嫌いじゃない∴

ハルメハヤタ

Ep1.(脚本)

嫌いじゃない∴

ハルメハヤタ

今すぐ読む

嫌いじゃない∴
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇休憩スペース
藤乃(ふじの)さん「じゃあ次は、社内のイイ男ね!」
園田(そのだ)さん「間違いなく井ノ瀬さーん! 初深さんもでしょ?」
初深(はつみ)さん「うーん、そうだね 信頼も出来るし」
藤乃(ふじの)さん「それじゃ榎江くんは? 彼、イケメンじゃない?ちょっと変わってるけど・・・」
  『俺の話をしている───』
  と、女性陣の話を隠れて盗み聞きする男
園田(そのだ)さん「カッコいいですよね~! 私タイプなんです! あの顔!!」
  じぃ─────ッ・・・
  うわっ! すっげぇー見てる!
  
  あれで隠れてるつもりか!?
藤乃(ふじの)さん「初深は榎江くんのこと、どう? 好き?」
初深(はつみ)さん「え? うーん・・・」
  ────っ、初深さん!!
初深(はつみ)さん「まぁ、嫌いじゃないなッ!」

〇ラーメン屋のカウンター
榎江(えのえ)くん「というわけで、俺は初深さんに 好かれている!」
押花(おしばな)くん「はぁあ!? 嫌いじゃないって言われただけだろ? それ好きってことじゃねーぞ!」
榎江(えのえ)くん「嫌いじゃなきゃ、好きってことだ! それ以外ない!!」
押花(おしばな)くん「あのなぁ~、好きでも嫌いでもない 普通ってのがあんの! お前のはたぶんそれ」
榎江(えのえ)くん「俺はどうすればいい? 初深さんと、お近づきになりたいんだが・・・」
  コイツ、人の話全然聞かねぇ~な~

〇シンプルな一人暮らしの部屋
榎江(えのえ)くん「なになに? 押花からのアドバイスだと・・・」
榎江(えのえ)くん「自然な挨拶と会話から? あとは、近付き過ぎないこと!?」
榎江(えのえ)くん「何だよこれッ!! 全ッ然アドバイスになってないじゃないかッ!」
榎江(えのえ)くん「こんなの、言われなくても ちゃんと出来てるだろ・・・」

〇エレベーターの中
  ~ エレベーター【開】~
榎江(えのえ)くん「は、はつッ、はっっつみさん おは、おはよぉ~」
初深(はつみ)さん「え・・・っと お早う、榎江くん」

〇オフィスの廊下
榎江(えのえ)くん(初深さん、今日も可愛い)
  じぃ─────ッ

〇綺麗な会議室
  近過ぎる、近過ぎだ、
  
  もっと離れろ、離れろ、離れろ・・・

〇テーブル席
押花(おしばな)くん「あッ! アイツまた・・・」
初深(はつみ)さん「最近、なんか榎江くんに すごく見られてるんだけど、私何かしたかな?」
押花(おしばな)くん「いやいやっ、初深さんは何も悪くないっす! アイツがちょっと、不器用というか まぁ変なだけなんで」
園田(そのだ)さん「えぇ~!イケメンに見られるなんて いいじゃないですかぁ~! 榎江くん1人可哀想だから混ぜてあげましょうよ!」
  というわけで、
  
  仲間に入れてもらったが────
初深(はつみ)さん「お先に~」
  初深さんは
  
  先に帰ってしまった───

〇大衆居酒屋
榎江(えのえ)くん「全ッ然お近づきになれない いったいどういうことだ!」
押花(おしばな)くん「当たり前だ! あんなに、じーっと見たり、邪念送ったり 初深さんじゃなくても嫌になる 挨拶だって毎回噛みっ噛みじゃねぇか!」
押花(おしばな)くん「他の人とは普通に接してんだから 初深さんにも同じようにすればいいだけだよ」
榎江(えのえ)くん「何言ってんだッ! 初深さんは特別で他の奴とは違う! 同じようになんて出来るわけないだろッ!!」
押花(おしばな)くん「お前が何言ってんだ、だよ ったく・・・」
榎江(えのえ)くん「ところで押花! 初深さんは映画が好きと聞いたんだが、 映画デートとか良くないか?」
押花(おしばな)くん「え? ちょ、誘う気? 待て待て、今のお前じゃ無理に決まってんだろ?」
榎江(えのえ)くん「大丈夫だ! 何とかなる!!」
  絶対失敗するな、これ・・・

〇水中トンネル
  数日後・・・

〇水中トンネル
初深(はつみ)さん「榎江くん!? そこで何してるの? もしかして 私たちのことつけて来たの?」
榎江(えのえ)くん「あっ、いやっ」
初深(はつみ)さん「尾行するなんて最低です!!」
榎江(えのえ)くん「いやっ、ホントに違っ・・・」
初深(はつみ)さん「フンッ!」
  案の定、彼は大きな失敗をし、撃沈───
  映画に誘う前に
  
