〇英国風の部屋
東雲 葵「私の名前は東雲 葵（しののめ あお）」
東雲 葵「半分趣味で半分仕事の創作活動を行なっている一般成人女性だ」
東雲 葵「・・・」
東雲 葵「あ〜続きが思いつかない！ 全然練れないし。・・」
東雲 葵「うん。気分転換に"あそこ"に行こう！ 気分転換は大事だからな！うんうん」

〇ボロい駄菓子屋
東雲 葵「よ〜し着いた！」
東雲 葵「夜にしか開いていない駄菓子屋。 何回来てもいいですな 雪もいい味を出してる！」

〇レトロ喫茶
東雲 葵「何度みても綺麗ですなぁ〜」
東雲 葵（ってかもうカフェでは？ 広すぎでしょ！）
？「ありがとうございます。 じゃあ・・・」
東雲 葵（可愛いお客さんだ・・・）
？「はいはいー♪またね♪」
東雲 葵「あ！店長さん！こんばんわ」
店主「葵くん！今日も来てくれたの！ 10日連続で来てくれるなんて♪」
東雲 葵「うへへ・・。気分転換に来てて・・ひひ」
店主「気分転換？僕の為に来てないの？ 僕のこと好きじゃ無いの？」
東雲 葵「ひゃひゃ違くて・・・」
東雲 葵「大好きですよ！店長さんにあうのが最高の気分転換ですから！」
店主「よかった♪」
店主「あ、そうだ。 今日でお店閉めちゃうのだけど」
東雲 葵「えほんとに？」
店主「本当に」

〇レトロ喫茶
東雲 葵「閉めちゃうなんて！私の創作活動は どうなっちゃうんですか!!」
東雲 葵「ここが無いと私何もできません！ 無理無理無理無理」
店主「落ち着いて。僕が居なくなる訳じゃ無いし。葵くんとは友達だし！ また会えるよ!!」
東雲 葵「ほんとに？」
店主「うん。それで何買いに来てくれたの？」
東雲 葵「じゃあ折角だし食べた事無い パフェお願いします・・」

〇住宅地の坂道
葉咲 みお「はぁ・・本当に効き目あるのかな？」
葉咲 みお「噂に流されて買っちゃったけど・・・」
？「ここら辺ぷる！」
花煙 酔華「そこのかわい子ちゃん。待ってくれない？」
葉咲 みお「キャー!!もう辞めて!!」
？「あわわ・・・ご主人様じゃ無いぷる・・・」
花煙 酔華「驚かせてごめんね。その菓子どこで買ったか教えて貰える？」
葉咲 みお「あ、あ、ごめんなさい。びっくりしちゃって あそこの路地を左に曲がった裏です。 やっぱり駄目な物でしたか？」
花煙 酔華「駄目だね。話聞かせて？」
？「駄目じゃないぷる!!」
花煙 酔華「黙れ」

〇レトロ喫茶
東雲 葵「おいちい・・・体の中からプワプワして あったかい気持ちだ・・ パフェなのに何故・・・」
店主「ふふありがとね♪」
東雲 葵「あ〜これしゅごいでう！もっと早く食べたきゃたちゃでう・・・・・・」
東雲 葵「くー。くー」
店主「ありゃま。ちと強すぎたかな」
店主「でも、瓶は揃ったし。準備しようかね──」
？「ご主人様ぷる!!」
花煙 酔華「おいおい やっと見つけたぜ。 七白 理子」
花煙 酔華「降伏しろ ここで無駄な事は起こしたくないだろ？」
花煙 酔華「それに今はどっちが強いかはてめぇでも 分かるはずだ」
七白 理子「これはこれは。僕の実験生物まで連れて来て随分偉くなったね。スイカちゃん♪」
？「ご主人様──!!」
七白 理子「よーしよし よく生きてたね ぷるちゃん♪」
花煙 酔華「チッ」
ぷる助「ぷるはご主人様に会う為に 頑張ったぷる!!」
七白 理子「偉いねー♪だけど僕の居場所バレちゃった」
ぷる助「あ・」
七白 理子「ぷるちゃん力貸してくれるかな？」
ぷる助「なんでもするぷる!!」
花煙 酔華（・・・）
花煙 酔華「──それじゃあ宣戦布告っつうー事で いいんだな？」
花煙 酔華「七白 理子。お前を魔術執行部の命令により 処分する」
東雲 葵「くーくー」

