宇宙からきたろっくん

てんま

エピソード1(脚本)

宇宙からきたろっくん

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〇公園のベンチ
  ある日突然俺の目の前に現れた猫。俺に声を掛けて来た。現実なのか、幻覚なのか。世に言うところの化け猫なのか。
ろっくん「そんな浮かない顔して、どうしたのですか?」
まこと「お前、人間との会話ができるのか?」
ろっくん「当たり前じゃないですか。人間観察のために派遣されている身ですから。」
まこと「いや、この世界ではそれ普通じゃねぇし。派遣って、一体どこからなんだよ!」
ろっくん「ちょっと、詳しい説明をしても人間の知能レベルでは理解し難いと思います。宇宙からとでも言っておきましょうか。」
まこと「サラッと失礼な事を言う奴だな。」
まこと「まぁ、いい。百歩譲って宇宙人だと認めるとしても、外観、何処からどう見てもお前は『猫』だかんな。」
まこと「お前、ちゃんと自分で飼い主探せよ?俺は、連れて帰れねぇぞ。」
ろっくん「え!?私は司令部からマコトさんの監視結果を送信するように言われています。」
まこと「そんなの、こっちは知らん。家には既に先住猫がいる。飯代もかかるし、猫砂代だってバカにならん。面倒を見切れん。悪いな。」
ろっくん「そんな事を私に言っても良いのですか?私の報告内容によっては、滅びますよ、人間。」
まこと「おぃおぃ、いきなり話のスケールデカくねぇか?人間が滅びるって、どういう事だよ。」
ろっくん「私達は地球全体の環境維持をするために、地球上で特殊発達をした生物である人間の思考や行動を監視しています。」
ろっくん「マコトさんは監視対象の一人で、私が担当します。」
まこと「他にも監視対象が居るってことか?」
ろっくん「人間にしては、察しが良いですね。その通りです。無作為に選んだ一万人の人間を監視し、地球の環境維持への影響を調査します。」
ろっくん「人間が、地球上の他生物の存続に甚大な被害を与える可能性が高い、と判断されたら、人間を地球上から抹消する手段が取られます。」
まこと「で?俺がお前を邪険に扱ったら、人類存続に不利な報告をするってぇのか!?」
ろっくん「ご想像にお任せします。」
まこと「いや、さっき、遠回しに、そう言っただろ!」
ろっくん「ご想像にお任せします。」
まこと「壊れたロボットか!!とにかく、そんな夢物語をされても、家では定員オーバーなんで、もう猫は飼えん!」
まこと「わりぃな、他をあたってくれ。じゃぁな!」
ろっくん「・・・・・・それでは早速、監視を開始しますか。」

〇本棚のある部屋
まこと「あー疲れた。今日は変なのに出会っちゃったなー。何だったんだろう、あの喋る猫。」
まこと「時々、Youtubeで”ご飯ご飯”って言いながら飯食ってる猫の動画がアップされてるけど、そんなレベルじゃ無かったよなぁ。」
まこと「取り敢えず着替えよ。」
  あれ?階段を上がって来る足音が聞こえる。母親かな?
母「まこと、今、玄関見たら、こんな猫が・・・」
ろっくん「にゃぁ。」
まこと「お、おま・・・!?」
母「やっぱり、貴方が連れて帰って来たのね?こっそり連れ帰って隠すんだから・・・困ったわねぇ・・・」
まこと「いや、これに関しては俺は無実だ。」
ろっくん「にゃぉん。」
母「まぁ、あんたも、もう社会人なんだし、責任持って最後まで飼うなら、お母さん反対はしないわ。」
まこと「いや、これに関してはしっかりと強く反対してくれ・・・」
ろっくん「大成功だな!」
まこと「てめぇ!勝手に入り込んでんじゃねぇぞ!」
ろっくん「お母さま公認です。」
まこと「ちっ。勝手にしろぃ!」

コメント

  • ろっくん頭いいですね!笑
    でも、こんなかわいい監視なら悪くないかもです。
    お母さんの前では普通の猫を装ってるあたりがまた。笑

  • ろっくん勝手にはいってきちゃっておいて、お母さん公認って、世渡りを心得た猫ですね〜(笑)猫好きなので、強引に居座られても私なら嬉しいけどな♪

  • 心がほんわかする、そんな作品でした。猫が宇宙人、そして会話する、そのなことが(笑)二人の会話のテンポもよくて楽しかったです。

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