エピソード6 思惑(脚本)
〇岩穴の出口
オヤジ「君の兄である羽原豊は・・・」
オヤジ「生きています!!」
羽原 貞治「なんだって!?」
羽原 貞治「それは本当か!! 兄貴はどこにいるんだ!?」
オヤジ「・・・残念ながら私は君の兄とは面識はありません」
オヤジ「この情報も漸知により得たものです」
オヤジ「居場所まではわからないんです」
オヤジ「ですが間違いなく生きてこの世界に存在している。それだけは確実です」
羽原 貞治「そうか・・・ いや、それが分かるだけでも大きいよ!!」
羽原 貞治「さっきまでは希望も無かったから・・・」
安藤 竜二「・・・・・・」
羽原 貞治「で・・・ アンタらがやろうとしている事ってなんなんだ!?」
オヤジ「聞いてくれますか、ありがとう。 ・・・順を追って話しましょう」
オヤジ「そもそもこの世界ナツレの住民は、農作物が主食で、畜産や野生動物といった概念も存在もありません」
オヤジ「ここの生物は見た目こそ異なりますが、一種の種族しかいないのです」
羽原 貞治「・・・あれだけ見た目が違うのに、同種族だって!?」
オヤジ「ええ、故に肉食の文化も無かったんです・・・ 6年前までは・・・」
羽原 貞治「それってつまり・・・」
オヤジ「ええ・・・ 無期異世界転生は・・・」
オヤジ「この世界に我々という食糧を送り込むためのシステムなんです!!」
羽原 貞治「そ、そんな・・・」
羽原 貞治「そんな非人道的な事許されないだろ!!」
オヤジ「もちろん、この事実は国の上層部しか知らないですし、情報統制はかなり厳しくされているでしょう」
オヤジ「この件の最高責任者が・・・」
安藤 竜二「総理の熊井だ・・・!!」
羽原 貞治「・・・熊井総理大臣。 あんなに人気があるのに、裏ではそんな事を・・・」
羽原 貞治「だが、腑に落ちない!! なんでそんな事をする必要があるんだ!!」
安藤 竜二「・・・見返りがあるんだよ」
羽原 貞治「見返り!?」
オヤジ「先程この世界には一種の種族だけという話をしましたが、」
オヤジ「小さいながらも王国が作られており、女王が存在しています」
オヤジ「この女王の城にある秘薬・・・ これが奴・・・熊井の狙いです」
羽原 貞治「秘薬・・・ そんなものが・・・」
オヤジ「秘薬は3種類」
オヤジ「『不老不死の薬』、 『傷や病気を完治させる薬』、 『嘘を封じる薬』」
オヤジ「どれも強力な力を秘めた薬ですが、熊井はそれらを囚人達の命と引き換えに手に入れようとしているのです!!」
羽原 貞治「そ、そんな目的のために俺の兄貴や多くの人達が犠牲に・・・」
安藤 竜二「今まではそうだった!! でも、これからは俺たちがそうさせない!!」
オヤジ「・・・そうですり そして、ここからが我々の計画の話になります・・・」
オヤジ「我々の目的は女王を倒す事です!!」
オヤジ「ナツレの女王・・・その名は『ヒュメリ』といいますが」
オヤジ「奴さえ倒せば、ナツレの種族はその力を失うのです!!」
羽原 貞治「なんだって!?」
オヤジ「ナツレの種族は女王からの魔力供給により力を得ています」
オヤジ「故に魔力の源となっている女王を倒すことで無力化できるのです」
オヤジ「ただ、それは簡単ではありません。 当然、女王の戦闘力は圧倒的です」
オヤジ「今の我々の戦力では太刀打ち出来ません」
安藤 竜二「だから俺たちは・・・」
オヤジ「この世界の真実を明るみにさせることで・・・」
「人間が一丸になってヒュメリ女王を倒す!!」
羽原 貞治「でも、そのためには・・・」
安藤 竜二「言いたいことはわかるぜ」
安藤 竜二「『どうやって公表するか』と 『どうやって元の世界に帰るか』だろ!?」
羽原 貞治「あ、ああ・・・ だってこの世界は片道切符なんだろ!! 俺はここに来る前に野原から聞いたぞ」
安藤 竜二「・・・野原!? 野原って誰だ!?」
羽原 貞治「そうか、2人がこっちに来てからの就任なのか・・・今の検事総長だ」
オヤジ「検事総長ねぇ・・・」
オヤジ「情報の漏洩対策なのでしょう」
オヤジ「この世界から日本に戻るゲートも存在します」
羽原 貞治「じゃあ、アンタらも俺もそれさえ使えば・・・」
安藤 竜二「ああ、帰れるのさ!! でも・・・」
オヤジ「生憎ゲートの場所は女王の城の中・・・ 辿り着くのは容易ではない・・・」
オヤジ「ただ、我々よ計画ではこのゲート奪取も目的の一つです」
オヤジ「私の計画は、まず女王の城に忍び込み」
オヤジ「秘薬の『嘘を封じる薬』を奪取」
オヤジ「その後ゲートをくぐり、熊井に対して薬を使用。奴の本性を明るみにする」
オヤジ「そして、女王を討伐し勝利することで」
オヤジ「無期異世界転生という量刑を失くす」
羽原 貞治「そんな壮大な計画が・・・」
オヤジ「『嘘』の証明というのは難しい。 故に本人の口から語ってもらわなければいけません」
オヤジ「この状況は打破できない」
オヤジ「羽原君・・・ 君の兄貴を探すという目的も、今のようにナツレの民がいる状況では、命がいくつあっても足りないです」
オヤジ「だから、先にコチラの目的成就のために力を貸してくれないでしょうか」
羽原 貞治「・・・少し考えさせてくれないか」
オヤジ「ええ、かまいません」
安藤 竜二「オヤジ・・・」
オヤジ「即決してくれるとは思っていないです。 だが、安藤。後で声をかけてやってください」
〇湖畔
羽原 貞治(兄貴が生きているのは嬉しいけど・・・)
羽原 貞治(そのためにこの世界の種族を殲滅するる・・・!?)
羽原 貞治(総理大臣と敵対する・・・!?)
羽原 貞治「まさかそんな話になるとは思っても無かったから、頭が追いつかないな・・・」
安藤 竜二「よぉ!!」
羽原 貞治「・・・安藤」
安藤 竜二「混乱してるな!!」
羽原 貞治「ん、まぁ、正直・・・」
安藤 竜二「2年前の俺もそうだったからな・・・」
安藤 竜二「実は俺、お前に話したいことがあるんだ」
羽原 貞治「ん!?」
安藤 竜二「俺はお前の兄貴、豊が犯人として捕まった事件の被害者」
安藤 竜二「安藤美花の・・・ 息子なんだ・・・」
羽原 貞治「!?」
うーん、コメントが親切設計。
僕は作中にあらすじを挟むか、まとめストーリーを一話挟むことを検討していました。何話で挟むかが難しいところですが。
しかし毎回そうですが、サイズ感がちょうどいいですね。何tapくらいなのかな。次回も楽しみです。
やはり政府の陰謀…🤔3種類の効果の薬とは頭脳ゲームっぽい予感がします😆
そして安藤…!!兄は冤罪だと信じてくれるのか…🤔続きが気になります!
おぉー!!!!!
異世界VS国家といったところでしょうか⁉︎
事態はさらに面白い方向へ転がってきましたね✨
そして、安藤!!!!!
まさかの!!!!!
これは地団駄を踏みながら次回を待ちます!!!!!