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CotchTheScotch

アピアランスリング(脚本)

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〇空
  ──大丈夫?
  あっ、もう大丈夫です!
  それなら良かった

〇商業ビル
女性「本当にありがとうございました」
女性「もし良かったらこの後──」
影山透「お茶でも──」
影山透「と、言いたいとこだけど、ちょっと急いでるんだ」
影山透「また、会えたら良いね!じゃあ」
女性(素敵な人──)

〇ビルの裏
影山透「ふぅ~」
影山透「もうちょっと長く変身出来たらいいのになぁ」

〇空

〇空

〇繁華な通り
女性「・・・」
影山透(あっ、助けなきゃ)
影山透「大丈夫?」
女性「えっ?あっ──」
女性「ちょっと困ってて──」
影山透「僕に出来ることがあれば──」
女性「ありがと・・・実は────」
影山透「それなら僕に任せて────」
柏木優衣「あっ」
柏木優衣「見つけた」

〇店の入口
女性「ありがとうございました」
女性「もし良かったらこの後──」
影山透「食事でも──」
影山透「と、言いたいとこだけど、この後予定があってね」
影山透「また会えたらその時は是非!じゃあ」
女性「あっ、連絡先だけでも──」
女性「行っちゃった」
柏木優衣「・・・」

〇ビルの裏
影山透「ふぅ、ギリギリ」
影山透「連絡先、交換してもね・・」
柏木優衣「あれ?影山君?」
影山透「柏木さん!?」
柏木優衣「こんな所で何やってるの?」
影山透「あっ、いや、その──」
柏木優衣「あっ、それより」
柏木優衣「こんな感じで──こんな感じのイケメンさん見なかった?」
影山透(柏木さん、変身した僕を探してるのかな)
影山透「み、見てないけど」
柏木優衣「そっか・・・こっちに来たと思ったんだけど」
影山透「その人がどうかしたの?」
柏木優衣「あっ、いいのいいの!」
柏木優衣「それよりも影山君──」
柏木優衣「ゴミ箱を漁るのは犯罪だからね?」
影山透「そんな事してないよぉ~」
柏木優衣「なんてね~♪」
影山透(か、かわいい・・・)

〇空

〇空

〇川沿いの公園
女性「ありがとね。もし良かったら」
影山透「ごめん、この後ちょっと行くとこあって」
影山透「また会えたらその時にでも!じゃあ」
女性「あっ!」
女性「素敵──」
柏木優衣「!!」
柏木優衣「見つけた♪」

〇広い公園
影山透「どこか隠れる場所は?」
影山透「あそこでいいか」
  滑り台の下へ身を潜めた
影山透「ふぅ~」
柏木優衣「影山君?」
影山透「えっ!?」
影山透「柏木さん!何でここに?!」
柏木優衣「私、イケメンさんをずっと追いかけてたの」
影山透(見られたかな?)
影山透「あ、あのイケメンならあっちへ行ったよ」
柏木優衣「そっか──」
影山透(ふぅ・・・良かった)
柏木優衣「影山君があのイケメンさんだったんだね?」
影山透(バレてるー!)
柏木優衣「ちょっと話せる?」
影山透「えっ?」
影山透(柏木さんとデート?)
影山透(これは・・・夢?)
  影山はほっぺをつねった
影山透「い、痛い・・・」
柏木優衣「何してるの?」

〇空

〇シックなカフェ
柏木優衣「やっぱり。その指輪使ってたんだね!」
影山透「えっ?柏木さん知ってるの?」
柏木優衣「知ってるよ~!って影山君・・・もしかして知らずに使ってたの?」
影山透「ど、どういう事?」
柏木優衣「変な使い方してたもんねー」
影山透「これって正しい使い方があるの?」
  大好評!アピアランスリングをご紹介!
柏木優衣「ほら、ちょうどCM始まったよ」

〇テレビスタジオ
  自分に自信がない?
  ダイエットが続かない?
  将来に夢も希望もない?
  そんなアナタにオススメします!
  アピアランスリング!!
  この指輪はアナタのポテンシャルを最大限に引き出した姿へ数分間変身できます

〇シックなカフェ
影山透「別人に変身できる魔法の指輪じゃなかったんだ」
柏木優衣「影山君ってば、漫画じゃないんだから」

〇テレビスタジオ
  こんな冴えない男性も実は──
  ポテンシャルを最大限に引き出せばこんなにかっこよくなれるんです!

