エピソード1(脚本)
スピリチュアル探偵GENJI「私は、スピリチュアル探偵GENJI。 人は私を見て、言う。「もっとお堅い職業かと思いました」と」
スピリチュアル探偵GENJI「だが、スピリチュアル探偵もお堅い職業だ。なぜなら、水晶もタロットカードケースも固いからだ」
スピリチュアル探偵GENJI「もちろん、これはへりくつだ。 私は固いものは使わない」
スピリチュアル探偵GENJI「おっ。 依頼者が来たようだ」
〇応接室
スピリチュアル探偵GENJI「どうぞおかけください」
タカミ「よろしくお願いします」
スピリチュアル探偵GENJI「では相談内容をお伺い致します」
タカミ「はい。主人が浮気しているようなんです」
スピリチュアル探偵GENJI「いつ頃気づいたのですか?」
タカミ「1ヶ月前くらいです」
スピリチュアル探偵GENJI「気づいたきっかけを教えて下さい」
タカミ「女の感です。 ピンと来ました」
スピリチュアル探偵GENJI「今のところ、証拠はないんですね?」
タカミ「はい。だから、こちらに来ました。 覚悟はしてます 調べて下さい」
スピリチュアル探偵GENJI「わかりました」
タカミ「ありがとうございます! あなた以外に引き受けてくれる人はいないのは知ってました!」
タカミ「前世の夫の不倫調査なんて、前代未聞ですよね?」
スピリチュアル探偵GENJI「おまかせください 私はスピリチュアル探偵ですから」
スピリチュアル探偵GENJI「では、まずは スピリチュアル尾行からはじめます」
タカミ「スピリチュアル尾行!?」
スピリチュアル探偵GENJI「はい。 あなたの前世の夫を尾行します。 前世の夫の顔と趣味と好きな食べ物を教えて下さい」
タカミ「ぼんやりとしか分からないなあ。 えっーと。 顔は、あっさりしてて白っぽいかも」
タカミ「趣味は、水に関係するものかもしれません。 水泳とか? 食べ物は、うーん白っぽい食べ物? 豆腐?」
スピリチュアル探偵GENJI「全体的にぼんやりしてますね」
タカミ「前世ですから!」
タカミ「あっでも、浮気している事ははっきりしてます!」
スピリチュアル探偵GENJI「分かりました。 では、尾行をはじめますが、 あなたの意識が邪魔になるかもしれません」
スピリチュアル探偵GENJI「気づかれないようにしてくださいね」
スピリチュアル探偵GENJI「では、眼を閉じてください」
〇水中
前世の夫を思い浮かべてください
夫を思い浮かべてそのままひっそりとあなたは消えてください
消えてください
タカミ「・・・・・・・・・・・・」
タカミ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
タカミ「すみません」
スピリチュアル探偵GENJI「どうされましたか?」
タカミ「前世の夫を思い浮かべることも、自分も消すことも出来ませんでした・・・・・・」
タカミ「私は今を生きてました」
タカミ「前世の夫が何してようと関係ないっていうか」
タカミ「なんで、私ここに来たんだろう?」
スピリチュアル探偵GENJI「では、解決したということですね。 良かったです」
タカミ「本当に不思議ですけど、何か急に『今』と『自分』が大切だって、気づきました」
タカミ「パフェ食べて帰ろうかしら」
スピリチュアル探偵GENJI「良かったです」
タカミ「でもどうして、前世のことなんて気になったのかしら。 まあ、いいか」
タカミ「失礼しました!ありがとうございました!」
〇応接室
謎の男パトソン「おーい! GENJI君よー!」
スピリチュアル探偵GENJI「なんだいたのか」
謎の男パトソン「いたよ! 出てこれなかったんだ!」
謎の男パトソン「スーツだと思って着てきたものが、パジャマスーツだったんだ!」
スピリチュアル探偵GENJI「パジャマスーツならいいじゃないか」
謎の男パトソン「いや、パジャマスーツだと思ってたものが、実はパジャマだったんだ!」
スピリチュアル探偵GENJI「水かけて育てればスーツになりそうじゃないか。 うしろで聞いていたのか?」
謎の男パトソン「そうだよ! さっきの依頼者さんだけど、いいのか?」
スピリチュアル探偵GENJI「ん?」
謎の男パトソン「あれは、前世の夫の浮気じゃなくて、 現世の夫が浮気しているって悩みじゃないか?」
謎の男パトソン「彼女は、何となく気づいていたけど、信じたくないあまり『前世の夫』を作り出したんじゃないか?」
謎の男パトソン「このままにしていいのか?」
スピリチュアル探偵GENJI「きっと、パフェを食べて、自分で解決する力を得るだろう」
スピリチュアル探偵GENJI「前向きになって、元気になること、その手助けをすることが、パフェ、いやスピリチュアルの役目だからね」
謎の男パトソン「常識と非常識が混在してるね、GENJI君は」
スピリチュアル探偵GENJI「君もだよ!」
謎の男パトソン「おっ、次の依頼者さんがきたようだ!」
依頼者女性とのやりとりを聞いて、なんだかすこし下世話な精神科医のようだなあと感じました。悩みや不安って誰かに打ち明けることでおのずと解決につながることもありますよね。物語の発想として、スピリチュアル探偵という設定、主人公の人格(奥が深そう!)がとても興味深いです。
どんな悩みでも真摯に向き合い解決への道を探してくれる、そんな素晴らしい職業だなあと感じました。
職業というより人柄なのかな?とても魅力的に感じます!
まさかの展開と解決法に驚きです。確かにスピリチュアルを扱ってる人の発言ってこんな感じですもんね!次話以降も楽しみになります。