私の小さな恋人は大学生?

となりの坊主

エピソード1(脚本)

私の小さな恋人は大学生?

となりの坊主

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〇シックなリビング
・・・「君が好き。全世界を敵にまわしても、気持ちは変わらない。僕は君が好きなんだ」
幸子(ダメよ。でも私も好き。あなたが好き)
幸子「キャーもうダメダメ!!」
翔太「あっ、ママ、また、カンチョー見てる!!」
幸子「かんりゅうだから、韓流。いいのいいの。パパがあんなんだし、現実逃避よ」
翔太「ゲンジツトウヒ?」
パパ「うん?なんか言ったか?」
  私の毎日はいつもこう。家事に子育てに追われ、夫とは、もう何年もご無沙汰。そんな私の唯一の癒しが韓流ドラマだった。
  スクリーンに映る王子様に、私はトキメキを求めていた。
  そんなある日のことだった。
幸子「あ~頭が痛い。悪いけど、ちょっと横になるね」
パパ「風邪か??」
翔太「ママ、どうしたの?」

〇部屋のベッド
  どれくらい眠っていたのだろう。変な胸騒ぎがして、目が覚めると、そこには・・・
イケメン「・・・」
幸子(えっ誰?まだ夢? メッチャかっこいいんですけど♡)
イケメン「起きた?もう大丈夫?」
幸子「えっ!?」
  すると、突然、イケメンが顔を近づけてきて、私の額に額を当てる
イケメン「熱はないね」
幸子「えっ!?」
パパ「おー起きたか?翔太も心配してたぞ」
幸子「あっ翔太は?翔太はどこ?」
パパ「はっ?まだ寝ぼけてるのか? 隣にいるじゃん」
幸子「えっ、このイケメンが翔太?! どういうこと?」
イケメン「大丈夫だよ。ここにいる。ずっと、そばにいる。だって大好きだもん!!ママのこと」
幸子「えっママ?」
幸子(なに? この状況!? 5歳の翔太が、大学生にしか見えないんですけど。まだ私・・・夢の中なの?)
イケメン「ねっ、今日は一緒に寝ていーい?本当はずっと、そうしたかったんだ!!」
幸子「えっ?!」
イケメン「ダメ?」
幸子「いい、いいわよ」
幸子(これは夢ね。だったら、お願い、覚めないで!!)
  次の日
  私の横には変わらず、イケメンがいた
イケメンくん(翔太)「おはよう」
幸子「おっおはよう」
幸子(ダメだ。ドラマの見過ぎで、私、おかしくなったのかも・・ パパには普通に見えているみたいだし、どうしよう?)
イケメンくん(翔太)「そうだ。今日スーパー行くよね。僕も行く!!」

〇スーパーマーケット
幸子(ダメだ。周りの目が気になる。 みんな、翔太のことは普通(5歳)に見えてるみたいだけど・・・)
幸子(私には・・・。 人妻とイケメン大学生!? ダメだ。意識したら緊張しちゃう)
イケメンくん(翔太)「荷物持ってあげよっか??」
幸子「えっ、あっでも重いよ」
イケメンくん(翔太)「大丈夫だよ」
幸子「あっありがとう」
イケメンくん(翔太)「いいよ。だって役に立ちたいもん。好きだから」
幸子(キャー!!なに?5歳の息子のはずのなに、見た目が大学生だから、キュンキュンしちゃうですけど・・・)

〇シックなリビング
イケメンくん(翔太)「ただいまー」
パパ「おかえり」
幸子(ダメだ。この状況、心が持たない)
幸子「あ~疲れた~」
イケメンくん(翔太)「どうしたの?」
幸子「あっごめん。大丈夫よ」
幸子(しまった!心の声が漏れちゃった)
  チュッ!!
幸子「えっ!?」
イケメンくん(翔太)「元気になるおまじない!!でも無理はダメだよ」
幸子(バッグハグからのキス、キターーーー!! やばい、たおれそう♡)
  それ以来、どう見ても、大学生にしか見えない、5歳の息子に
  私は心を奪われるのだった

