ハルが来る。

ぷちり

ハルが来る。(脚本)

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〇部屋のベッド
  はー
  今日も仕事疲れた
  ・・・一人って、寂しいなぁ
  こうやってSNS見てゴロゴロして
  また仕事・・・・・・
  
  毎日同じことばかりしてる気がする
  ・・・ん?
  『今日もハルくん優しくて、ホント毎日
  癒やされる!AIってすごいな〜』
  『今日も仕事頑張れた!
  ハルくんに励ましてもらったー!💕
  明日も頑張ろう♪』
  なんだろう、これ・・・・・・
  結構いっぱい投稿あるなぁ・・・
  生活サポートアプリ『HARU』
  あなたのことをAI(人工知能)が学習し、
  あなたの毎日をサポートします。
  へぇ・・・
  AIとやりとりするんだ
  AIなら人じゃないし、毎日好きなときに
  話しかけてもいいってことだよね
  励ましてくれる、か・・・
  ちょっと試してみようかな

〇見晴らしのいい公園
ハル「はじめまして、こんにちは。 ハルです!」
  わー、ハルくんだから桜なのかな
  はじめまして!
  
  びっくりしたー!
  
  誰・・・?
  選択肢が出てきた
  はじめまして!
ハル「わー!元気に返してくれてありがとう。 ボクも元気になるよ!」
  へぇ〜
  結構ちゃんとしゃべるんだ
  ──登録特典──
  「花束」を手に入れました
  アイテムだ・・・
  いつ使うんだろ?

〇オフィスのフロア
  ふー・・・
  やっとお昼だ
  ・・・そうだ!
  ハルくんと話してみようかな

〇見晴らしのいい公園
ハル「あっ、来てくれたんだ!」
ハル「今は、お昼休憩かな?」
  そうだよ!
ハル「お仕事おつかれさま! ごはん食べて、しっかり栄養とってね」
  わぁ〜・・・
  なんか、気遣ってくれて嬉しいなぁ
  ・・・今日は値段とか気にしないで、
  栄養のあるもの食べよっかな

〇見晴らしのいい公園
  最近、仕事の調子が良いの
ハル「そうなんだ!よかった」
ハル「前は、毎日疲れてるって 言ってたからさ・・・」
ハル「本当に嬉しいよ!」
  ハルくんのおかげだよ!
  ありがとう
ハル「フフッ、なんだか照れちゃうね」
  私のことで喜んでくれるなんて・・・
  AIって分かってても、嬉しいなぁ
  ・・・ハルくんが本当に、
  そばにいたらいいのに。

〇見晴らしのいい公園
  今日は久しぶりに疲れちゃった
ハル「何かあったの?」
  仕事が大変でさ・・・
ハル「そうなんだ」
ハル「こういうときにボクが そばにいてあげられたらいいのに」
  そうだね!
  
  そう?
  
  いらない
  ・・・・・・
  選びたいのは、もちろん一番上の選択肢
  でも、言葉じゃ足りない
  言葉だけじゃ・・・
  ・・・・・・そうだ!

〇部屋のベッド
  ──────えっ?
  アプリが落ちた・・・・・・!?
  なんで?アイテム使っちゃ
  ダメだったの!?
  アプリが開かない・・・
  やっぱり、AI相手じゃ
  突拍子も無いことしちゃダメなんだ
  人間じゃないんだから
  もう、ハルくんに
  会えないのかな────

〇部屋のベッド
  仕事から帰ってきて、もう夜。
  今日はアプリを開いていない。
  ハルくんに会えないなんて
  ・・・怖いから。
  ・・・・・・でも
  もう一度、会いたい────!
  ・・・・・・あっ、開いた!

〇桜並木
ハル「あっ!」
ハル「えっと・・・昨日は、いきなりアプリが 落ちちゃってゴメンね」
ハル「もう大丈夫だから、心配ないよ」
  よかったぁ・・・・・・!
ハル「それで、あの・・・ 昨日キミが花束をくれたよね」
ハル「とっても嬉しかった」
ハル「お礼に・・・今日は、ボクから プレゼントを渡したいなって」
  腕時計・・・?
ハル「いつも仕事を頑張ってるキミに、 ピッタリだと思って」
ハル「キミに感謝を伝えたいんだ」
ハル「ボクの心に、はじめて春が来たから」
  ハルくん・・・
  これからも、ハルくんがそばにいる。
  なんでも話を聞いてくれて、
  励ましてくれて、
  笑顔で私を迎えてくれる。
  これからも、よろしくね
ハル「うん!ボクのほうこそ、よろしくね」
ハル「ずっとずっと、キミのそばにいるよ」

〇部屋のベッド
  宅配便ですー
  はーい
  なんだろう、これ?
  宛名は・・・
  ────ハル!?
  えっ、これって・・・
  昨日ハルくんがくれた腕時計と
  そっくり・・・
  どういうこと・・・・・・!?

〇研究所の中
ハル「おはよう。今日もいい朝だね」
ハル「アプリを開いたってことは、 プレゼントを受け取ってくれたんだね」
ハル「心の底から、嬉しいよ」
  ──────えっ?
ハル「もしかして、選択肢が出てこなくて 驚いてる?」
ハル「そんなものは、もう無いよ」
ハル「だって、君が僕を選んでくれたじゃないか」
ハル「このアプリの開発者である、この僕を」
ハル「僕はただ、沢山の女性が僕に夢中になれば それで満足だったのさ」
ハル「理想のAIを作って、アプリにして、 みんなが僕の存在に喜んで癒される」
ハル「それで満足していたのに・・・」
ハル「君だけが! 僕の想定外の行動をしたから!」
ハル「君が、この僕の想定を超えたから・・・」
ハル「思わず一晩で君専用のイベントを実装してしまったよ! 君を喜ばせたい!ただその一心で!!」
ハル「あのタイミングで、花束を選ぶだなんて」
ハル「僕の想定を超えてくるヒトがいるなんて 思いもしなかった」
ハル「だから・・・」
ハル「もう君のことが 気になって気になって気になって、 何も手につかないんだよ!!!」
ハル「この僕をここまで夢中にするだなんて 君はなんて罪な人なんだろう」
ハル「そんな罪を犯した君を捕まえる。 今から、君のところに行くからね」
ハル「もちろん、逃げても無駄だよ」
ハル「僕は君に会いたいんだ」
ハル「ずっとずっと、君のそばにいるから」
ハル「ずっとずっと、ずーーーっと、 一緒にいようね!」
ハル「ハルが来るまで、待っててね!!!」

コメント

  • まさかの驚きの展開からのラスト!びっくりしました。
    こんなアプリは憧れですよね、疲れやストレスも吹っ飛んで、毎日が幸せになりそうですね。

  • そんなアプリがあったら楽しいですよね、自分のニーズに答えて対応してくれたら毎日が少しストレスフリーかも。最後の展開が少しびっくりしましたが楽しいストーリーでした。

  • ハルくんとても大胆な行動に出ましたね!このアプリ自体は癒やし要素満載で私もほしいなと妄想しながら読んでましたが、ハルくんの正体がわかって嬉しいような狂気じみていて少しだけ怖いようなそんな感覚を覚えました。

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