天使の誘惑

彩京みゆき

エピソード1(脚本)

天使の誘惑

彩京みゆき

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〇テーブル席
サナ(どうしてこうなったの!? 有名俳優と二人きりで食事!!)

〇街中の道路
サナ(キッカケは 私が声をかけたことから)
サナ(道に迷ってる?みたいな キョロキョロした人、発見)
サナ「あのう・・・ お困りですか?」
サナ(和装? 珍しいなぁ)
ユウト「えっ・・・!?」
サナ(綺麗なお顔の人だな でも めっちゃ警戒してる!?)
サナ「怪しい者じゃありません・・・ ただ性格上、困ってる人を放っておけなくて」
ユウト「・・・」
ユウト「それはご親切にありがとう」
ユウト「もしかして 君はこの顔に見覚えは、無い?」
サナ「どこかでお会いしましたっけ?」
サナ(ナンパ? ・・・なわけ無いよね?)
ユウト「気に入った」
ユウト「ここら辺でランチに良さそうなお店って知らない? なるべく静かな」
サナ「ここら辺ですと・・・」
ユウト「案内してくれる? ご馳走するから」

〇空
(その綺麗な人は 私を強引に連れ出した)

〇繁華な通り
通行人「ユウトじゃない?」
通行人2「まさか こんなところに?」
サナ(え? この人?)
ユウト「ちょっとこの扮装じゃ 目立っちゃうな 悪いけど、ランチの前に 洋服屋かな?」
サナ「えっ!?」

〇試着室
ユウト「うん 悪くない」
サナ「別人みたい!」

〇空
(街の看板に 彼のポスターを見かけた)

〇テーブル席
  壁の奥の目隠しになった席に座る2人
ユウト「サナちゃんはいつもここに来るの?」
サナ(名前呼び ドキっとするなぁ)
サナ「こんなオシャレなところは たまにですね」
ユウト「さっきので さすがに気づいたよね?」
サナ「私ぜんぜん有名人知らなくって ごめんなさい」
ユウト「ううん その方が気が楽だから」
ユウト「さっきのは衣装ね さすがに窮屈だった」
ユウト「撮影の空き時間とか たまにこんな風に 一人でフラッとね」
ユウト「マネージャーに注意されるんだけど この世界も息苦しくてね 抜け出したくなるんだ、時々・・・」
ユウト「君は警戒心が全然無いんだね」
サナ「家が飲食店をやってるので いつも人の出入りがあって お陰様であまり人見知りせずに育ちました」
ユウト「いいな そういうとこ。 羨ましい」
サナ「いえいえ 私に羨ましい要素なんて・・・」
ユウト「まっさらな、 誰も足を踏み入れていない雪原みたいだ」
ユウト「そんな様子じゃ 色んな事に巻き込まれるんじゃない? あまり人を警戒しなさ過ぎても」
ユウト「パクっと、 食べられちゃうよ・・・」

〇幻想空間
  ユウトが、サナにキスをする。

〇テーブル席
サナ「!!! えっ えええっ!?」
サナ「何するんですかっ!? いきなりっ!!」
  ユウトのスマホが鳴る。
ユウト「あ、ごめん 呼び出しっ」
ユウト「ありがとう 『またねっ!!』」
サナ「ちょっと待ってくださいっ!!」
  ユウトが店外に出て行く。
サナ(またねって、 会えるハズも無いのに・・・ 何なのいきなり 最低過ぎるっ・・・)
サナ(忘れ物・・・ さっきのショップバッグ 和装の衣装を入れたって・・・)
サナ(そんなの 知らない知らない知らない・・・)

〇空
(ショップバッグの内側に 電話番号が書いてある・・・)
サナ「まさか 確信犯・・・!?」

〇繁華な通り
(さんざん迷ったあげく やっぱり困っている(だろう?)人は 放っておけずに・・・)
サナ「何で私が撮影スタジオまで 忘れ物を届けなきゃいけないの!?」
サナ(ああ 絶対性格読まれてる・・・)
(彼は、女の子はみんな ああいう事をすれば喜ぶとでも 思ってるのかしら!?)

〇撮影スタジオのセット
サナ(うわーっ 別世界・・・っ!!)
サナ「あのう・・・ ユウトさんは?」
マネージャー「ああ 話は聞いています。 私、ユウトのマネージャーです。 忘れ物を届けて頂いたついでに撮影見学ですよね?」
サナ「いいえっ 帰りますっ!! お渡ししたら 直ちに帰りますっ!!」
サナ「・・・ あ、一つ質問です」
サナ「ユウトさんは いつもあんな感じに スキンシップ過剰!? ・・・な人なんですか!?」
マネージャー「ユウトは、接触恐怖症ですよ? ラブシーンなんて、いつも大変ですからね・・・」
サナ「えっ!?」
サナ(じゃあ なんであの時!?)
サナ「では、確かにお渡ししましたので それではっ!!」
ユウト「サナ!」
サナ(呼び捨てーっ!?)
ユウト「撮影見学でしょ!?」
サナ「さようならっ!!」

〇大ホールの廊下
ユウト「ちょっと待って 何でそんなに怒ってるの?」
サナ「自分の胸に聞いてみて下さいっ」
ユウト「でも 来てくれたよね? またねって言ったでしょ?」
ユウト「会えるって 信じてた・・・」
サナ「もうこれっきりですから さようなら」
ユウト「同じこと思ったから 来てくれたんでしょ?」
サナ「そんなことっ!?」
ユウト「君といると癒されるんだ 特別なんだ」
サナ「いつもそんな事言ってるんですか!?」
ユウト「まさか・・・」
ユウト「こんな風に、誰かに触れたいと思ったのは 初めてなんだ・・・」
  ユウトがサナの手を握る
ユウト「触れてみたら 分からない?」
サナ(ズルい)

〇幻想空間
(鼓動が高鳴る 引き寄せられる)

〇大ホールの廊下
サナ「ほんとにっ やめて下さいっ」
ユウト「なんで?」
ユウト「嫌なら、抵抗して 逃げて・・・」

〇キラキラ
  ユウトが、そっとサナに口づける。
(それは とても優しくて)
(甘い キス)

〇大ホールの廊下
サナ「ズルいよっ」
サナ「こんなにドキドキさせても」
サナ「住む世界が違い過ぎる・・・ きっともう会えないよね?」
ユウト「なんでそんな事言うかなぁ・・・」
ユウト「俺だって人間よ? そんな事言われたら傷ついちゃうんだけど」
ユウト「俺の電話番号知ってる女の子なんて めったにいないのに?」
サナ「え!!」
ユウト「お互い着信履歴残ってるよね? 好きな時に連絡してよ」
ユウト「サナ、 好きだよ」
サナ「えっ・・・!?」

〇空
(そして わたしは)
(甘くて危険な 沼に落ちた・・・)

〇大ホールの廊下
ユウト「でも心配だなぁ サナは人が良過ぎるから、 誰にでも付いて行っちゃダメだよ?」
サナ(お前が言うかぁーっ!?)

コメント

  • いいお話でした!また、つくってください!

  • 彼は人を巻き込んじゃう系の男子ですが、彼なら巻き込まれてみたい気もします。笑
    すごくかわいくて、好きな人にはワンコみたいですよね。

  • マネージャーまでグルだったり!?っと、夢の無い想像してしまいました!これは私がさなちゃんのように純粋ではなくなってしまったからでしょう・・・。でも恋なんて、怖がったり疑ったりしていているばかりではだめですものね。流れに身を任せて、結果オーライだったら最高です!

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