想い重ねてミルフィーユ

うさぎ

エピソード1(脚本)

想い重ねてミルフィーユ

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〇可愛らしい部屋
  ねぇ、夏休み海行かない?
  いいね!水着買い行こ〜
小森 柚葉(海かぁー。かき氷にイカ焼き、タコ焼き、焼きそば。なんか焼いてばっかりだな。ふふっ、楽しそ!)
小森 柚葉「いいよ、っと」
  佐伯先輩も来るって
  柚葉よかったじゃん!
  可愛い水着で誘惑しちゃえ〜笑
小森 柚葉「えーーーっ!?」

〇一戸建て
高木 湊「チッ、雨降ってきやがった」
  えーーーっ!?
高木 湊「うおっ、なんだ!?」

〇白いバスルーム
  憧れの先輩と海。
  なんて、夢みたいなイベントを目前に
小森 柚葉「嘘でしょ・・・」
  久しぶりに乗った体重計は、見たことのない数字を示していた。
小森 柚葉(たしかに、最近食べすぎかも?新作のアイスは全部試したし、夜食ないとテスト勉強頑張れないし。でも・・・)
小森 柚葉「よしっ!決めた!」

〇おしゃれなリビングダイニング
  柚葉はバンッと勢いよく入ってくるなり
小森 柚葉「ママ!私ダイエットするから!」
高木 湊「よぉ、子ブタちゃん」
  そこには幼馴染の湊がいた。
小森 柚葉「もう、子ブタって呼ばないでよ!」
高木 湊「なんだよ、エサ持ってきてやったんだから喜べよ」
小森 柚葉「わぁ!これ湊ママの?」
高木 湊「試作品、持ってけって」
  母親が製菓学校の同級生で、二人は兄妹のように育ってきた。
  いくら食べても太らない湊に対して、柚葉はすぐ顔が丸くなる。
小森 柚葉(でも湊ママのお店のケーキ大好きなんだぁ〜)
小森 柚葉「って、エサって言った!?!?」
高木 湊「いいから、食えよ。感想」
  湊はいつも感想を聞くまで帰らない。
  柚葉はバンッと湊の前に手をついて、2回目の宣言をする。
小森 柚葉「私!ダイエットするから!痩せるまでおやつ食べない!」
小森 柚葉「ママ!お弁当サラダにして!夜もいらない!」
高木 湊「おいおい、そんな急に食わないと体壊すぞ?それより運動しろよ」
小森 柚葉「運動もするもん!」
高木 湊「いつまで続くかなー?」
小森 柚葉「夏休みまでに痩せるの!可愛い水着で海行くんだから!」
高木 湊「どうせいつものメンバーだろ、今更」
小森 柚葉「違うもん!綺麗になって佐伯先輩に告白する!」
高木 湊「なッ」
小森 柚葉「だから、ダイエット邪魔しないで!」
高木 湊「チッ、なんだよそれ」

〇教室
小森 柚葉「お腹空いた・・・」
美咲「まだサラダだけなの?」
かな「やば!モデルじゃん? はい、チョコ食べな〜」
小森 柚葉「うぅ〜やめて〜 がんばって痩せて、可愛い水着で、私は・・・」
かな「佐伯先輩に告る?」
小森 柚葉「うぅ〜無理な気がする〜 ダイエットも恋愛も向いてないよ〜」
かな「柚葉の魅力はこのもちもちほっぺなのに〜」
  かなが柚葉の頬をむにっと掴むと、美咲もつんつんと指でつついた。
美咲「そうそう、これがいいのに」
かな「あ、パフェでも食べて気合い入れる?」
  かなのスマホには、お気に入りのカフェの新作パフェが映っていた。
小森 柚葉「わ!私、帰る!」
かな「やっぱこれでもダメか」

