日本一周の旅に出たら、家出少女ひろった!!

はいおくまんたん

泣かない少年(脚本)

日本一周の旅に出たら、家出少女ひろった!!

はいおくまんたん

今すぐ読む

日本一周の旅に出たら、家出少女ひろった!!
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇廊下の曲がり角
  「お母さんに置いていかれた」─。
  若干、突拍子もないことを言われることにデジャブ感がいなめないが、俺は話を理解するために事情を聴くことにする。
九重 翔馬「いや、まてまてどういう事だ?お母さんはこのホテルにはいないってことか?」
橘 和人「うん、兄ちゃんはこんな夜中に何してんの?」
九重 翔馬(いや、おまえがこんな夜中に何してんだよ。とりあえずこの子をフロントにつれていって親を探さないと・・・)
  そう考えた俺は中にいる優愛に声をかけ出てきてもらう。
  コンコン
宮崎 優愛「どうしたの?」
  出てきた優愛に事情を説明して、フロントに行こうと少年を誘うが頑なに動かない。
  しかもさりげなく優愛の手を握っている。
九重 翔馬「こりゃダメだな。とりあえずここにいても仕方ないから、二人は部屋で待っててくれ」
九重 翔馬「俺はフロントにいって保護してること伝えてくるから──」
  そう言って俺はフロントへ向かい、そこにいる受け付けに声をかける。

〇ホテルの受付
九重 翔馬「すみません」
お姉さん(受付)「はい?お客様、どうかなさいましたか?」
九重 翔馬「ええと、飲み物をかおうと・・・──」
  一通り説明をすますと、受付のお姉さんはパソコンをカタカタと叩き始めた。
  しばらく待つと、とりあえず少年に会わせてほしいと言われ連れていくことにする。

〇廊下の曲がり角
  部屋の前に戻ると中から優愛の笑い声が聞こえてくる。
「ははは!あっ・・//」
「ひひっ・・やっ//」
  ちょっとやらしい声も聞こえてくる。
  どういう事だ。
九重 翔馬(オラわくわくしてきたぞ!)
  高鳴る気持ちを抑え、カードキーで鍵を開ける。
  ガチャ、、、

〇ホテルの部屋
  するとベッドの上でじたばたもがく優愛、その上にのり優愛の服をめくりあげ、お腹に顔を押し当てて
橘 和人「ぶううううう!」
  と優愛のお腹をならす少年。
宮崎 優愛「あっははははははは!ひひひ!し、死ぬっ!ひゃはっ!・・・あっ///」
  なんて羨ましく微笑ましい光景だろうか?てかなんでそんな事になってんだよ。
九重 翔馬「おまえらなにやってんだ・・・」
  フロントのお姉さんも少し驚いた様子を見せるが、すぐに少年のところへ行き名前を聞き出す。
お姉さん(受付)「君のお名前は?お母さんはどこに行ったのかな?」
  すると少年は優愛にしがみつき
橘 和人「お母さん」
  と言う。
  それに優愛は驚き、すぐに否定した。
宮崎 優愛「えぇ!?ちが、違うし!和人(かずと)くん、嘘は言っちゃダメなんだよ?泥棒になるんだよ?」
橘 和人「うるせえブスッ!」
宮崎 優愛「えええ・・・( ;∀;)」
  子供の言うことにガチで凹む優愛。
  とりあえず名前は和人と言うらしい、詳しく話を聞くために和人に目線を合わせ、ゆっくりと話をする。
九重 翔馬「和人、女の子にブスっていっちゃダメなんだぞ?」
九重 翔馬「男の子は女の子を守ってやらなきゃいけないから、優しくしないといけないって言われたことないか?」
橘 和人「うるせえブスッ!うんこ!ナメクジ!」
  酷い言われようである。
九重 翔馬(このクソガキっ!ともまあ、思わなくもないが子供なんだしこんなものだろう)
  それから、落ち着きのない和人をあの手このてで手懐け、話をようやく聞き出して状態がのみこめてきたころ。
  すでに時計は深夜を指そうかというころであった。

〇黒

〇ホテルの部屋
九重 翔馬「なるほど、つまり和人はお母さんをさがしてお父さんとこのホテルにきたわけだ?」
九重 翔馬「でもお父さんが寝てしまって、つまらないから部屋を出たら入れなくなったと・・・」
橘 和人「そう」
  事情が把握できたのなら話は早いと、フロントのお姉さんがお父さんが宿泊しているであろう部屋に内線をかける。
  ・・・
  案の定出ない。

〇マンションの共用廊下
  結局、直接部屋に行きノックをするが出ない。
  ・・・
  やむをえずマスターキーにて解錠をする。
  入口で待つように伝えられ、言われるままそこで待つ。
お姉さん(受付)「橘(たちばな)さーん、すみませぇん、失礼しまーす」
  と小声でフロントのお姉さんが入る。
  どうでも良いことだが、姓は橘と言うらしい。
「グガガガガ、グガッ!」
  と開け放たれた部屋から鼾(いびき)が聞こえる。
  そして待てと言われたのに待てないのが子供である。
  和人は、テンションMAXで部屋へと突撃すると、何らかの理由で疲れはて寝ている父親のベッドへとフルダイブを決め込む。
  当然、寝ていた父親にモロに直撃し「うごぇッッ!」と形容しがたい悲鳴が聞こえる。
橘 義和「ぐっ・・・」
橘 和人「お父さん!おはよう!」
  と深夜を過ぎた頃に騒ぐ少年。
橘 義和「げほげほっ!ウオェッ!」
  とむせかえりえずくおじさん。
  「あぁ~ッ!アレはいたい!」と言いたげに開いた口を両手でおおうフロントのお姉さんだったが、すぐに
お姉さん(受付)「だだだだ大丈夫ですか!?お客様ッッ!」
  なに?このカオス。
橘 義和「げほげほっ!な、なん!?なんなんなッッ!?」
  お父さんはまだ、少し寝ぼけているらしい・・・そこに和人が追い討ちをかける。
橘 和人「お父さん!!翔馬と優愛がね!」
  状況を把握しきれていない父親にさっき知り合ったばかりの若者の紹介を嬉々として始める少年。
  完全にポカンとしている父親に、フロントのお姉さんが経緯(いきさつ)を伝える。

〇黒

〇ホテルの部屋
橘 義和「なるほど、そうでしたか。それはご迷惑をおかけしました。申し訳ありません」
  と割りと普通に謝罪を受け、時間も時間だと言う話になり、明日の朝また改めて詳しく話をする事になった。

〇黒

〇ホテルの部屋
  その後、俺と優愛は和人にバイバイして自室に戻りやっと一息ついたのだった。

ページTOPへ