入れ替わりパーソナリティ~好きなあの子が恋してる相手は僕に恋してる!?

れこん

エピソード3(脚本)

入れ替わりパーソナリティ~好きなあの子が恋してる相手は僕に恋してる!?

れこん

今すぐ読む

入れ替わりパーソナリティ~好きなあの子が恋してる相手は僕に恋してる!?
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇学園内のベンチ
木下誠美(きのした なるみ)「武ちゃん・・・」
来栖武司「おーい、待てや誠美!」
来栖武司(くるす たけし)「あ、くそ! ブチたいぎいのー!あいつ逃げやがった」
来栖武司(くるす たけし)「待てやコラーー!」

〇公園の入り口
木下誠美(きのした なるみ)「はぁ、はぁ・・・」
来栖武司(くるす たけし)「捕まえた。待てや誠美!」
木下誠美(きのした なるみ)「武ちゃん・・・」
木下誠美(きのした なるみ)「ほっといてよ!」
来栖武司(くるす たけし)「何を言いよるんじゃ!お前が泣いとるのにほっとけるか!」
木下誠美(きのした なるみ)「──っ、武ちゃん・・・そんなのずるいよ」
木下誠美(きのした なるみ)「なんでそんなに私を気にしてくれるの?」
木下誠美(きのした なるみ)「千陰ちゃん(ボソッ」
木下誠美(きのした なるみ)「あの子とドキドキする事したくせに・・・武ちゃんの変態」
来栖武司(くるす たけし)「なっ!? バカタレ! 何を勘違いしとるんじゃ」
来栖武司(くるす たけし)「別にお前の思っとるような事はしとらんわ! 俺らはまだ中学生ぞ!」
木下誠美(きのした なるみ)「嘘! それじゃあ昨晩私と別れたあと何したのか言ってよ!」
来栖武司(くるす たけし)「ええで、それはじゃな──」
木下誠美(きのした なるみ)「あ、やっぱダメ!聞きたくない!絶対にやらしいことだもん!」
来栖武司(くるす たけし)「あーもう!ええけん聞けや!」

〇ゲームセンター

〇ネオン街
来栖武司(くるす たけし)「──!」
警察官「──!」

〇入り組んだ路地裏
  武司は昨晩あった出来事を正直に誠美に話した。

〇公園の入り口
来栖武司(くるす たけし)「──という訳じゃけえ、昨晩はほんまに千陰に助けられたんじゃ」
来栖武司(くるす たけし)「あいつがおらんかったら、俺はトン田に喧嘩で負けたうえにポリにパクられとる所じゃったわ」
来栖武司(くるす たけし)「まぁこれで誤解は解けたじゃろ?機嫌直せや」
木下誠美(きのした なるみ)「なーんだ、そういう事だったんだ──」
木下誠美(きのした なるみ)「──ってなるわけないでしょ!」
木下誠美(きのした なるみ)「高校生相手に喧嘩した上に警察にまで補導されそうになっただなんて、」
木下誠美(きのした なるみ)「バレたら武ちゃん絶対に学校に来れなくなるよ!」
来栖武司(くるす たけし)「うーん、そうなった時はしゃーない。受け入れるわ」
木下誠美(きのした なるみ)「ダメ!しょうがなくない!」
木下誠美(きのした なるみ)「武ちゃんがいなくなったら私、寂しくて耐えられないよ・・・」
来栖武司(くるす たけし)(な、なんじゃ? 誠美から今までに感じた事がないくらいに必死さを感じる)
木下誠美(きのした なるみ)「ねえ、武ちゃんにとっての私っ て何? ただの幼馴染なの?」
来栖武司(くるす たけし)(俺にとっての誠美? なんじゃその質問、考えたことなかった)
木下誠美(きのした なるみ)「私にとっての武ちゃんはね・・・」
来栖武司(くるす たけし)「待てや誠美──!」
  武司は普段自分が恋愛に鈍い方というか自覚はあるが、この状況で幼馴染が自分になにを伝えようとしているのか察した。

