三毒森

深都 英二

真意(脚本)

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〇けもの道
伍代 炫 (呪術師)「ふーん、やるじゃん」
伍代 炫 (呪術師)「なかなか面白い攻撃するね」
雨笠 栗栖 (妖怪ミステリー小説家)「伍代さん!無事でよかった・・・」
愚痴「ちょこちょこ逃げ回りやがって!」
愚痴「そのままずっと逃げるつもりか!」
  愚痴の言葉に、雨笠は何かに気づいた。
雨笠 栗栖 (妖怪ミステリー小説家)(伍代さんが攻撃したのは最初の一回のみ)
雨笠 栗栖 (妖怪ミステリー小説家)(その後は、明らかに逃げの姿勢を貫いている)
雨笠 栗栖 (妖怪ミステリー小説家)(不自然なほどに・・・)
雨笠 栗栖 (妖怪ミステリー小説家)(伍代さんの実力は本物のはず。それなのになぜ・・・)
雨笠 栗栖 (妖怪ミステリー小説家)(これじゃまるで・・・)
雨笠 栗栖 (妖怪ミステリー小説家)「まさか!」
雨笠 栗栖 (妖怪ミステリー小説家)「わざと攻撃させてる・・・?」
伍代 炫 (呪術師)「ねえ・・・」
愚痴「なんだ・・・この違和感」
伍代 炫 (呪術師)「相手へ向けた憎しみによって自らの身を滅ぼす──だっけ?」
愚痴「何・・・?」
伍代 炫 (呪術師)「三毒「愚痴」の教えだよ」
伍代 炫 (呪術師)「愚痴は、相手を攻撃してるつもりでも、実は同時に自分も傷つけてるってやつ」
愚痴「・・・何の話をしている?」
伍代 炫 (呪術師)「あーやっぱり気づいてなかったんだ」
愚痴「なんだと・・・!」
伍代 炫 (呪術師)「「呪い返し」って知ってる?」
伍代 炫 (呪術師)「相手に向けた攻撃が、全部自分に返ってくる呪いだよ」
愚痴「っ・・・なんだと!」
伍代 炫 (呪術師)「しかも、これは時間差で発動する」
伍代 炫 (呪術師)「攻撃の力が大きければ大きいほど、呪い返しのダメージは絶大なものになる」
伍代 炫 (呪術師)「呪い返しのタイミングは呪術師次第」
伍代 炫 (呪術師)「だから、攻撃を一気にまとめて呪い返すこともできるってわけ」
愚痴「・・・まさか!」
伍代 炫 (呪術師)「そう、俺の最初の攻撃。あの時だよ」
伍代 炫 (呪術師)「お前の攻撃に呪い返しをかけた」
伍代 炫 (呪術師)「つまり、今までの攻撃が全部自分に返ってくるってこと」
愚痴「バカな・・・!」
伍代 炫 (呪術師)「お前は、自らの攻撃に滅ぼされるんだ」
伍代 炫 (呪術師)「愚痴の真意をついていると思わない?」
愚痴「ふ、ふざけるな!人間ごときが!」
伍代 炫 (呪術師)「残念」
伍代 炫 (呪術師)「時間切れだ」
愚痴「っ・・・!」
伍代 炫 (呪術師)「──おやすみ。永遠に」
  伍代がパチンと指を鳴らすと、強力な呪力エネルギーが愚痴に向かって一斉に放たれた。
  愚痴がいた場所には、石が一つ残されていた。
  石には、怪豚の模様が刻まれている。
伍代 炫 (呪術師)「封印完了っと!」
伍代 炫 (呪術師)「これが封印石か」
雨笠 栗栖 (妖怪ミステリー小説家)「封印・・・できたのか?」
伍代 炫 (呪術師)「あ、雨笠センセー!もう大丈夫ですよ!」
伍代 炫 (呪術師)「三毒を完全に封印するには、三つの石が必要なんでしたっけ?」
雨笠 栗栖 (妖怪ミステリー小説家)「ああ、そうだね・・・」
伍代 炫 (呪術師)「あ!」
雨笠 栗栖 (妖怪ミステリー小説家)「え!何?」
伍代 炫 (呪術師)「腹へった・・・」
雨笠 栗栖 (妖怪ミステリー小説家)「え?」
伍代 炫 (呪術師)「もぐもぐ・・・」
伍代 炫 (呪術師)「あー!やっぱ戦いの後のドーナツはうまいっすね!」
雨笠 栗栖 (妖怪ミステリー小説家)「ハハッ!伍代さん、お疲れさま!」
雨笠 栗栖 (妖怪ミステリー小説家)「ありがとう。おかげで助かったよ」
雨笠 栗栖 (妖怪ミステリー小説家)「それにしてもすごかったな。やはり噂通りの呪術師ですね」
伍代 炫 (呪術師)「三毒は人間から生まれた悪霊。それを考えると、複雑な気分ですけどね」
雨笠 栗栖 (妖怪ミステリー小説家)「たしかにそうだね・・・」
雨笠 栗栖 (妖怪ミステリー小説家)「あ、それがもしかして例の封印石?」
伍代 炫 (呪術師)「そうです。愚痴の化身、怪豚の模様が刻まれてます」
雨笠 栗栖 (妖怪ミステリー小説家)「あ、ほんとだ!ちょっと僕にも見せて」
伍代 炫 (呪術師)「これ、触らない方がいいですよ」
雨笠 栗栖 (妖怪ミステリー小説家)「え?」
伍代 炫 (呪術師)「この石から、禍々しい霊力を感じるので」
雨笠 栗栖 (妖怪ミステリー小説家)「うわっ!そうなんだ・・・」
伍代 炫 (呪術師)「この封印石も一時的に封印してるだけっぽいです」
伍代 炫 (呪術師)「早く三つ集めて封印しないとヤバいですね」
雨笠 栗栖 (妖怪ミステリー小説家)「他の人たちは大丈夫かな・・・」
伍代 炫 (呪術師)「さっき、あっちの方で飛田さんたちの声がしました。行ってみますか」
雨笠 栗栖 (妖怪ミステリー小説家)「よし、行こう!」

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