ヴィルペイン

ウロジ太郎

Ep.34/ THE ELUSIVE NIGHT WATCH #24(脚本)

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〇倉庫の搬入口
ナイトウォッチ「・・・・・・」
バステト「診断プログラム、起動・・・全身に打撲。骨折箇所15・・・18・・・22。心肺停止。救命シークエンス準備」
ナイトウォッチ「・・・・・・」
ゼニス兵「どうしますか」
世渡刃「首ぶった切って保存しとけ。面倒だが、直接脳みそに情報訊く。脳細胞はすぐ劣化するぞ。急げ」
バステト「救命シークエンス、準備完了。 除細動器、電力チャージ・・・ショック!」
ナイトウォッチ「・・・・・・」
世渡刃「おぉ。電気ショックで元気に跳ねてら。 いいね。ほら、がんばれ。蘇生したあとでたっぷり可愛がってやる」
ゼニス兵「頸部切断処置、準備整いました」
世渡刃「馬鹿野郎。やっこさん、頑張って生きようとしてるじゃねぇか。応援してやれ」
バステト「医療用マイクロマシン追加投入。内出血、止血完了。除細動器、電圧上昇。3、2、1・・・ショック!」
ナイトウォッチ「・・・・・・」
バステト「・・・変化なし。蘇生剤追加投与。 医療用マイクロマシン、さらに追加。電圧チャージ。3、2、1・・・ショック!」

〇白
  ・・・そのとき、僕は夢を見ていた。
久常紫雲「・・・・・・」
  僕の前には、8年前のちーちゃんがいた。
根須戸智是「しゅーちゃん・・・」

〇荒れた公園
  ちーちゃんが僕の手を取って、小指を絡め、指切りをする。
久常紫雲「じゃあ約束ね」
根須戸智是「うん。約束」
  ちーちゃんがいきなり、僕の頬にキスをした。

〇白
根須戸智是「また遊ぼうって約束・・・もう、だめなの?」
久常紫雲「・・・ちーちゃん・・・」

〇倉庫の搬入口
ナイトウォッチ「・・・・・・」
バステト「電圧上昇。 チャージ・・・3、2、1、ショック!」

〇白
  今度は再会した時のちーちゃんが現れた。
根須戸智是「しゅーちゃん、言ってくれたのに」

〇ハイテクな学校
  僕はまたちーちゃんとが指切りをしていた。
  でも実体のないちーちゃんの指は、僕の指をすりぬけた。
根須戸智是「これ、やっぱりせつないね」
久常紫雲「会いに行くよ。約束する」
根須戸智是「・・・うん」

〇白
根須戸智是「私に会いに来てくれるって、約束。 もう無理なんだね・・・」
久常紫雲「ちーちゃん!」

〇倉庫の搬入口
ナイトウォッチ「・・・・・・」
バステト「蘇生剤、医療マイクロマシン、限界量を投与。ラストシークエンス、電圧最大。3、2、1・・・ショック!」

〇白
根須戸智是「しゅーちゃん・・・さようなら」
久常紫雲「待って、待ってってば!」

〇殺人現場
  ビルから飛び降りた僕の身体が、腕から伸びたワイヤーで吊られて止まった。
久常紫雲「ほら。死ななかった」
根須戸智是「馬鹿! あと少し遅れてたら・・・!」
久常紫雲「君と一緒なら、僕は死なないよ」
  ちーちゃんは呆れて、微苦笑を浮かべた。
根須戸智是「・・・わかった。約束、だよ」

〇白
久常紫雲「僕は君と、約束したんだ!!!」
根須戸智是「・・・じゃあ、立ってよ! しゅーちゃん!」

〇倉庫の搬入口
ナイトウォッチ「・・・!」
  僕の心臓がドクンと脈打った。
バステト「反応あり。意識レベル上昇。 ・・・紫雲。聞こえますか。紫雲」
  僕は意識を取り戻した。
ナイトウォッチ「あ、あぁ・・・」
  すこし離れたところで、パワードスーツ
  を着込んだ世渡が笑っている。
世渡刃「ははは。いいね。すげぇ根性だ。 気に入った。感動的じゃねぇか。なぁ?」
ゼニス兵「はぁ・・・」
  世渡の背後にはゼニス兵たちと、2台の自律多脚戦車。おまけにNIGHT WATCHが控えている。
ナイトウォッチ「・・・うぅ・・・」
  僕はよろよろと立ちあがる。体が重い。
  世渡がNIGHT WATCHに目配せをした。
世渡刃「おい。捕らえろ。今度は優しくな」
NIGHT WATCH「・・・・・・」
  NIGHT WATCHが距離を詰めてくる。
ナイトウォッチ「ごほっ、ごほっ。・・・状況、やっぱり最悪なまま・・・か」
パステト「蘇生できたのは幸運でした。投降をお勧めします。生存確率は、その方が」
ナイトウォッチ「ありがとう。でも、戦う。 ・・・なんとか、動けそうだ」
パステト「薬とマイクロマシンの効果による錯覚です。勝ち目はありません」
ナイトウォッチ「ああいうAIとは前にも戦ったこと・・・あるんだよね」
  僕の脳裏に「ヴィラン・ハンター」最強の敵「BadBat」の姿がよぎった。
  僕は両手を挙げて降伏ポーズをとった。
世渡刃「・・・案外聞き分けいいな。呆気ねぇ」

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