シンデレラ深夜未明

らいら

第2話 相棒は美少女ロボット(脚本)

シンデレラ深夜未明

らいら

今すぐ読む

シンデレラ深夜未明
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇荒野
???「爆発 10秒前です 9、8、7・・・」
ビストライト「止める方法はわからない、ああもう、逃げるしかない」
ビストライト(1歩でも2歩でもこいつから遠くに離れて、直撃を避ける!)
  エラの周囲に転がる『量産型機械人形』の残骸を避け、ビストライトは走った。
???「5、4、3・・・」
  時間がなかった。
  ビストライトは、比較的原型を留めて横倒れになっている『量産型機械人形』の後ろにしゃがみ込んだ。
  人間の身の2倍ほどある、機械の塊だ。先程までずっと、エラが倒していたものである。
  部品がばらばらに飛び出ているものもあれば、損壊なくただ倒れて動かなくなっているものもあった。
ビストライト(この大きな胴体の部分を盾にすれば、爆発の衝撃をある程度緩和できる。・・・たぶん)
???「・・・ゼロ」
ビストライト(耐えろ!)
ビストライト「・・・・・・」
ビストライト(あれ? 不発か?)
ビストライト(シンデレラS01の様子がわからない・・・いや、油断してここで動いてドカンとなったら一巻の終わりだ)
ビストライト(じっとするしか──)
???「ご主人さま!」
ビストライト「ええっ!? おまえ・・・」
ビークル「つかまってください! はやく!」
ビストライト「わっ!」
  少女は小柄な身体でビストライトを軽々と持ち上げると、そのまま打ち上げ花火のように空中に向かって飛び上がった。

〇施設の休憩スペース
  最大のピンチから一夜が明け、すでに昼──
  ここは『惑星』の各所に点在する平屋。
  この土地で働いている、ごく少数の人間のための宿舎、通称バラックである。
  宿泊用の個室とシャワー設備はいつでも自由に利用できるし、食料庫には充分な保存食のストックが保管されている。
  休憩所のテーブルに、ビストライトは座っていた
  メイド服をまとった少女とともに
ビストライト「・・・」
ビークル「・・・」
ビストライト「あのさぁ・・・めっちゃ怒ってない?」
ビークル「怒ってませんよ」
ビークル「怪我もしていないのに気絶してこの時間まで目覚めないとは、そんな軟弱な身体でどうするのですか」
ビストライト「怒ってるじゃん」
ビークル「あなたは死ぬところだったんですよ。感謝が足りないようですね」
ビストライト「助けてくれてありがとうございます!」
  彼女の名は『ビークル』
  ビストライトに付与された仕事用の相棒、機械人形である
  目印の極端に少ないこの『惑星』で、道案内を務めるのが主な仕事だ。
  ナビ以外にも、こうして話し相手になることも仕事のひとつである。
  この惑星は人口が極端に少ない。たとえAIであっても、話し相手がいないよりはましなのである。
ビークル「はぐれたのが私のせいだと言いたげな顔ですね? ご主人さま」
ビストライト「そうは言ってないけど、周りに建物とかなんにもない見晴らしのいい所で、どうやったらはぐれるんだよ・・・」
ビークル「ご主人さまがぼんやりされていたせいでは?」
ビストライト「そのご主人さまっての、やめてくれない?」
ビークル「なんとお呼びすれば?」
ビストライト「普通に名前でいいだろ」
ビークル「ビストライト様、ですか? 長いから嫌ですよ」
ビストライト「文字数的にそんなに容量変わらないでしょうよ」
ビークル「では言い方を変えます。気持ち悪いから嫌です」
ビストライト「ご主人さまのほうが気持ち悪いだろうが・・・」
ビークル「は?」
ビストライト「いや、おまえといるとさ、美少女メイドロボットはべらせて歩いてる男の図なんだよね」
ビークル「実際にそうじゃないですか。わたしはあなたにこき使われている、いたいけな機械人形ですよ」
ビストライト「なんでそんなデザインなんだよおまえは!」
ビークル「知りません。製作者に聞いてください」
ビストライト「美少女ロボットどうしても作りたくなっちゃうのは、人間の悲しい本能なの?」
ビークル「・・・ところでシンデレラS01の件ですが」
ビストライト「ああ、うん・・・」
ビークル「やっと、見つかったのですよね? 一体目が」
ビストライト「そうなんだよ!」
ビークル「偶然にも私とはぐれているときに、彼女と行き合ったと」
ビークル「ご主人さま。この仕事の命令を受けて、彼女たちの捜索をはじめてどれくらいでしたっけ?」
ビストライト「ええと・・・半年は経ったかな・・・」
ビークル「なんて?」
ビストライト「すみません1年です」
ビークル「はい、そのとおりです。1年も血眼で探して、やっと見つけた1人目のシンデレラS01の──」
ビークル「自爆装置を起動させてしまい、失ったと・・・」
ビストライト「う・・・!!」
ビークル「なにしてるんですかあなたは。やる気あるんですか? こんなに仕事のできない人間って宇宙に存在します?」
ビストライト「だって「怒り」で自爆装置起動するとか、知らなかったんだからしゃーないじゃん!」
ビストライト「・・・お前も怒りで物理的にバーン!とかないよね? 大丈夫だよね?」
ビークル「さあどうでしょうね」
ビストライト「まあ、これでもう大丈夫、二度と失敗しないよ。フラグじゃないよ」
ビークル「フラグってなんですか」
ビストライト「えーと・・・それにあのとき、ホントに爆発したかどうかも覚えてないんだよ、ほら俺。気絶しちゃったから」
ビークル「確かに爆発していましたよ。逃げたので私も現場は確認していませんが・・・」
ビストライト「錯覚ってこともあるんじゃない? 極限状態だしさ」
ビークル「私は機械ですよ。錯覚とかないです」
ビストライト「まあ、とりあえず、現場に戻って確認しよか・・・」
ビストライト「昨日のシンデレラS01が粉々になってたとしても、残骸から、なんとか次の手がかりを見つけないとな」
  大量にいるとされる、シンデレラS01
ビストライト(たとえ一体が爆発してダメになっても、まったく同じ機体がほかに何十個もある。助かる話だ)
ビストライト(その分、埋め込まれた自爆装置も山ほどあるってことだけど)

〇荒野
エラ「わたしがたくさんいる・・・?」
エラ「わたしはひとりだ」

〇施設の休憩スペース
ビストライト(もう「あの子」はいないのか)
  なぜか、そう思った
  正確な記録は残っていないが、ミメイは100体ほどまったく同じものを作ったという。
ビストライト(戦闘用なのに、なんであんな・・・10代の女の子の容姿にしたんだろうな。おまけに感情まであるし)
ビストライト「一生理解できないな、ミメイってやつのことは」

次のエピソード:第3話 瓦礫の中のマイクロメモリ

成分キーワード

ページTOPへ