79億分の1のキュン

要 九十九

キュンとは何か?(脚本)

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〇女の子の部屋(グッズ無し)
  キュンとは
  胸が締め付けられるような
  ときめく感情を表した表現
???「なるほど」
???「知りたい・・・」

〇学校の校舎
???(さーて 今日も太郎の所行くか)
???「いた!」
???「高山大輝さんですよね?」
高山 大輝「そ、そうですが」
小日向 美咲「私、後輩の小日向美咲と言います 今日は先輩にお願いがあって来ました!」
小日向 美咲「私に」
小日向 美咲「キュンを教えてください!」
高山 大輝(こっわ)
高山 大輝(何、この状況? この娘初対面だよね?)
高山 大輝「お、おつかれー」
小日向 美咲「華麗にスルーしないで下さい!」
高山 大輝「ダメか」
小日向 美咲「返事をお願いします」
高山 大輝「イヤだけど」
小日向 美咲「即答!?」
小日向 美咲「そう言わずにお願いしますよぉ」
高山 大輝「よく分からんし イヤだ」
高山 大輝「じゃ俺用事あるんで」
小日向 美咲「あっ」
小日向 美咲「諦めません」

〇学校の校舎
小日向 美咲「先輩」
小日向 美咲「キュンを教えてください」

〇渋谷駅前
小日向 美咲「キュンを教えてください!」

〇広い改札
小日向 美咲「先輩キュンを!」

〇駅のホーム
小日向 美咲「キュンを」
高山 大輝「キュンキュンうるせぇ!」
小日向 美咲「そこを何とか」
高山 大輝「イヤなものはイヤだ」
小日向 美咲「これで何とか」
高山 大輝「・・・」
高山 大輝「ま、まぁ」
高山 大輝「話ぐらいは聞いてやっても」

〇駅のホーム
小日向 美咲「先輩?」
高山 大輝「それで?」
小日向 美咲「キュンの言葉の意味は 理解したんですが 自分で体験してみたくて」
高山 大輝「それは分かったけど何で俺なんだ?」
小日向 美咲「そ、それは」
小日向 美咲「せ、先輩がクラスでも 人気のイケメンだからです」
高山 大輝(急に歯切れが悪いな)
高山 大輝「はぁ」
高山 大輝「手伝うよ」
小日向 美咲「本当ですか」
高山 大輝「これも貰ったしな」
高山 大輝(断ってもまた来そうだからなぁ)
小日向 美咲「ありがとうございます」
小日向 美咲「とりあえず今日は連絡先だけ交換して 明日からお願いします」

〇駅のホーム
???(高山先輩)
???(あの娘)

〇渋谷駅前
小日向 美咲「キュンを教えて貰うにはどうすればいいか」
小日向 美咲「そこで私が考えたのが」
小日向 美咲「キュン再現です」
高山 大輝「キュン再現?」
小日向 美咲「私が調べて来たキュンとする行動を」
小日向 美咲「先輩にやって貰って」
小日向 美咲「私が体験するというものです」
小日向 美咲「ではよろしくお願いします」
高山 大輝「分かったよ」

〇渋谷駅前
  キュン再現1
  頭ポンポン
  ポン
  ポン
小日向 美咲「髪型乱れるんで止めて貰えますか?」
高山 大輝「やらせたのに!?」

〇渋谷駅前
  キュン再現2
  壁ドン
小日向 美咲「張り手ですか?」
高山 大輝「相撲の稽古じゃねーから」

〇渋谷駅前
  キュン再現3
  タバコを吸う姿
小日向 美咲「タバコの代わりを用意しました」
  すー
  はー
  すー
高山 大輝「もっと他になかった!?」

〇渋谷駅前
  キュン再現4
  腕まくりと腕の筋肉
小日向 美咲「これは中々」
小日向 美咲「柔らかさの中に硬さもある」
小日向 美咲「とても柔軟な筋肉ですねぇ」
小日向 美咲「この血管もまた」
高山 大輝「筋肉ソムリエ!?」
高山 大輝「怖いから止めて」

〇渋谷駅前
小日向 美咲「ピンと来ないなぁ」
高山 大輝(休日にこんな場所で 何やってるんだ俺)
小日向 美咲「残りはまた学校で」
高山 大輝「まだ続くの!?」

〇川に架かる橋の下
高山 大輝(疲れた)
高山 大輝(また誰かがご飯を)
???「わん」
高山 大輝「太郎!」
高山 大輝「元気だったかぁ!」
高山 大輝「よーしよしよしよしっ!」
高山 大輝「いつもごめんなぁ」
高山 大輝「ペット禁止じゃなければ 連れて帰るのに」
太郎「わんわん」
高山 大輝「お前は本当にいい子だなぁ」
太郎「わん」
高山 大輝「可愛い」
高山 大輝「本当に可愛いでちゅね~」
小日向 美咲「せーんぱい」
高山 大輝「俺を殺せぇ!」
小日向 美咲「イヤですよ」
高山 大輝「付けてきたのか?」
小日向 美咲「違います」
小日向 美咲「先輩は私を何だと思ってるんですか」
小日向 美咲「それです」
高山 大輝「これ小日向だったのか」
高山 大輝「もしかして」
小日向 美咲「はい」
小日向 美咲「ここで何度か先輩を見ました」
小日向 美咲「太郎ちゃんへの反応を見て 先輩なら手伝ってくれるかなと」
高山 大輝「それが本当の理由か」