〇レトロ喫茶
花煙 酔華「秘界術第70番。奏氷!!」
ぷる助「ヒッ」

〇レトロ喫茶
　　部屋の中を構わず氷の刃が切り付ける
　　ザクザクザク
七白 理子「あわわ。見ない内に腕上げたね♪」
ぷる助「そんな事言ってる暇ないぷる!!」
七白 理子「ふふ。ン！」
ぷる助「すごい！バリアぷる！」
花煙 酔華「きっしょ」
　　花煙が息を深く吸う
花煙 酔華「──」
　　『穢れた雨の下、月の影を呪い、奔り
　　奪い、傷つけ、その身を焦がす黒き灰に帰せ』
花煙 酔華「──獄蛾葬灰残──」
七白 理子「ヒヒッ ほい!!」
　　バシュバシュバシュ
　　花煙の攻撃を呑み込む
ぷる助「わー!!なんかすごいぷるっ!?」
七白 理子「よいしょ！」
　　周囲の瓦礫が、黒い渦に集まり花煙を
　　巻き込む──。
　　ドスッ!!
花煙 酔華「はぁっ?!」
七白 理子「ぷるちゃんいける？」
ぷる助「いいけるぷる！多分・・・」
　　七白が背中のジッパーをゆっくり開ける
　　ぷる助のなかから、紫の霧が溢れ、周囲を包み込む──

〇幻想
ぷる助「できたぷる！」
花煙 酔華「はぁ？何だこれ！」
七白 理子「ぷるちゃんのなかに、結界術を仕込んで置いたからね。じゃあズラかりますかね」
花煙 酔華「させねぇよ！」
七白 理子「ぷるちゃんお願い」
ぷる助「はぁい！」
花煙 酔華「は？俺の体がチカチカして──」
七白 理子「なぁーいす！」
ぷる助「えっへん！」
七白 理子「スイカちゃんを飛ばすとは流石だね♪」
ぷる助「もっと褒めてもい──」
東雲 葵「ぱぁっ!!寝てた!?」
「わぁっ!!!!」
「・・・」
「”誰？”」
東雲 葵「・・・・・・」
東雲 葵「ここどこ？」
七白 理子「おはよう。葵くん。 実はかくかくしかじかで・・・」
東雲 葵「そんなフィクションみたいなことが 起きたんですかぁ!?」
東雲 葵「・・・」
東雲 葵「実際に見てたら・・・。スランプから抜け出せたかも・・・」
東雲 葵「何で大事な時にいつも寝てるんだ・・・ 私・・・・・・・・・」
ぷる助「スランプって何ぷる？ 乗り物？お菓子？」
七白 理子「ぷるちゃん。そこまでにしとこうか」
東雲 葵「いや・・・。いいんです。最近はてんで駄目だったので」
ぷる助「やっちゃいけない事した気分ぷる ごめんなさい・・・ えーっとお名前は・・・」
七白 理子「この子は葵くん。でこっちはぷる助。二人ともまぁ仲良く──って」
七白 理子「もう僕たちと会わないか！」
東雲 葵「え？」
七白 理子「あ」

