入れ替わりパーソナリティ~好きなあの子が恋してる相手は僕に恋してる!?

れこん

エピソード2(脚本)

入れ替わりパーソナリティ~好きなあの子が恋してる相手は僕に恋してる!?

れこん

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〇まっすぐの廊下
来栖武司(くるす たけし)「ふぅ・・・半年ぶりに来る学校はなんか新鮮な気分じゃの」
来栖武司(くるす たけし)「今まで学校なんてブチたいぎい(ものすごくつまらない)場所って思ったが」
来栖武司(くるす たけし)「昨日の会った千陰が居る場所じゃって知ってしもうたらワクワクしてきたの!」
  昨晩あったあの女子はなんか気が合うような気がした。
  ほんでもってあの小悪魔のような雰囲気。
  正直惚れた!あんな女子は中々居らんで!
来栖武司(くるす たけし)「・・・」
来栖武司(くるす たけし)「よし、行くで!(キリっ)」

〇教室
来栖武司(くるす たけし)「・・・」
クラスの男子(うわ遂に来た。もうこの学校も終わりだぁ)
来栖武司(くるす たけし)(クラス全員が静まり返っとる)
来栖武司(くるす たけし)(けどしゃーない。 だってこいつら全員弱いけえの)
木下誠美(きのした なるみ)(武ちゃん・・・)
来栖武司(くるす たけし)(ちっ、誠美のやつこっち見てくんなや。 うざいじゃ)
来栖武司(くるす たけし)「ん? なんじゃあいつは」
藤堂千陽(とうどう ちはる)(あーもう、不良って苦手なんだよ。 学校に来るなよな)
来栖武司(くるす たけし)(おもろい。あいつ俺に敵対心丸出しじゃ。 どれ、試してみるかの)
藤堂千陽(とうどう ちはる)(怖っ、なんて威圧感なんだ)
来栖武司(くるす たけし)「ふっ、もやし野郎が」
藤堂千陽(とうどう ちはる)(もやし野郎・・・僕のことか)
担任「おーい席につけ、出席をとるぞ」
担任「まずは青木、加藤、それから木村」
木村「はい!」
担任「えーと次は・・・ 来栖は飛ばして──」
来栖武司(くるす たけし)「おい先公!俺は今日おるで」
担任(え、来栖なんで来てるんだ!?)
担任「えーと、すまない。 それじゃ改めて来栖──」
来栖武司(くるす たけし)「おう!」
木村(うわああっ! 先生にまで圧をかけ始めた。本当に学校の頂上取る為に来たんだ)
木村(てか、俺の真後ろ席で怖ええ!)
  木下を含めて、ほぼクラスの全員
  は来栖を怖がって空気が沈んだ。
木下誠美(きのした なるみ)「武ちゃん・・・」
  しかしこの時、誠美は──

〇水玉2
木下誠美(きのした なるみ)(武ちゃん、学校に来てくれたんだ)
木下誠美(きのした なるみ)(あとで武ちゃんとお話しよ)
  ──と、このように一人だけ嬉しそうにする一方、誠美に恋心を抱いている千陽の方は・・・

〇モヤモヤ
藤堂千陽(とうどう ちはる)(くそー! さっきから委員長があの来栖とかいう不良の事をチラチラ見てる)
藤堂千陽(とうどう ちはる)(何でなんだ! あんな奴のどこがいいんだ!?)
  来栖に嫉妬心を爆発させていた

〇教室
担任「次、藤堂」
藤堂千陽(とうどう ちはる)(委員長、どうして・・・)
担任「おい藤堂千陽、 返事をしなさい!」
藤堂千陽(とうどう ちはる)「あ、すみません!」
担任「こら、ボーッとするな!」
担任「次、女子の出席を取るぞ」
担任「安藤」
担任「木下」
担任「それから・・・」
  担任は出席を取り続けた。
  そしてとうとうこのクラスに千陰という
  名前の生徒は居ないことを来栖は知った
来栖武司(くるす たけし)「このクラスにおらんと言う事は他のクラスにおるかもしれん」
来栖武司(くるす たけし)(よし、今日は放課後になったら前の席の奴に聞いて探りを入れてみるかの)
木村(なんか背中に寒気が・・・。 き、気のせいだよな)
担任「よーし授業をはじめるぞ」