〇公園の入り口
  ・・・
木下誠美(きのした なるみ)「武、ちゃん・・・?」
来栖武司(くるす たけし)「すまん誠美、」
来栖武司(くるす たけし)「俺はお前の事を・・・そういう目(恋愛対象)でみとらん」
木下誠美(きのした なるみ)「えっ・・・えっ?」
来栖武司(くるす たけし)「実はさっき千陰に告白してokを貰ったんじゃ」
木下誠美(きのした なるみ)「そんな・・・嘘よ。そんな事聞きたくない。私は武ちゃんの事が──」
来栖武司(くるす たけし)「誠美!! わかってくれや・・・」
木下誠美(きのした なるみ)「武ちゃんのバカ!」
木下誠美(きのした なるみ)「「あの時」ずっと私の面倒見てくれるって言った癖に!ウソつき!」
来栖武司(くるす たけし)(あの時じゃと?まさか──!)
  ・・・
来栖武司(くるす たけし)「くそ、なんなんじゃこの罪悪感は。あいつの気持ちに気づかんかった俺が悪いんか?」
来栖武司(くるす たけし)「それに「あの時」って、ガキの頃の事を言っとるんかあいつ」
  遡ること数年前

〇公園の砂場
  ガキの頃、誠美は俺と同じでヨ他所から引っ越して来たけえ、友達が一人もおらんかった。
近所の女の子「えへへ、この砂場は私のものー! 誰も入らせないんだから!」
木下誠美(子供)「・・・ぁの。ぃっしょ・・・たぃ・・・ぃい?」
近所の女の子「はっ? あんた誰よ。 何言ってるの?」
木下誠美(子供)「・・・たぃ・・・ぃい?(遊びたい、入ってもいい?)」
近所の女の子「なにこいつさっきから何言ってるかわかんない。キッショ!お兄ちゃん!来て!」
トン田「おお、どうした我が愛しの妹よ」
近所の女の子「変な子にからまれちゃった。だからこいつ追い出してよ!」
トン田「なんだと!?おいお前!よくも妹に絡んだな!追い出してやる!」
木下誠美(子供)「ち・・・あぅ! ち・・・あぅ!(違う!違う!)」
トン田「うるせー!」
木下誠美(子供)「あうううっ!」

〇公園の入り口
木下誠美(子供)「うぅ・・・な、んで?」
  昔のあいつは人見知りする上に上手く自分の気持ちを言葉にできん奴じゃった。じゃけえよく近所のガキに虐められて孤立しよった。

〇団地
  そんなある日の事じゃった

〇アパートのダイニング
誠美の母親「ねえ、あなた・・・誠美の件なんだけど。 あの子いつも近所で孤立してるの。 学校でも虐められるみたいだし・・・」
誠美の父親「はぁ・・・後にしてくれ。 仕事で疲れてるんだ」
誠美の母親「もう──っ、あなたはいつも仕事の事ばかり!娘に感心は無いの!?」
誠美の父親「うるさいな。疲れてるんだ。 それに誠美の教育は僕が忙しいから 全て君に任せてるだろ?」
誠美の父親「だから誠美があんなふうになったのはお前の教育が悪いからだ!」
誠美の母親「なんですって!!あなたの方こそ──!」
木下誠美(子供)「めて・・・ゃめてよぉ」

〇アパートのダイニング
  来栖家
木下家「──お前が悪いんだ!」
来栖武司(子供)「おーおー!また隣で夫婦喧嘩やっとるで、 うるさいし迷惑じゃのお」
武司の母「・・・」
武司の母「ほうよね。それに確かあんたと同じ年齢の女の子もおったでしょ」
来栖武司(子供)「あぁ確か誠美とかいって、いっつも一人でおる寂しい奴よ」
武司の母「それはあんたもでしょうが!」

