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kowaaa

再会(脚本)

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〇森の中
  トンネルを抜けた先は・・・
  キャンプ場・・・?
カナコ「無事に着いたねー!! 心配だったよー!! エイジ君お疲れ様!!」
エイジ「ほんとだよ!! 超ーーー緊張した!!」
エイジ「アサギは頭良いし カンも良いだろ!? ほんとバレるんじゃないかって・・・」
カナコ「私も心配したよー!! でも・・・」
カナコ「この顔は成功って事じゃない・・・?」
  そう言って2人はこちらを見る
  ・・・!?
カナコ「ふふっ そんなに驚いた顔初めて見るかもっ」
エイジ「だな!!」
キヨシ「お・・・ お取込み中申し訳ないけど・・・」
キヨシ「アサギ君に僕の説明してくれる・・・?」
キヨシ「さっ・・・ さっきから僕だけ睨まれてるんだけど・・・」
カナコ「あっ!! ごめんごめん!!」
カナコ「実はね・・・」
カナコ「私達・・・」
カナコ「アサギ君をお母さんから護りたくて 誘拐事件をでっち上げたの・・・」
  !?
カナコ「毎年・・・」
カナコ「誕生日に体調悪くなるでしょう・・・?」
  どう言うこと・・・?
  全然頭が追いつかない・・・
カナコ「私・・・」
カナコ「アサギ君が今の身体の状態になってしまった日・・・」
カナコ「見たんだ・・・」
カナコ「病室から出ていくアサギ君のお母さん・・・」
カナコ「その後私が部屋に入って・・・ 意識のないアサギ君を見つけたの・・・」
  だから・・・?
カナコ「初めは偶然だと思ってたんだけど・・・」
カナコ「毎年、誕生日になると アサギ君が入院するのが変だと思い始めたら」
カナコ「おかしいと思うことがたくさんあって・・・」
エイジ「オレも・・・ 初めて聞いた時は冗談だと思ったんだけど」
エイジ「2年も続くと 流石におかしくないかって話になって・・・」
  それは・・・
エイジ「オレは今でも半信半疑だよ・・・? でも・・・もし・・・」
エイジ「今年も入院なんて事になったら・・・」
  暗に・・・
カナコ「とりあえず・・・ お母さんから離れて 過ごしてもらおうと思ったの」
カナコ「ほんと、これは私の我儘で!!」
  母さんが僕を
  こんな身体にしたって言いたいのか・・・?
カナコ「怒るのもよく分かる!!」
カナコ「でも・・・ 万が一アサギ君に何かあったらって考えたら」
カナコ「止められなくて!!」
エイジ「ごめんな!!嘘ついて連れ出した!!」
エイジ「でも本当にお前を思っての行動なんだ!!」
キヨシ「ごっ・・・ ごめんなさい!!」
カナコ「特にキヨシ君は巻き込まれただけだから!! 悪いのは私だから!!」
  ・・・
  どう言う事なのか・・・
  よく分からないけど・・・
カナコ「あ・・・」
  とりあえずカナコは無事だ
  3人は僕のことを思って行動したと言うし
  言い訳を聞き続けるより
  詳しく話を聞きたい・・・
  僕はにっこりと笑って
  これ以上謝る必要はない事を伝えた

〇森の中
  山の天気は気分屋だ
  さっきまで重い雲が垂れ込めていたのに
  今では晴れている
  3人から今日までの経緯を聞いた

〇病室
  ”もっと早く助けられていたら
  こんな身体にならずに済んだのではないか”
  そう思っていたカナコは
  僕の誕生日が来る度
  あの日のことを思い出しては
  後悔していたらしい
  ”あの日
  何故アサギ君のお母さんは少し前に
  病室から出ていったのに急変していた息子に気づかなかったのか”
  ”集中治療室に運ばれてからも
  お母さんは不在だった”
  ”翌年も誕生日になると
  アサギ君は体調を崩して入院した”
  ”その翌年も・・・”
  ”誕生日の前日は元気なのに・・・”
  ”何で・・・?”