〇田舎の学校

〇田舎の学校
  ──放課後。

〇教室
木下誠美(きのした なるみ)(はぁ、せっかく武ちゃんが学校に来たのに、無視されて一言も喋れなかったな)
藤堂千陽(とうどう ちはる)(ちくしょー!なんだあいつ。今日一日委員長が話しかけてたのに無視しやがって!)
藤堂千陽(とうどう ちはる)(あ、でもそうか)
藤堂千陽(とうどう ちはる)(その方が僕にとって都合がいいんだよな。 よーしそうやってどんどん嫌われろ)
  男としてのプライドは無いのか千陽・・・
来栖武司(くるす たけし)(よし、早速千陰を探す為に聞き込みするかの)
来栖武司(くるす たけし)「おい、ちょっと待てや」
木村「え、なんですか?」
来栖武司(くるす たけし)「確かお前は木村とかいう名前じゃったの。すまんがちぃーと話がしたいんじゃがええか?」
来栖武司(くるす たけし)「まぁ内密な話がしたいけぇ人目につかん廊下に来いや」
木村「わ、わかりました(あ、俺は目をつけられたんだ。もう終わりだ)」
来栖武司(くるす たけし)「ほいじゃ、ついて来いや」
木村(なんでー!?俺なんかしちゃったー!? もう終わりだー!)
木下誠美(きのした なるみ)(武ちゃんが木村君に絡んだ! まさか放課後に喧嘩でもする気!?)
木下誠美(きのした なるみ)(ダメ!そんな事したらせっかく学校に来たのに来れなくなっちゃう!止めなくちゃ)
藤堂千陽(とうどう ちはる)(ヤバい! 木村君を助けに委員長が向かった!)
藤堂千陽(とうどう ちはる)(くそー、相手は学校一の不良だ。委員長だけじゃ危ないし助けに行かないと!)
藤堂千陽(とうどう ちはる)(・・・とは思っても正直怖くて席を立てない)
藤堂千陽(とうどう ちはる)(なんて情けないだ僕は・・・。好きな女の子を守れないなんて)

〇モヤモヤ
  ねぇ、私(千陰)を出してよ。
  そうしたらあんたの好きな委員長とやらを
  助けてあげるよ
藤堂千陽(とうどう ちはる)(この心の中に響く声──もしかしてもう一人の僕!)
藤堂千陰(とうどう ちかげ)「どうもお兄ちゃん」
藤堂千陰(とうどう ちかげ)「取り敢えずメンドーだからさ。勝手に入れ替わらせて貰うね」
藤堂千陽(とうどう ちはる)「やめ──」

〇教室
藤堂千陽(とうどう ちはる)「・・・」

〇学校のトイレ
藤堂千陽(とうどう ちはる)「・・・よし、誰もいない」

〇個室のトイレ
藤堂千陽(とうどう ちはる)「・・・」
藤堂千陰(とうどう ちかげ)「・・・」
藤堂千陰(とうどう ちかげ)「ふふ、入れ替わり完了。 さっそく武司に会いに行こ」