〇シックなカフェ
影山透「って事は・・・」
柏木優衣「うん、あのイケメンさんはポテンシャルを最大限に高めた影山君なの」
柏木優衣「・・・信じられないけど」

〇テレビスタジオ
  ポテンシャルが無かった場合もご安心を!
  今なら30日間返金保証付き!
  お値段なんと!298,000円!(税抜)

〇シックなカフェ
影山透(た、高い・・・)
柏木優衣「影山君、私ね」
柏木優衣「あのイケメンさんのこと好きになっちゃったの!」
影山透「え!?」
柏木優衣「ご、ごめんね?」
柏木優衣「こんなこと急に言われても困るよね?」
影山透「いや・・・」
影山透(あの姿だとモテるから)
柏木優衣「前にね、人助けしてるとこ見かけて」
柏木優衣「その時に外見だけじゃなくて中身も素敵な人だなって」
柏木優衣「でもあのイケメンさんは影山君・・・ なんだよね?」
影山透「そ、そういう事になるのかな?」
柏木優衣「その・・・私と付き合うとか・・・ 無理?かな?」
影山透(!?)
影山透「僕と柏木さんが!?」
影山透「実は僕も・・・」
柏木優衣「あー!ちょっと待って!」
柏木優衣「返事はイケメンさんで・・・ いい・・・かな?」
影山透「全然いいよ」

〇清潔なトイレ

〇シックなカフェ
柏木優衣「あっ──」
影山透「おまたせ」
影山透「僕も柏木さんの事がずっと好きだった」
影山透「こんな僕にいつも明るく話しかけてくれたのは君だけだった」
影山透「それがすごく嬉しかったんだ」
影山透「だからかな?柏木さんの為なら頑張れる気がする──」
影山透「柏木さん、好きです」
柏木優衣「影山君・・・」
影山透「僕でよかったら付き合おう」
柏木優衣「はいっ」
  目を閉じて顔を近づける影山
柏木優衣「えっ、ここで!?」
影山透(キスってどうやるんだろ)
影山透(こう?)
影山透(唇を近付けて・・・)
柏木優衣(・・・遅い?)
柏木優衣「きゃー!!」
影山透「えっ!?なに?あれ?」
影山透「戻ってる!」
影山透「それにしてもキャーって・・・」
柏木優衣「ごめん、急に変わってたから」
影山透「ちょっとショック」
  この時、影山は心の中で叫んだ

〇黒背景
影山透「絶対イケメンになってやるー!!」

〇空

〇見晴らしのいい公園
影山透「おはよ」
柏木優衣「おはよー」
影山透「優衣、今日も可愛いね」
柏木優衣「いこっか」
影山透「うん」

〇商店街

〇空
  数ヶ月後

〇海辺
影山透「優衣ー!」
柏木優衣「待って~」
影山透「ははっ」
影山透「あ──」
影山透「ごめん、戻っちゃった」
  ぎゅっ
影山透「ん?手──どうしたの?」
柏木優衣「あのね」
柏木優衣「今さらこんなこと言われてもって 思うかもだけど、私──」
影山透「ん・・・?」
柏木優衣「このままの影山君と一緒にいたい」
影山透「えっ!?」
柏木優衣「イケメンだからとかじゃなくて・・・私、影山君だから好きになったみたい!」
影山透「えっ」
  影山はほっぺをつねった
影山透「い、痛い♪」
影山透「夢じゃないよね?」
柏木優衣「ふふっ、夢じゃないよ」
影山透「本当にこのままでいいの?」
柏木優衣「うん♪」
柏木優衣「影山君?」
影山透「は、はいっ!」
柏木優衣「だーいすき♪」

〇海辺
柏木優衣「じゃあこれはもういらないね!」
柏木優衣「えいっ!」
  ポチャン
影山透「あーー!!」
影山透「捨てちゃダメだよ~!」
柏木優衣「何で!?もう使わないでしょ?」
影山透「あれ、拾ったものなんだ!」
柏木優衣「えーー!?」

〇海辺
「あったー!!!」
影山透「よかったぁ~」
柏木優衣「うん!見つかってよかったぁ~♪」
  お互いの濡れた姿を見て微笑む二人
影山透「優衣」
影山透「ありがとう」
柏木優衣「あれ?」
影山透「ん?どうしたの?」
柏木優衣「ううん!何でもない♪」

コメント

  • ほ、欲しい!
    …24回払いってできますか?

  • アイデアが面白いですね~
    イケメンになれるおいしすぎるリングを自分のためでなく人のために使い続けた影山くん…報われてよかった😭
    アビアランスプロテイン、消耗品ぽいのに高すぎてワロタw

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