〇田舎の教会
　　ここはどこ？
　　あの人は・・・
　　し、死んでる！
　　どうして
　　こんな・・・
　　手がベトベトする・・・
　　えっ？
　　なぜ私の手に血の付いたナイフが・・・

〇女の子の部屋
白石美沙（しらいしみさ）（夢・・・ また同じ夢！）
白石美沙（しらいしみさ）（どうして何回もあの夢を見るんだろう）
　　私は、白石美沙倫敦高校に通う高校生
　　最近、男の人が切り刻まれて死んでいる夢を見るようになった。
　　そして、翌朝は決まって・・・
白石美沙（しらいしみさ）（そうだ ニュースを見なきゃ）
　　昨夜未明、倫敦市でまた新たな男性の他殺遺体が発見されました
　　殺されたのは倫敦市に住む24歳で・・・
白石美沙（しらいしみさ）（やっぱり!!）
　　そう、この夢を見た翌日は決まって殺人事件が起きているのだ
白石美沙（しらいしみさ）（偶然だよね でも、何だかいい気がしないな それに・・・ 体のあちこちが痛い）
白石美沙（しらいしみさ）（あっ、早く用意しなきゃ遅刻しちゃう！）

〇電車の中
白石美沙（しらいしみさ）（はぁ）
奈々子（ナナ）「おはよう美沙」
白石美沙（しらいしみさ）「おはよう奈々子」
　　彼女は鈴木奈々子
　　同じクラスで何でも話し合える親友
七市譲（なないちゆずる）「おはよう」
白石美沙（しらいしみさ）「譲、おはよう」
　　彼は七市譲
　　同じ高校に通う友人
　　電車の中で気分が悪くなった私を助けてくれて以来よく話すようになった
白石美沙（しらいしみさ）「あれ？ 譲なんだか眠そうね」
七市譲（なないちゆずる）「ああ、ちょっとギターの練習してて・・・ あんまり寝てないんだ」
白石美沙（しらいしみさ）「譲、ギター弾くんだ 初めて聞いた」
七市譲（なないちゆずる）「そんなことより、見たか？ 例の連続殺人事件のニュース」
奈々子（ナナ）「見た見た もうこれで３人目よ」
白石美沙（しらいしみさ）「・・・」
七市譲（なないちゆずる）「知ってるか？ この連続殺人事件の犯人 切り裂きジャックって呼ばれているらしいぜ」
白石美沙（しらいしみさ）「えっ」
奈々子（ナナ）「どうして？ もしかして街の名前が倫敦市だから・・・とか？」
七市譲（なないちゆずる）「そう 19世紀のイギリスのロンドンで起きた通り魔的な連続殺人事件と同じ地名だからね」
七市譲（なないちゆずる）「そして 共通点はそれだけじゃない」
奈々子（ナナ）「全身切り刻まれて死んでいるから？」
七市譲（なないちゆずる）「そう！ この連続殺人犯、切り裂きジャックと同じように全身を切り刻んでいる」
七市譲（なないちゆずる）「そして事件は必ず夜中に起きている」
奈々子（ナナ）「ふーん でもそれだけじゃん」
奈々子（ナナ）「確か 切り裂きジャックって女性ばかりを狙っていたんじゃないの？」
七市譲（なないちゆずる）「そこなんだよ この連続殺人事件の被害者は男ばかり」
奈々子（ナナ）「そうそう」
七市譲（なないちゆずる）「確か 切り裂きジャック事件の被害者は娼婦ばかりだったように記憶している」
奈々子（ナナ）「そこそこ」
七市譲（なないちゆずる）「うん でも、実は殺された男性に共通点がある」
白石美沙（しらいしみさ）「えっ？」
七市譲（なないちゆずる）「皆、凄くモテる色男だ」
奈々子（ナナ）「えー」
七市譲（なないちゆずる）「何だよその反応は！ いいか、よく聞け」
七市譲（なないちゆずる）「ホストにアイドル そして今回殺されたのは雑誌の読者モデル」
奈々子（ナナ）「確かにモテそうだけど でもそれだと、恋愛のもつれとかを想像しちゃう」
七市譲（なないちゆずる）「そう思うだろ？ でも、警察がどんなに捜査しても犯人らしい人物は一向に浮かんでこない」
七市譲（なないちゆずる）「だから 僕は犯人は女性の切り裂きジャックと推理する」
白石美沙（しらいしみさ）「な、成程」
七市譲（なないちゆずる）「僕もモテるから怖いな・・・」
奈々子（ナナ）「いやいや それを言うなら、この学校中の女子の憧れの的、中島陸でしょ」
七市譲（なないちゆずる）「くうう 惜しい」
奈々子（ナナ）「惜しくない」
奈々子（ナナ）「ていうか、 早く捕まって欲しいよね」
白石美沙（しらいしみさ）「うん・・・」
奈々子（ナナ）「どうしたの、美沙 元気ないね」
白石美沙（しらいしみさ）「ううん別に・・・」
奈々子（ナナ）「そう・・・ ならいいんだけど」

〇女の子の部屋
白石美沙（しらいしみさ）（はー 結局、夢のこと２人に言いそびれちゃった・・・）
白石美沙（しらいしみさ）（でも、言う必要もないよね 何でもないんだから！）
白石美沙（しらいしみさ）（あぁ～ 今日こそいい夢見れますように）

〇病院の入口
　　ここは？
　　病院？

〇女の子の部屋
白石美沙（しらいしみさ）（うーん、最悪！ ２日続けて人が死ぬ夢 こんな事いままでなかったんだけどな）
白石美沙（しらいしみさ）（ん？ これは何？）
白石美沙（しらいしみさ）「えっ、血の付いたナイフ!!」
白石美沙（しらいしみさ）「うそでしょ！ 何でこんなものが枕元に・・・」