サレカノ同盟

彩京みゆき

エピソード1(脚本)

サレカノ同盟

彩京みゆき

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〇シックなカフェ
  初対面の女二人がカフェで顔を合わせている
美咲「あんたの彼氏浮気してるから」
真緒「えっ!?」
美咲「てかそれあたしの元彼だけどさ。 分かる? 敬人(タカヒト)は全然女に節操無いってこと」
真緒「ええ、 何となく浮気されてるってのは気づいてましたけど」
真緒「違う香水の匂いがしたり、 見た事も無い時計が増えてたり・・・」
真緒「でも元カノのあなたが 私に何の用なんですか?」
美咲「復讐よ 私のこの無駄にした2年間は戻って来ないし貢いだお金も戻って来ないだろうけど」
美咲「私もバカだったんだけど・・・ このままじゃ気が済まないじゃない?」
美咲「あなたと私は被害者よ でももう一人の女は違う この違いって分かる?」
真緒「さあ? もしかして、 彼女は『浮気』だって分かってて? 『彼女』がいるって分かってての 浮気?」
美咲「それそれ、 その決定的な違い。 私とあなたは『被害者』 もう一人の女は『加害者』」
美咲「そこで同盟を組んで、 敬人を徹底的に叩きましょう アイツ、バンドマンでしょう? しかも限り無く色恋営業な」
美咲「証拠を掴んで晒して、 社会的制裁を加えましょう その女と諸共に・・・」
真緒「ちょっと待って下さい・・・ まだ、 浮気してるって決まったワケじゃないし・・・」
美咲「なるほど うん分かるわ まだアイツを信じたいって、 改心するかもって思ってるんでしょ?」
美咲「そうね まずは二人で証拠を掴みましょう」
真緒「・・・分かりました・・・」
  そして、美咲と真緒のとりあえずの『同盟』は結ばれた

〇繁華な通り
  美咲と真緒が女連れの敬人を尾行する
美咲「アイツ、行きつけのホテルに向かうつもりだわ」
真緒「はは・・・ 分かってたけど、目の前にしちゃうと、さすがにね・・・」
美咲「うんうん、でもここはもう同情禁物よ しっかり撮っておいてね」

〇ラブホテル
  敬人と女がホテルの入り口へと向かう
  真緒はその瞬間をスマホのカメラに収める
  美咲が二人の間に飛び出す
美咲「ちょっと敬人 あんたまた何やってんのよ!?」
敬人「はあ!? もう美咲には関係無いだろ?」
美咲「てかアンタ彼女いるでしょ? それ浮気って言うんだけど」
敬人「別に俺、浮気絶対しません宣言なんてそもそもしてねーんだけど」
敬人「付き合っていい思いさせてやっただけでも有り難く思うんだな」
  美咲が敬人の頬を殴る
敬人「いてっ、何すんだよっ」
美咲「はい、全部動画で撮ってますから」
敬人「真緒!? 何で撮ってるの!? 違うんだよ、これは。 本命は真緒だから・・・ いつも愛してるって、言ってるだろう・・・?」
真緒「・・・さようなら・・・」
真緒「あんたなんか、 いらないっ!!」
  真緒が敬人の頬を殴る
・・・・「ちょっとタカ、聞いて無いんだけどっ・・・」

〇繁華な通り
  走り去る真緒
美咲「待って・・・」
  追いかける美咲

〇空

〇シックなカフェ
美咲「ねえいい? アップするよ?」
美咲「この動画を上げたらもう戻れないけど 大丈夫?」

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コメント

  • お互い同じ目的のために同盟を組んで、終わった後はあっけないなあと感じてしまいました…。
    しかし好きな人がそうしてたとして、受け入れるのはかなり難しいものはありそうですが…。

  • 人をだまして、人に心をもてあそぶとやっぱりバチが当たりますね。こんな男を捨てて前向きに生きていこうというふたりの決断は大正解だと思いました。

  • 彼女たちの、浮気男への報復という過去の清算が読んでいて気持ちいいですね。一時だけの不思議な連帯感も。今後の彼女たちに幸あらんことを!

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