〇アパートのダイニング
  ──!っ──!!
木下誠美(子供)「めて・・・ゃめてよぉ!誠美が悪いから・・・二人とも、ゃめて! うえええん!」

〇アパートのダイニング
武司の母「駄目じゃ、やっぱ我慢できん!許せんわ。 武司、ついて来んさい!」
来栖武司(子供)「お、おい母ちゃんどこ行く気よ!」

〇マンションの共用廊下
武司の母「おどりゃー!出てこいや!」
来栖武司(子供)(母ちゃん・・・そりゃ流石にマズイんじゃないかのぉ・・・)
誠美の母親「なんなんですか!? 乱暴にドアを叩いて、今取り込み中なんですからやめて下さい!」
武司の母「だまれやボケ!あんたらこそ毎日子供のおる前で夫婦喧嘩やめえや!子供が傷つくじゃろが!」
誠美の父親「ヒエっ! な、なんなんだあんた!他人の癖に関係ないじゃないか!」
武司の母「そんなんどうでもええわ!もうあんたらには我慢できんけえ、ウチがあんたら子供を暫く預かる」
武司の母「それで好きなように夫婦喧嘩したらええ!」
木下誠美(子供)「っ、だぁれ?」
武司の母「誠美ちゃんじゃね?ウチは隣に住んどる来栖っていうんよ。それとこっちは息子の武司」
来栖武司(子供)「よぉ・・・」
来栖武司(子供)「お前、ウチに来いや。ほんで一緒にメシ食って遊ぼうで」
誠美の父親「なんなんだあんたら親子は! 勝手にズカズカ入り込んで!頭おかしんじゃないか!?」
誠美の母親「誠美! あんな人達の所に行ったらダメよ!」
木下誠美(子供)「ぁう・・・」

〇マンションの共用廊下
来栖武司(子供)「なんなんじゃこいつら。なんか俺も我慢できんくなってきた」
武司の母「武司・・・あんたの思うようにやりんさい。責任は母ちゃんがとるけえ」
来栖武司(子供)「おう、わかった!ありがとう母ちゃん!」
来栖武司(子供)「おい誠美!」
来栖武司(子供)「こっちに来いや! 俺がずっと面倒みちゃるけえ!」
木下誠美(子供)「ぅん・・・行く!、」
誠美の母親「あ、誠美・・・」
武司の母「ほんならそういう訳じゃけえ、お宅の誠美ちゃんはウチと息子の武司が責任持って暫く預かります」
武司の母「それと最後に・・・。引っ越して来たばっかりで新しい環境に不安になるのもよーく分かります」
武司の母「じゃけどそういった不安をどうか子供の前では見せんといて上げてください。おねがいします」
  ・・・

〇アパートのダイニング
木下誠美(子供)「ぅう。ほんとに、ゎたし、ここ居ていい?」
来栖武司(子供)「おう!遠慮すんなや!」
武司の母「ほうよ。それにうちの武司も友達がおらんけえ誠美ちゃんが友達になってくれんかね」
来栖武司(子供)「母ちゃん! 俺は友達がおらんのじゃない! 作らんだけじゃ!」
武司の母「はいはい。それよりお腹減っとるじゃろ?今からお好み焼きを作ってあげるけぇ食べんさい」
来栖武司(子供)「ええほんまか!ええか?母ちゃんの作るお好み焼きはブチ上手いんで!」
  ぐぅ~
木下誠美(子供)「あっ!」
武司の母「ふふ、すぐ作るけえちょっと待っとってね」
  ※お好み焼きです
来栖武司(子供)「いただきます!」
木下誠美(子供)「・・・っますぅ」
来栖武司(子供)「うまっ、うまっ!」
木下誠美(子供)「ぉぃ、しぃ!」
誠美の父親「──だからお前が悪い!」
誠美の母親「──あなたの方こそ!」
来栖武司(子供)「はぁ。お前んちまたやっとるの」
木下誠美(子供)「・・・ぅん」
武司の母「誠美ちゃん・・・」
木下誠美(子供)「なぁに?」
武司の母「家で嫌な事があったらウチに来んさいや。またお好み焼き食べさせてあげるけぇ」
木下誠美(子供)「うん!」
武司の母「それと武司」
武司の母「あんたさっきこの子を「ずっと面倒みちゃる」って言ったんじゃけえ、男としてちゃんと責任持ちんさいよ」
来栖武司(子供)「お、おう当たり前じゃい、任せとけ!」
木下誠美(子供)「うん、おねがい・・・」
  これがきっかけで
  俺は誠美の事をちゃんと面倒を
  見て守るようになった。
  それでいつの間にか誠美は明るくなって
  今みたいな女子になった。
  それでてっきり俺の役目は終わったと
  思ったんじゃ。