〇可愛らしい部屋
小森 柚葉(勉強もやる気出ないし、友達の誘いも断っちゃった)
  スマホの通知音が鳴るが、柚葉は手に取る気配もない。
  ベッドでただ寝転がっていると、ノックもなくドアが開いた。
高木 湊「よぉ、子ブタちゃん。エサだぞ〜」
  柚葉は無視をして壁の方を向く。
高木 湊「なんだよ。ローカロリーなおやつ持ってきてやったのに」
高木 湊「とにかく、食え!感想聞かないと母さんがうっせぇの」
  湊は柚葉を無理やり起こそうと、肩に手をかけた。
小森 柚葉「いらないってば!なんでみんな協力してくれないの!?」
  柚葉が勢いよく起き上がったので、湊の持っていた箱に手が当たり、お菓子が床に落ちた。
  それは緑やピンク、黄色など。優しい色をした動物型のクッキーだった。
小森 柚葉「と、とにかく・・・いらないから。湊が食べればいいでしょ」
  柚葉は気まずい空気に耐えきれず、部屋を飛び出した。
高木 湊「協力・・・できるわけねぇだろ。他の男に告るなんて」
  湊は緑色のキリンを拾うと、口に入れた。
高木 湊「ちゃんとうめぇよな・・・」

〇田舎の公園
  公園のベンチに座っていると、どんどん日が暮れて誰もいなくなった。
小森 柚葉(スマホ置きっぱなしだ。ママ心配してるかな)
小森 柚葉(何やってんだろう、私。湊にも酷いことした)
高木 湊「泣くくらいなら、ダイエットなんかすんなよ」
小森 柚葉「えっ、湊?なんでここに」
高木 湊「なんかあると、お前はいつもここ来てただろ」
高木 湊「クレープ屋さんがよく来るからって」
小森 柚葉「うっ・・・」
高木 湊「なぁ。そんなに、そいつのこと好き?」
小森 柚葉「えっ、な、なに!?何の話!?」
高木 湊「大好きなおやつ我慢してまで告白したいってことだろ? どこが好きなんだよ」
小森 柚葉「わっ、えっと、」
高木 湊「どうせ優しくされたから、とかだろ?」
小森 柚葉「別に、なんだっていいでしょ!」
高木 湊「俺だって優しくしてるだろ!?」
高木 湊「お前がお菓子好きだから母さんに習っていろいろ作ってさ」
小森 柚葉「えっ!?」
  湊はどかりと柚葉の隣に腰掛け、持っていた箱を突き出す。
高木 湊「これだって・・・せっかくローカロリーのやつ調べて野菜クッキー作ったのによ」
小森 柚葉「ええっ、湊ママのお菓子じゃなかったの!?」
高木 湊「悪かったな、母さんのじゃなくて」
  箱を開け、湊は黄色のクマを摘んでばくりと食べた。
小森 柚葉「えっ、なんで」
高木 湊「好きなんだよ!お前が、幸せそうにおやつ食ってんのが!」
小森 柚葉「うそ、」
高木 湊「なぁ、夏休み終わるまで告白待って。 それまでに絶対、俺のこと好きにさせるから」
小森 柚葉「えっ!今までずっと一緒にいたのに」
高木 湊「うるさい。これでも食っとけ」
  湊はピンク色のネコをくわえると柚葉の唇に押し付けた。
小森 柚葉「んぐっ、」
  柚葉の口にクッキーを押し込むと、湊はすぐに立ち上がってそっぽを向いた。
高木 湊「とにかく、他の男に告白すんなよ!」
高木 湊「あと、それちゃんと全部食って感想言いに来い」
高木 湊「じゃあな!」
  暗くてよく分からなかったが、湊の顔は真っ赤だった気がするし、柚葉も顔から火が出そうなくらいに熱くなっているのを感じた。

コメント

  • とっても可愛い恋模様にキュンとしますね!痩せてキレイになりたいという乙女心と、おいしそうに食べるところが好きという恋心、読んでいてたまらないです。

  • いっぱい食べる君が好き〜って感じで、彼はおいしそうに食べる彼女が大好きなんですね。ダイエットをしなくても、ありのままで、モグモグ食べてる自分を好きって言ってくれる人とのほうが、うまくいきそうだし、毎日幸せに暮らせそう。

  • 灯台下暗しという柚葉ちゃんだけど、彼女の乙女心もすごくわかります。友達がいうように、女の子は痩せていたら可愛いという理論は大して成り立たないんですよね。すこしぽっちゃりしていても、愛らしい柚葉ちゃんだから彼も好きなんだと思います。

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