三毒森

深都 英二

三矢(脚本)

三毒森

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〇森の中
  黒い塊から現れたのは、変わり果てた姿の内海だった。
飛田 甚平 (オカルト雑誌編集長)「うわあああ!何だあれは!」
吉良 晴明 (陰陽師)「くそっ!」
吉良 晴明 (陰陽師)「縛!」
  吉良が呪文を唱えると、光の紐が内海の体に巻きつき、内海を拘束した。
呪霊「グゥアアアアアアアア!」
雨笠 栗栖 (妖怪ミステリー小説家)「あれは一体・・・」
伍代 炫 (呪術師)「あれは貪欲の呪霊です」
雨笠 栗栖 (妖怪ミステリー小説家)「呪霊!?」
伍代 炫 (呪術師)「貪欲は欲望の化身」
伍代 炫 (呪術師)「内海教授の欲望に共鳴し、呪霊となって取り憑いたんです」
雨笠 栗栖 (妖怪ミステリー小説家)「何だって!」
伍代 炫 (呪術師)「早く呪霊を引き剥がさないと、人間に戻れなくなる」
飛田 甚平 (オカルト雑誌編集長)「早く教授を助けてください!」
「え?」
  瞋恚、愚痴の封印石がガタガタと震え始めた。石には無数の細かなヒビが入っている。
吉良 晴明 (陰陽師)「まずい!封印が解け始めている!」
吉良 晴明 (陰陽師)「早く三つまとめて封印しないと!」
飛田 甚平 (オカルト雑誌編集長)「え!?三毒は封印したはずじゃ・・・」
吉良 晴明 (陰陽師)「それぞれの封印石は一時的なものだ」
吉良 晴明 (陰陽師)「森の入口の石にも書いてあったでしょう。三毒の封印石を正三角形の結界内で封印しろと」
吉良 晴明 (陰陽師)「三毒は三つで一つ。三つをまとめて封印しないと意味がない」
飛田 甚平 (オカルト雑誌編集長)「そんな・・・やばいぞ・・・!」
伍代 炫 (呪術師)「しかも、貪欲の暴走によって他の二つの封印石も共鳴し始めている」
伍代 炫 (呪術師)「再び封印が解けるのも時間の問題です」
飛田 甚平 (オカルト雑誌編集長)「じゃあ、どうすれば・・・!」
ミラクル幸運 (霊媒師)「くそっ!時間がない!」
吉良 晴明 (陰陽師)「こうなったら内海教授ごと封印するしか・・・」
飛田 甚平 (オカルト雑誌編集長)「ちょっと!教授を見捨てるんですか!」
雨笠 栗栖 (妖怪ミステリー小説家)「何とかしてあげてください!」
伍代 炫 (呪術師)「ミラクル幸運さん」
ミラクル幸運 (霊媒師)「はい・・・!」
伍代 炫 (呪術師)「俺が合図したら、三つの封印石を正三角形に設置して結界を張ってください」
ミラクル幸運 (霊媒師)「え!それだと内海教授ごと封印することになりますよ」
伍代 炫 (呪術師)「内海教授から呪霊を引き剥がすのと同時に、三毒を封印します」
吉良 晴明 (陰陽師)「そんなことできるのか!?」
吉良 晴明 (陰陽師)「下手すると、内海教授の体ごと吹っ飛ぶぞ」
吉良 晴明 (陰陽師)「成功する保証はあるのか!?」
伍代 炫 (呪術師)「わかりません」
吉良 晴明 (陰陽師)「おい!」
伍代 炫 (呪術師)「でも、このままだと三毒の封印が解けて、内海教授も死にますよ」
ミラクル幸運 (霊媒師)「たしかに・・・」
吉良 晴明 (陰陽師)「くっ・・・!」
伍代 炫 (呪術師)「もうやるしかない」
伍代 炫 (呪術師)「吉良さんとミラクル幸運さんは、封印のサポートをお願いします」
吉良 晴明 (陰陽師)「あれぐらいなら私一人でも・・・」
伍代 炫 (呪術師)「三毒を完全に封印するためには、三人の力が必要なんです」
伍代 炫 (呪術師)「お願いします!」
吉良 晴明 (陰陽師)「・・・仕方ない!」
ミラクル幸運 (霊媒師)「わかりました!」
伍代 炫 (呪術師)「いきますよ!」
  内海は身動きが取れず、激しく暴れている。
伍代 炫 (呪術師)「・・・そこか!」
  伍代が内海に向かって呪力エネルギーを放出した。
呪霊「グゥアアアアアアアア!」
  巨大な黒い塊が内海から飛び出し、内海がドサッと倒れた。
  倒れた内海の片隅に、貪欲の封印石がゴロッと転がった。
「内海教授!」
吉良 晴明 (陰陽師)「呪霊が離れたぞ!」
ミラクル幸運 (霊媒師)「すごい・・・!」
伍代 炫 (呪術師)「今だ!早く結界を!」
ミラクル幸運 (霊媒師)「はい!」

〇魔法陣2
  ミラクル幸運が三つの封印石を正三角形に設置すると、結界が浮かび上がった。
伍代 炫 (呪術師)「じゃあ、いきますよ!」
吉良 晴明 (陰陽師)「よし!」
ミラクル幸運 (霊媒師)「これで終わりだ!」
  三人が結界に向けて一斉に力を放った。

次のエピソード:煩悩

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