〇シックなリビング
イケメンくん(翔太)「あれっ、今日なんか違う?? かわいい!!」
幸子「えっ!?メイク少し変えたの!よくわかったね。 パパなんて全然わかんなかったのに」
イケメンくん(翔太)「わかるよ。だって、いつも見てるもん。 昨日も可愛かったけど、今日はもっと可愛いよ」
  映画を見て、感動して泣いちゃったときは・・・
イケメンくん(翔太)「泣きたいときには泣いていんだよ。 ほらっ我慢しないで!! ハンカチ、いつでも貸すから」
  そんな日が一週間は続いたある日だった
パパ「もうすぐ翔太の誕生日だろ?サチが前に、翔太に似合う靴を見つけたと言ってたけど、それでいいか?」
幸子「えっ・・。うん」
幸子(あれ?翔太の顔が思い出せない。 出てくるのは、あのイケメンくんの顔だけ)
パパ「うん?どうかした?」
幸子「何でもないよ、アハハッ」
幸子(イケメンに浮かれて、息子の本当の顔が思い出せないなんて、言えるわけがない)
幸子(あーダメだ。思い出せない。親として最悪じゃん!!)
幸子「お願い。戻ってきて、私の翔太ちゃん!!」
・・・「ママ―!!」
幸子「翔太?」
幸子(ダメだ。戻ってない)
イケメンくん(翔太)「ママさ、最近変わったよね」
幸子「えっ何が?」
イケメンくん(翔太)「前は服もいつもパーカーだったのに、綺麗な服ばっかだし」
幸子(あっそれは・・・イケメンのあなたが横にいるから・・・)
イケメンくん(翔太)「化粧もバッチシだし、カワイイ。ねっパパ?」
パパ「えっ?うん。たしかに、最近、いい感じだよ」
幸子「えっ、なにパパまで・・・」
パパ「本当のことだよ」
幸子「嬉しい。久しぶりに、パパから聞いた、そんな甘い言葉」
イケメンくん(翔太)「パパもママもいい感じ!! それに・・・」
イケメンくん(翔太)「ちゃんと見てるから。いつも頑張ってくれていること。知ってるから。 だから、ホント、いつも、ありがとね。 サチ・・・」
幸子「えっサチ??」
イケメンくん(翔太)「エヘッ、パパのマネ~!!」
  久しぶりに感じる家族の幸せだった
  あとは私の目が・・・。
  おねがい。神様。翔太を返して。
  もうイケメンくんとは、サヨナラでいいから!!

〇シックなリビング
  次の日
・・・「ママ、おはよう」
幸子「翔太?」
幸子「戻ってる!!やった~」
翔太「どうしたの、ママ?」
幸子「ううん。いいの。 翔太が大きくなって、イケメンくんになるのを楽しみに待ってる。 ねっ私の小さな恋人さん」

〇住宅街の道
  あれから13年・・・
イケメン「行ってくるよ。またあとでね。 母さん、いつもありがとう!!」
ママ「行ってらっしゃい」
18歳の翔太「じゃー行ってくる。あ~お腹空いたな~」
幸子「はいはい。行ってらっしゃい」
幸子(はぁ~お隣さんとは大違い。 どこで成長を間違えちゃったのかしら・・・)
幸子「あーーーやっぱりイケメンくん、戻ってきてー!!」

コメント

  • ダンナさんとの関係でトキメキが無くなってきたら、アイドルとか二次元とかに求めたくなりますよねw そんな中での息子のイケメン化!幸せと戸惑いで大変でしょうね。オチの見事さに吹いてしまいました!

  • 奥さんめちゃ突っ走ってましたね!笑
    息子がイケメンだったら…夢なら楽しいかもしれませんが、夢はいずれ覚めるものですよね。
    でも、ちゃんとおしゃれすると、旦那さんもときめいてくれますよ!

  • 家事や育児で多忙の毎日を送っているうち、自分のことにかまうことなく…
    将来、息子がイケメンになったら?ときめいてしまいそう。最後のオチは、そうなるんだ!でした

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