被告人を無期異世界転生に処す

わらやま

エピソード3 邂逅(脚本)

被告人を無期異世界転生に処す

わらやま

今すぐ読む

被告人を無期異世界転生に処す
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇黒背景
羽原 貞治「ん!?」
羽原 貞治「ここは・・・!? もうナツレに着いたのか!?」
羽原 貞治「いや・・・違う!?」

〇幻想空間
羽原 貞治「こ、この空間は一体・・・!?」
  ・・・者よ
コトワリ「異なる世界に旅立んとする者よ」
羽原 貞治「な、なんだ!?」
羽原 貞治「アンタは一体!?」
コトワリ「私はコトワリ。 世界の外に漂いし者」
コトワリ「旅人に対して福音を与えし者」
羽原 貞治「福音だって!? 何なんだそれは!?」
コトワリ「一つは言語という縛りからの解放」
コトワリ「そして、もう一つは・・・」
コトワリ「特殊能力の譲渡」
羽原 貞治「なっ!?なんだそれは!? 野原はそんなこと・・・」
羽原 貞治(いや・・・知らなかったんだろうな。 なにせ、片道切符・・・ 実際に来てみないと分からないもんな)
コトワリ「旅人よ 其方は異なる世界で何を成したい?」
羽原 貞治「お、俺は・・・」
羽原 貞治「とある事情で生き別れてしまった兄に会いたい。そして謝りたい!」
羽原 貞治「そのためにここに来たんだ!!」
コトワリ「その魂の叫び・・・ たしかに受け取った」
コトワリ「そなたに授ける能力は、」
コトワリ「『藍炎黄炎』(あいえんきえん)」
羽原 貞治「藍炎黄炎!? それは一体どんな能力なんだ!?」
コトワリ「二種の炎を操る力」
コトワリ「藍色の炎は冷たくまとわりつき」
コトワリ「黄色の炎は熱く迸り弾ける」
コトワリ「使いこなせれば、其方の力となろう」
コトワリ「さて、時間だ旅人よ」
コトワリ「異なる世界で其方の願いが叶わん事を」
羽原 貞治「うぉぉぉぉぉ」

〇美しい草原
羽原 貞治「いてて・・・ さっきのは一体なんだったんだ!?」
羽原 貞治「ここが異世界ナツレか・・・」
羽原 貞治「パッと見渡す限りは地球とあんまり変わらなそうだが・・・」
羽原 貞治「俺自身も特に変わった所はなさそうだ・・・」
羽原 貞治(この世界のどこかに兄貴が──)
羽原 貞治(まずは情報収集からだな)
羽原 貞治「さっきのコトワリとかいう奴の言ってた能力を試すか・・・」
羽原 貞治「藍炎!!」
羽原 貞治「黄炎!!」
羽原 貞治「うおっ!!本当に出せた!!」
羽原 貞治(たしかに藍炎はまるで氷のような冷たさで、黄炎は爆弾や花火のようにはじける特性があるな)
羽原 貞治(これが俺の能力・・・)
羽原 貞治(だが、こんな能力使うことあるのか!?)
羽原 貞治(なんかもっと兄貴の場所がわかるみたいな能力の方が良かったんだけど)
ヴィンツ「やぁ!!」
羽原 貞治「ひいっ!?」
ヴィンツ「そ、そんなに驚かないでくれよ」
ヴィンツ「向こうから花火みたいな光が見えたからさ」
ヴィンツ「アンタ異世界転生者だろ!?」
羽原 貞治「あ、ああ、そうだけど・・・ アンタは?」
ヴィンツ「オイラはヴィンツってんだ」
ヴィンツ「異世界転生者のコンダクターやってんだ!!」
羽原 貞治「あ、そうなんだ!?」
羽原 貞治(随分友好的なんだな)
ヴィンツ「向こうにさぁ、今まで転生した人達が住んでるところあるから、そこまで案内するよ!!」
羽原 貞治「え、本当か!? それはありがたい。よろしく頼む!!」

〇草原の道
ヴィンツ「この世界は『ナツレ』っていってね、みんなで野菜を育てながら暮らしているんだ!!」
羽原 貞治「へー、そうなんだ」
羽原 貞治(野原から聞いてた話とも、巷で流れている話とも合致するなぁ)
羽原 貞治(案外本当にいいところなのか!?)
ヴィンツ「すげーいいとこだからさ!! 貞治も気にいると思うよ!!」
ヴィンツ「ここに転生してきた人達は、一緒に野菜作りをしてもらって、過ごしてるんだ!!」
羽原 貞治「・・・なあ、ヴィンツ」
ヴィンツ「なんだい?」
羽原 貞治「その中に、俺の兄貴・・・ 羽原 豊はいるかな!?」
ヴィンツ「ん!?ああ、ユタカ?」
ヴィンツ「ああ、いる!! いるともさ!!」
羽原 貞治「ほ、本当か!?」
羽原 貞治「お、俺、実は兄貴に会うために転生してきたんだ!!」
羽原 貞治(こ、こんなすぐに会えるなんて・・・)
羽原 貞治「兄貴は元気に過ごしてるのか!?」
ヴィンツ「うんうん!!元気元気!! 転生者同士も仲良くしてるみたいだし」
ヴィンツ「みんな先輩の転生者がここでの生活をフォローしてくれるからね!! だからユタカもすぐ順応したよ!!」
羽原 貞治「ん?」
ゴブラダ「よう!!ヴィンツじゃねぇか!!」
羽原 貞治「うおっ!?」
羽原 貞治(デ、デカい!! 3m以上はあるぞ!! こんな種族もいるのか)
ヴィンツ「やあ、ゴブラダ」
ゴブラダ「隣のこいつは転生者か・・・ ヴィンツお前の・・・」
ヴィンツ「ああ、オイラの担当だよ!!」
ゴブラダ「ガッハッハ、そうかい!!」
ゴブラダ「驚かせて悪かったな。転生者君!! ま、もしまた会えたらよろしくな!!」
羽原 貞治「あ、ああ」
羽原 貞治「彼もこの世界の住人なのか!?」
ヴィンツ「ああ、あいつはゴブラダ!! 乱暴そうな見た目だけど悪い奴じゃないよ!!」
ヴィンツ「さ、着いた!! ここの洞窟の奥にみんないるよ!! さあ、入って入って!!」
ヴィンツ「ちょっと霧が出る洞窟だから、足元気をつけてね!」
羽原 貞治「・・・ああ」

〇洞窟の深部
ヴィンツ「ここが洞窟の奥だよ!!」
羽原 貞治「くっ、本当に視界が悪いな・・・」
羽原 貞治「でも・・・」
羽原 貞治「おいヴィンツ・・・ 誰もいないじゃ・・・」
羽原 貞治「ぐぁぁぁぁ」
ヴィンツ「何も間違っていないねぇ」
ヴィンツ「あんたの兄貴とかいうやつとは」
ヴィンツ「死後の世界で会えるんだから」

次のエピソード:エピソード1' 日常

コメント

  • こういうストーリーが書ける人はすごいなと思う

  • 特殊能力キターっ!と思ったら、殺されちゃうの⁉︎
    穏やかではない展開に、ドキドキしながらすぐさま次をめくります!

  • バッドエンドじゃないか!
    と思ったら作者コメントに解説がついてた。(笑)
    どこの世界にも初心者キラーはいるから仕方ありませんね。
    油断禁物です。続き楽しみです。

コメントをもっと見る(12件)

成分キーワード

ページTOPへ