〇川に架かる橋の下
小日向 美咲「よしよし いい子だねぇ」
高山 大輝「なぁ」
高山 大輝「何でそんなに知りたがるんだ?」
小日向 美咲「・・・」
小日向 美咲「昔の話です」

〇田舎のショッピングモール
小日向 美咲「買い物帰りの私の前で」
小日向 美咲「見知らぬ海外の方が倒れたんです」
小日向 美咲「急いで駆け寄った私に」
小日向 美咲「その人は何かを呟きました」
小日向 美咲「ですが、語学が堪能ではなかった 私には何と言っているか 分からなかったんです」

〇川に架かる橋の下
小日向 美咲「何とかその人は 一命を取り留めたんですが」
小日向 美咲「後になってあの呟きが 家族への最後の言葉だと知って」
小日向 美咲「私は恐怖で震えました」
小日向 美咲「私が知らなかったせいで」
小日向 美咲「あの人が大事な家族に宛てた 最後の言葉が」
小日向 美咲「消えてなくなる所だった」
高山 大輝「それは・・・」
小日向 美咲「それからです」
小日向 美咲「知らない事を何でも知りたくなったのは」
小日向 美咲「気になる事ほど自分で体験もしたくなって」
高山 大輝「なるほどな」
小日向 美咲「だからまた学校でも キュン再現よろしくです」
高山 大輝「はぁ」
高山 大輝「分かったよ」

〇学校の校舎
高山 大輝(今日は小日向いない?)
高山 大輝(まぁまた連絡来るだろうし 太郎の所へ行くか)
???「高山先輩」

〇学校の校舎
小日向 美咲(今日は少し遅くなっちゃった)
小日向 美咲(まだ先輩いるかな?)
小日向 美咲(いた)
小日向 美咲(あれ)
小日向 美咲(同じクラスの一ノ清さん?)

〇学校の校舎
一ノ清 七海「初めまして一ノ清七海と言います」
高山 大輝「初めまして」
高山 大輝「まさかまた キュンを教えてって話?」
一ノ清 七海「キュン?」
高山 大輝「違うか」
高山 大輝「で何だ?」
一ノ清 七海「実は折り入って先輩に話が」
一ノ清 七海「小日向美咲の話です」
高山 大輝「小日向?」
一ノ清 七海「あの女は止めた方がいいです」
一ノ清 七海「恥ずかしげもなく 何でもかんでも色んな人に聞いて」
一ノ清 七海「知るためなら」
一ノ清 七海「相手の迷惑も考えずに巻き込んで」
一ノ清 七海「自分の目的の為に人を利用する」
一ノ清 七海「そういう最低な女なんです」
高山 大輝「それで俺にどうしろと?」
一ノ清 七海「先輩にはあんな女相応しくないです」
一ノ清 七海「だからもう会わないで下さい」
高山 大輝「あのなぁ」
高山 大輝「確かに小日向には お前の言うような部分もあるのかも知れない」
高山 大輝「だけど」
高山 大輝「本当に恥ずかしいのは」
高山 大輝「無知な事でも」
高山 大輝「誰かに聞くことでもない」
高山 大輝「何となく知った気になったり」
高山 大輝「目の前にある当たり前を 考えずに受け入れる」
高山 大輝「そんな知ろうとしない 行動そのものなんだよ」
高山 大輝「だからアイツを知ろうとしていない」
高山 大輝「そんなお前の言葉を聞く気はねぇ」
高山 大輝「帰れ」
高山 大輝(腹が立ったとは言え 言い過ぎたな)
小日向 美咲「せーんぱい」
高山 大輝「お前聞いてたのか?」
小日向 美咲「はい」
小日向 美咲「私分かりました」
高山 大輝「何を?」
小日向 美咲「世界中の誰がキュンを再現しても」
小日向 美咲「きっと私には響かない」
小日向 美咲「たった1人だけなんです」
高山 大輝「それは誰なんだ?」
小日向 美咲「私の好きな人です」
高山 大輝「好きな人いたのか」
小日向 美咲「あ、でもキュン再現には 今後も協力して下さいね」
高山 大輝「何で!?」
小日向 美咲「駄目ですか?」
小日向 美咲「私といるの楽しくないです?」
高山 大輝「べ、別に楽しくねぇとは」
小日向 美咲「・・・としました」
高山 大輝「何て?」
小日向 美咲「何でもないです」
小日向 美咲「さぁさぁ一ノ清さんを追いかけますよ」
高山 大輝「いいのか?」
小日向 美咲「はい」
小日向 美咲「私にも悪い部分がありましたからね」
小日向 美咲「それに」
小日向 美咲「共通した好きな者があるので 気が合うかも」
高山 大輝「好きな物?」
小日向 美咲「秘密です」
小日向 美咲「これからもよろしくお願いしますね」
小日向 美咲「先輩」
高山 大輝「おう」
  おしまい

コメント

  • キュンともしないしピンともこないのにシュンともケチョンともならずにビュンビュンかっ飛ばす美咲の強心臓はあっぱれ。人間には「知る」だけじゃなく「感じる」ことも大切だと、大輝のような大切な人との付き合いで少しずつ学んでいけたらいいですね。

  • テンポ良く軽妙な展開で、楽しく読ませてもらいました。キュン再現のところは笑ってしまいました。コメディタッチで展開しているのにラストはしっかりラブストーリーしているところに感服です!

  • めっちゃかっこいいこと言うじゃないですか…。
    確かに理想だけではどうにもならないこともありますが、ただ知りたいって欲求を満たすことに対しては悪を感じるのはズレている気はします!ただの嫉妬心で行動するのもよくありませんよね。

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