〇幻想
東雲 葵「また会えるって店長さんさっき・・・」
ぷる助（えげつない空気ぷる・・・ ご主人様の為にこの空気 どうにか変えないと！）
七白 理子「だけど もう君は用済みだし」
「ふぇ？」
七白 理子「葵くんの事は好きだよ。だけど僕の計画に君は必要無い。さっきいったのはお世辞だよ」
七白 理子「そんなのも分かんないのかな？」
ぷる助（やばいやばいやばいぷる！ ご主人様の激ヤバモードがブン回りしてる ぷる!!）
七白 理子「だけど、真実を受け入れることは 誰だって辛い事はあるよね。ごめんね葵くん」
七白 理子「僕は旅行？というか、帰省というか まぁ遠いとこに行く予定なんだ。 ごめん。葵くん。ずっと大好きだよ」
ぷる助（完全に切り離すムーブぷる！）
東雲 葵「ま待って下さい・・・」
東雲 葵「そういうとこも好きですぅ・・・」
東雲 葵「一件誰にでも愛想が良くて人たらし」
東雲 葵「だけどふらっと冷酷で」
東雲 葵「心の奥は誰も見ることが出来ない」
東雲 葵「そんな店長さん──大好きです!!!」
七白 理子「ふふっ。褒められてるのかな？ ありがと♪」
ぷる助（危険な依存の匂いぷる！）
東雲 葵「私はもう・・ 店長さんが居ないと生きていけません・・。 ・・・・だから・・・・ そこに一緒に行けませんか？」
七白 理子「ん──・・・。すごく大変だよ？ それに──」
東雲 葵「イイです!!いきます！どこにでも!!」
東雲 葵「何か創作のアイデアが 湧くかも知れませんし！」
七白 理子「ふふっ。そうかい。 ぷるちゃん、そろそろ執行部の輩が来るかも "例の場所"いける？」
ぷる助「あ、いけるぷる！」
七白 理子「お願い」

〇水中トンネル
東雲 葵「ワープ!?」
ぷる助「ご主人様がぷるに宿してくれた奇術ぷる！」
東雲 葵「きじゅつ？ 魔法じゃないんですか？」
七白 理子「僕は少し特殊でね。魔法に似てるけど少し違う『奇術』を遣う『奇術師』なの」
東雲 葵「かっけぇ・・・」
七白 理子「さぁさぁもう少し進むよ」

〇暗い廊下
七白 理子「よし着いた」
東雲 葵「こわあ さっきと雰囲気全然違うんですけど・・・」
七白 理子「秘密の通路だからね♪」
七白 理子「よし」
七白 理子「ぷるちゃんお願い」
ぷる助「ぷる！」
東雲 葵「えっ！えっ！何ですかこれ!?」
七白 理子「僕が駄菓子屋で集めてたモノ」
七白 理子「人間が”満たされた” 時出るエネルギーみたいな」
七白 理子「ここの鍵みたいなものさ」
東雲 葵「それを集めてたんですか！」
七白 理子「うん。その為にいろいろ小細工はしたけど」
東雲 葵「小細工？」
七白 理子「まぁまぁ・・・」
東雲 葵「あ！いきなりごめんなさい！ 店長さんのお名前聞きたいのですが！」
七白 理子「そういえば言ってなかったね」
ぷる助「ななしろ りこ。ぷる！」
東雲 葵「素敵なお名前です」
東雲 葵「最後に１つ今から どこにいって何をするんですか？」
　　魔術界に奪われたモノを返してもらうだけ
東雲 葵「?」
七白 理子「君だって分かるはず」
七白 理子「・・創った物を奪われるのは辛い・・」
七白 理子「おっと、時間だね。僕につかまって」
「あ、はい！」
七白 理子「開門」

〇秘密基地の中枢
ぷる助「着いたぷる！」
七白 理子「10年ぶりのおうちだ！」
東雲 葵（ロマンがすぎる！）
東雲 葵「あ！思いつきました！」
東雲 葵「今から起こる事忘れないように ここに書き残しましょう！」
東雲 葵「タイトルはうーんと・・・」
東雲 葵「『七白理子の奇術奇譚』どうですか！」
東雲 葵「駄目ですかね・・・？」
七白 理子「いいんじゃない？」
七白 理子「それに僕は『創る』ことの大変さは分かっているつもりだよ」
七白 理子「ずぅーっと葵くんの味方さ。 一緒に頑張ろ♪」
東雲 葵「えへへ・・・ がんばる」
七白 理子「そうだそろそろ ぷるちゃん脳取り替えなきゃね」
東雲 葵「え？」

〇西洋の円卓会議
春乱「肝心のアルドラの鍵は何処に行ったんだ？」
？「そんなん私達が知ってるはずないよ ね？麻車君」
麻車「残念ながら。そんなモノを私達が保管する 立場では無いので」
花煙 酔華「あ」