〇まっすぐの廊下
来栖武司(くるす たけし)「おう来てもらってすまんの。おどれに聞きたい事があるんじゃ。 ※(来てもらって悪いね、君に聞きたい事があるんだ)」
木村「ひぃー!な、なんすか!?」
  来栖は出来るだけ丁寧な口調のつもりだが、広島の方言に慣れていない木村君にとっては脅しのように聞こえて逆効果だった。
来栖武司(くるす たけし)「あんな。この学校に千陰っていう女子が居る筈なんじゃが知らんか?」
木村(えー、誰だよそれ。俺が知るわけ無いだろ)
木村「えーとごめん来栖君。ちょっと知らないなー、あはは」
来栖武司(くるす たけし)「ほうか、知らんか。あはは!」
木村(ホッ・・・。このまま笑って誤魔化そう)
来栖武司(くるす たけし)「お前、ほんまに知らんのじゃろうの?」
木下誠美(きのした なるみ)「何やってるの武ちゃん!」
木下誠美(きのした なるみ)「早く行って木村君!」
木村「う、うん。(助かった。ありがとう委員長)」
木下誠美(きのした なるみ)「さて、どういうつもりなの武ちゃん!? 木村君を脅して何するつもりだったの!」
来栖武司(くるす たけし)「別に脅しとらんわ。俺はただ人探しをしとるだけじゃけえ邪魔すんなや」
木下誠美(きのした なるみ)「へぇ。じゃあその探してる人って誰なの?」
藤堂千陰(とうどう ちかげ)「それたぶん私でしょ」
藤堂千陰(とうどう ちかげ)「やっほー武司。昨日の夜ぶりだね」
来栖武司(くるす たけし)「お、おう千陰。会えてよかったわ」
来栖武司(くるす たけし)「実は俺もお前と同じ学校の生徒じゃけえ来たんじゃ」
藤堂千陰(とうどう ちかげ)「へぇ、そうだったんだ。だったらこれからも私達仲良くしない?」
来栖武司(くるす たけし)「おう、ええで勿論!」
木下誠美(きのした なるみ)「ちょ、ちょっと待って武ちゃん。 この子・・・誰?」
来栖武司(くるす たけし)「おう誠美、紹介するわ。この子は千陰って言うての、昨日俺を救ってくれた女子なんじゃ」
藤堂千陰(とうどう ちかげ)「どーもー千陰でーす」
藤堂千陰(とうどう ちかげ)「それにしても昨日は凄かったなー。武司と始めて出会ったんだけど、」
藤堂千陰(とうどう ちかげ)「そのあとすぐにドキドキする事しちゃってさー※(警察に補導されそうになったのを逃げた)」
木下誠美(きのした なるみ)「え、それっていったい武ちゃんと何、したの・・・」
藤堂千陰(とうどう ちかげ)「えーそんなに知りたいのー?それじゃあ教えて──」
木下誠美(きのした なるみ)「いや! やっぱり知りたく無い!」
藤堂千陰(とうどう ちかげ)(完璧、勘違いさせてやったよお兄ちゃん。 あとは仕上げに・・・)
藤堂千陰(とうどう ちかげ)「ねえ武司、せっかく会ったんだからさ。今日は一緒に帰らない?」
藤堂千陰(とうどう ちかげ)「私武司の事知りたいんだよねー」
来栖武司(くるす たけし)「・・・」
来栖武司(くるす たけし)「悪い、また今度にしてくれ。ちぃーと誠美の様子がおかしかったけえ見てくる」
藤堂千陰(とうどう ちかげ)「えっ・・・」
来栖武司(くるす たけし)「すまん、じゃあの!」

〇モヤモヤ
藤堂千陽(とうどう ちはる)「くそ、なんだよあいつ」
藤堂千陽(とうどう ちはる)「ちゃんと委員長の事を見てるじゃないか」
藤堂千陽(とうどう ちはる)「くっ・・・認めるよ。委員長に相応しいのは僕じゃない、あいつだ」

〇まっすぐの廊下
藤堂千陰(※千陽)「てか、完璧に千陰から主導権を取り戻したけど。今の僕ってヤバいな」
藤堂千陰(※千陽)「男子なのに女子の制服着て学校をうろついてるなんて変態じゃないか」
藤堂千陰(※千陽)(さっさと他の生徒に見つからないうちに着替えるか)
藤堂千陰(※千陽)(ん? 誰かがものすごく勢いで走ってくるぞ)
来栖武司(くるす たけし)「千陰ええ!!」
藤堂千陰(※千陽)(げっ、来栖。何で戻って来たんだ!?)
来栖武司(くるす たけし)「いい忘れとった事があった!」
藤堂千陰(※千陽)「な、なんだよ」
藤堂千陰(※千陽)(僕なんてどうでもいいから早く委員長を慰めに行けよコンチクショー!)
来栖武司(くるす たけし)「実はな俺お前に一目惚れしたんじゃ。ほいじゃけえ付き合ってくれや!」
藤堂千陰(※千陽)「あーはいはい、分かったから早く委員長の所に行きなって」
来栖武司(くるす たけし)「おう!すまんの ほんならこれから宜しくな」
藤堂千陰(※千陽)「なんなんだよあいつ・・・」
藤堂千陰(※千陽)「えっ・・・もしかして僕、来栖の告白を適当に答えてオッケーしちゃった?」
  つづく

次のエピソード:エピソード3

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