  彼女に最低と言わせた・・・
押花(おしばな)くん「あ、井ノ瀬さん! 本当何かすみません! コイツがご迷惑をお掛けして」
井ノ瀬(いのせ)さん「あぁ~、いや俺は別にいいんだけど 初深がな、 でも、お前らどうしてここに?」
押花(おしばな)くん「あぁ、コイツがここのグッズ欲しいらしくて買いに来たんですけど、魚も見たいって言い出して、そしたら2人を見かけて」
押花(おしばな)くん「因みに、井ノ瀬さんたちは? もしかしてデートっすか?」
井ノ瀬(いのせ)さん「ん? ハハッ! まぁ~そんな感じだ!」
  マジでデートだったぁあああ!

〇大水槽の前
押花(おしばな)くん「だから言ったろ?後をつけるなんて止めろって、ってそれ何?」
榎江(えのえ)くん「可愛いから、初深さんにあげようと思って」
  ここのグッズか?それ
榎江(えのえ)くん「なぁ、あの2人を引き離すにはどうすればいい?」
榎江(えのえ)くん「いっそ井ノ瀬さんが居なくなれば・・・」
押花(おしばな)くん「おいおい、物騒なこと考えてんじゃねぇーよ!」
押花(おしばな)くん「初深さんに、お前の気持ち ちゃんと話せ!それだけでいい」

〇ビルの屋上
初深(はつみ)さん「榎江くん 話って何?」
榎江(えのえ)くん「あ、っっえ、えぇと・・・」
初深(はつみ)さん「・・・」
初深(はつみ)さん「何かあるなら、ちゃんと話して!」
榎江(えのえ)くん「は、はいっ!」
  ・・・怖い
榎江(えのえ)くん「っ、この前は後つけたりして ごめん・・・なさい」
榎江(えのえ)くん「あと、これまでも じ─っと見たり、会話盗み聞きしたり・・・」
  えっ? 盗み聞き!?
榎江(えのえ)くん「え、映画・・・ 一緒に行きたくて デート・・・して欲しくて でも、どう声掛ければいいか わからなくて・・・」
初深(はつみ)さん「映画? デート!?」
榎江(えのえ)くん「俺、初深さんのことが好きだから そのっ、デート出来たら・・・いいなって」
  ────っ! 好きって・・・
榎江(えのえ)くん「でも、俺のこと・・・もう好きじゃなくなったでしょ? 嫌いになったよね?」
  ん? 私、好きって言ったことないけど・・・
初深(はつみ)さん「嫌いじゃないよ!」
榎江(えのえ)くん「じゃ、じゃあ好きっ・・・」
初深(はつみ)さん「ううん!普通!」
榎江(えのえ)くん「あ・・」
榎江(えのえ)くん「そう・・・」
初深(はつみ)さん「でも、真っ直ぐ接してくれたら」
初深(はつみ)さん「いつか好きになるかも!」
初深(はつみ)さん「だから、これからは 普通に話そ?」
榎江(えのえ)くん「あ・・・」
榎江(えのえ)くん「うんっ!」

〇映画館の入場口
  ・・・後日
榎江(えのえ)くん「こ、これ、あげる」
初深(はつみ)さん「わぁ~可愛い!ありがとう!」
  ────喜んでくれた!!
榎江(えのえ)くん「初深さんのほうが可愛いけど?」
初深(はつみ)さん「えっ」
初深(はつみ)さん「ありがとう」

〇映画館の座席
  因みに・・・
榎江(えのえ)くん「水族館は、デートだったんですか?」
初深(はつみ)さん「え?」
初深(はつみ)さん「あぁ~違うよ!」
  ────だと思った!

コメント

  • 何気に押花くんが物語のアクセントになっていて好感が持てました。榎江にはっきり意見しながらも彼の一途な恋心を応援する優しさもあって癒されます。恋愛ストーリーには主人公を傍で見守って時にはサポートする彼のような脇役はとても重要ですね。

  • 榎江くんの不器用さが際立ってましたね!
    好きすぎて暴走しちゃう可愛さ。いや、彼の本心を知らなければ怖いだけなのか……?
    ですが、ラストの自然なさらっと「可愛い」発言に爆弾投下されたました〜〜それはズルい!
    素敵なキュンを補給できました、ありがとうございました!

  • 相手の事好きという気持ちがエスカレーションすると、多少なりとも彼のような言動になるかもしれませんね。でもそれでいて楽観主義的な要素もあって、彼女もそういう天然な所をだんだん好きになってくれるかもしれませんね!

コメントをもっと見る(6件)

ページTOPへ