エッセイ】雨にまつわる不思議エピソード(脚本)
〇公園のベンチ
わたしの祖母は、息子が保育園の時に亡くなりました。
これは、その祖母にまつわるエピソードです。
〇病院の入口
ある日、1通のFAXが母から届きました。
「悪いけど仕事場にいるうちに折り返し電話してくれ」とのこと。
電話をしてみると「ばあちゃんの容態が悪いけど入院しないと言っている」とのこと。
詳しく聞くと、明らかに黄疸が出ているのに「GWにひ孫に会う」と言っているらしい。
わたしは帰省しないつもりだった予定を強引に捻じ曲げて子供たちを連れて帰りました。
そもそも祖母は気丈な人で、病院の先生がいくら入院を勧めてもなかなか首を縦に振りませんでした。
しかし、GWにひ孫(息子)と会ったことで気が済んだのか、亡くなる1週間前に自分から入院すると言い出したそうです。
そして、祖母がなくなる当日は雨が降っていました。
まだ父も母も現役で仕事をしていました。
雨の日は父が母を会社まで送り迎えしていて、その日も迎えに行ったそうです。
祖母危篤の連絡が入ったのがちょうどその頃。慌ててその足で病院に向かったそうです。
後から母が振り返っていうには
「あの日雨が降らなかったら死に目に会えなかった」と。
雨は嫌われるイメージがありますが、雨こそが母を祖母の死に目に会わせてくれたのです。
〇葬儀場
祖母の葬儀の日、その日もぐずついた天気でした。
葬儀の後の精進料理を食べるときには土砂降りになりました。
葬儀のあとの精進落としには祖母の長年の友人のSさんも参加されていました。
諸々がつつがなく終了し、Sさんを乗せてお送りすることになりました。
道中も雨は降り続けます。
しかし。
Sさんのご自宅の近くに着いた時、それまでの雨がぴたりとやみました。
祖母が友人のために雨を止めてくれたのでしょうか。
その時は「不思議だな」と思いながらも、そこまで深くは考えていませんでした。
〇走行する車内
そして、つい最近。
わたしたち親子は免許取りたての息子の運転でちょっと遠出することにしたのです。
去年もみてもらった占い師の「T」さん。
今年も家族でみてもらおうということで予約をしていました。
その日は朝から酷い雨。
レンタカー屋さんに向かう途中でビショビショになってしまうくらいの土砂降りです。
わんだ「なんでこんな日に限って雨なんだろう・・・」
息子「・・・・・・・・・」
無事レンタカー屋さんで車を借り、いざ出発!
そして、途中で気づいたのです。
「・・・あれ?雨の方が初心者が運転するには都合が良いのでは?」と。
雨のおかげでGWなのに自転車も歩行者もほとんどいません。
片道50Kmのロングドライブも無事に乗り切ることが出来ました。
〇店の入口
お店について、早速Tさんに占ってもらうことに。
占い師「・・・ ご家族は何人ですか?」
わんだ「(・・・?去年もみてもらってるけど・・・) ここにいる人数で全員です」
わんだ「・・・あ!」
わんだ「去年、あのあと、ネコが家族に加わりました!」
占い師「そうですか、それでなのかな・・・」
占い師「母方の、女系の、信心深い方・・・」
わんだ「!!」
わんだ「多分、祖母です。 お遍路さん行ったりとかもしてたし、信心深かったです」
占い師「うん、おばあさまが守りに入られてますね!」
わんだ「!!」
占い師「猫ちゃんとして」
わんだ「すみれおばあちゃん・・・」
すみれ「(まだぴっちぴちの1歳でしゅ)」
まさかまさかと思っていたのですが、まさかすみれ(猫)として祖母が守りに入ってくれていたとは。
この時は他にもいろんなことを訊いたんですが、そこは割愛します。
(いつか書けたら書きます)
そして、これはTさんに聞き忘れてしまったんですが・・・
祖母はもしかして「お天気の神様」の下についているのではないか・・・と。
〇公園のベンチ
実は、一度だけ祖母の夢を見たことがあります。
その時に「ばあちゃんはお天気の神様のところにいるの?」と聞いたんです。
祖母は「うん」とも「いいえ」とも言わず、ただ、照れくさそうに笑っていました。
その夢を見た日、母に「ばあちゃん、笑ってたよ」と報告したことを覚えています。
Tさんのいうことを素直に信じれば、祖母はいまも身近で見守ってくれているのでしょう。
そして。
雨が降るときは、祖母からの何らかのメッセージなのではないかと考えてしまうのです。
そんな、わたしの不思議エピソードでした。
語尾「でしゅ」属性の
猫さんが可愛い、ほんわか系スピリチュアルでしたね❣️
おばあ様、現在は、天気の神様のお弟子兼お使いとして、
アッチの世界で元気に暮らしておられるのでしょうね😊
科学的には説明できなくても、誰もが納得することってありますよね。お祖母様の深い情にご家族は支えられてるのでしょうね、すみれちゃんを介して。すみれちゃんに本作のご感想を伺いたくなりますね(笑)
うまれかわりだったり、見えない不思議な力ってありますよね。私自身、母方の祖父母にいつも見守られている感覚があります。祖父は今は私の次男です。誰に言われたわけではないですが、なぜだかわかるんです。きっと家族だったり大切なご縁はいつまでも繋がっていくんでしょうね。