〇公園の入り口
来栖武司(くるす たけし)「俺の役目は終わっとらんかったんか・・・。くそ、どうしたらええんじゃ」

〇団地

〇マンションの共用廊下
  ピンポーン
武司の母「はーい・・・どちら様──って誠美ちゃん」
木下誠美(きのした なるみ)「おばさん、どうも」
木下誠美(きのした なるみ)「えーと、またうちの両親が帰ってこなくて困って来ちゃいました」
武司の母(またあの夫婦は誠美ちゃんを放って・・・)
武司の母「ええよ!遠慮せずにウチにあがりんさい」
木下誠美(きのした なるみ)「すみません、お邪魔します」

〇アパートのダイニング
武司の母「誠美ちゃん、夕食まだじゃろ?丁度久しぶりにお好み焼き焼いとるけえ食べていって」
木下誠美(きのした なるみ)「やったー! 私おばあさんのお好み焼き大好きなんです」
武司の母「そういってくれると嬉しいわ」
武司の母「それなのにウチの武司はひどいんよ。 せっかく作ったのに一口も食べずにまた夜遊びに行ったんよ」
武司の母「ほんまにあの子は親不孝者じゃわ」
木下誠美(きのした なるみ)(武ちゃん・・・。 千陰ちゃんのところに言ってるのかな)
  ズキッ
武司の母「ど、としたん誠美ちゃん!」
木下誠美(きのした なるみ)「ねえ、おばさん。私もうここに来ちゃ行けないのかな?」
武司の母「どういう事?」
木下誠美(きのした なるみ)「実は武ちゃん・・・。好きな人ができて、その子と今日付き合う事になったの」
木下誠美(きのした なるみ)「だから私武ちゃんと将来結婚できなくて、おばさんの娘に慣れないの」
武司の母「誠美ちゃん・・・」
武司の母「本当は武司と誠美ちゃんが付き合って将来家族になってくれたら嬉しいけど」
武司の母「別にそうじゃなくても誠美ちゃんはおばさんにとってはもう本当の娘じゃけえいつでも来てもええんよ」
木下誠美(きのした なるみ)「うえええん!おばさーん!」
武司の母「誠美ちゃん、辛いよね、悔しいよね。 ごめんね、ごめんね・・・」

〇ネオン街
来栖武司(くるす たけし)(くそ!俺はどうしたらええんじゃ!)
来栖武司(くるす たけし)(こういう時・・・千陰に会いたい。 あいつは今何しとるんじゃろうか・・・)

〇男の子の一人部屋
藤堂千陽(とうどう ちはる)「くそっ!僕としたことが適当に返事して不良なんかと男同士で付き合う事になってしまった!」
藤堂千陽(とうどう ちはる)「しかも相手は委員長が惚れてる相手だぞ!?」
藤堂千陽(とうどう ちはる)「あー!僕はなんてサイテーなんだ。 これからどーしよー!」
  続く。

次のエピソード:エピソード4

コメント

  • 千陽だけかと思っていたら、委員長までディープな人生送っていたんですね。
    リアルな人間ドラマに思わず見入ってしまいました!
    しかも、男同士で付き合うことにしたって(笑)大人しくデートとかしちゃうのかな?
    今後、どーなってしまうのか想像がつきません!

成分キーワード

ページTOPへ