〇美術室
  ”事故が起きたあの日”
  ”わざとでは無いけど
  階段に水を流してしまった”
  ”そして”
  ”カナコさんと目が合った時
  恐ろしくなって逃げてしまった”
  ”名乗り出るか・・・出ないか・・・”
  ”ぐるぐると結論も出せないまま”
  ”今更名乗り出れない程時間が経ってしまった”

〇ゆるやかな坂道
  ”部屋に引きこもり
  何も出来ずにウジウジしている間に
  アサギ君がほとんど寝たきりになったらしいと噂を聞いた・・・”
  ”どうしよう・・・”
  ”大変な事をしてしまった・・・”
  ”どうやって償えば良いのか分からなかった”
  ”どうしよう・・・”
  ”気づいたら家の近くをフラフラと歩いていて・・・”
  キキィィィイ──ッ
  ”カナコの運転する車に轢かれそうになった”
  ”いっそ轢かれて死にたかった・・・”
  と彼は言う
  キヨシ君は偶然カナコと再会したのだ

〇レトロ喫茶
カナコ「『そっか・・・』」
  キヨシ君はずっと誰にも話せずにいた事故の話をカナコにした・・・
  ”あの日逃げてしまった事”
  ”ずっと後悔している事・・・”
  ”今更
  真相を打ち明けて
  謝ったところで迷惑なだけだろう”
  ”許されたいのは自分・・・
  そんな自分の事しか考えてない
  自分が情けない・・・”
カナコ「辛かったね・・・」
  そんな事言われると思わなかったそうだ
  そして
  もっと驚く話を聞いた
カナコ「アサギ君をお母さんから護りたいの」
  ”僕が断る理由なんてあるはずが無かった”
  彼らは作戦を始めた・・・

〇山道
  ”親戚が昔買った山小屋がある・・・”
  ”好きに使って良いと言われてるから・・・”

〇住宅街の道
  キヨシ君とカナコが出会う数ヶ月前から
  カナコとエイジは
  僕の救出作戦を計画していた
  場所を得たことも拍車をかけて
  今回の偽装誘拐を決行することになった

〇森の中
キヨシ「アサギ君・・・ 僕に出来る償いがあるとすれば・・・」
キヨシ「今はこの計画に参加することしか考えられなくて・・・」
キヨシ「許して欲しいわけじゃないんだ・・・」
キヨシ「ただ謝りたくて・・・」
キヨシ「本当にごめんなさい」
キヨシ「僕を許さず恨んでくれ・・・ ただ僕が一度も謝らずには これ以上生きていけなかったんだ・・・」
キヨシ「僕の自己満足だから・・・ 聞いてくれてありがとう・・・」
  キヨシ君は僕に謝ると俯いてしまった・・・
  こんな時
  ちゃんと話せたらどんなに良いだろう・・・
  彼の手を取って慰めてあげられたら・・・
  うまく回らない口を精一杯動かしてみた
  『いいよ』
  かすかな吐息のような声で
  今伝えられるのはこれが精一杯
  少なくとも
  カナコとエイジには伝わったようだ
エイジ「良いって」
キヨシ「え?」
カナコ「いいよってアサギが言ってるの・・・」
キヨシ「!!」
  キヨシ君は泣いてしまった・・・
  しばらくの間
  キヨシ君の嗚咽が静かな森に響いた

〇山奥のトンネル(閉鎖中)
  3人は色々な条件が揃ったから
  今回の救出計画を決行したと言った
  誕生日に怪しまれずに僕が家から出て
  母さんと離れられるように
  数日前からカナコのドラレコに映り込むようにキヨシ君が動き
  アサギが
  カナコを助けようと動くように
  2人で誘導した
  映像の最後に映っていた
  血のついたタオルは偶然の産物で
  トンネルで盛大に転んだカナコの手当てをした時のものだそうだ
カナコ「久々にあんな風に転んだよー 恥ずかしい・・・ でも今は何ともないから大丈夫だよ」
  僕がどれだけ心配したか
  分かってほしい・・・

次のエピソード:アサギの必要性

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