「面白い」と「感動する」は別物(脚本)
〇大きな木のある校舎
編集長「前回のエピソードでは、第一話ではどんな物語なのかを読者に伝える必要があり」
編集長「『誰(どんな問題や欲求を抱えた人)が(どんな障害や葛藤を乗り越えながら)何をしようとする話』」
編集長「なのかを、書かなければならないというお話をしました」
編集長「特に、“何をしようとする”に当たる部分が提示されないと」
編集長「読者はこのお話をどう読んだらよいのかわからなくなってしまうということをお伝えしました」
編集長「また、各キャラクターが“何をしようとしているのか”を“行動線”と呼ぶこともお話いたしましたね」
編集長「さて、読者に主人公の行動線が伝われば、どんなお話なのかは伝わることがわかりました」
編集長「でも、これだけだと物語に読者がついてきてくれません」
編集長「読者を釘付けするためには、この主人公の行動線に共感してもらう必要があるのです」
編集長「読者は、主人公と同じ目線で物語を追うことで、物語を追体験いたします」
編集長「ということで今回は、キャラクターに感情移入してもらうための方法についてお話していきたいと思います」
〇学校の駐輪場
ヤンキー「へへ。いっただきー」
編集長「皆さんはキャラクターを書くのは得意ですか?」
編集長「創作の現場では、ストーリーかキャラクターか、という議論が沸き起こることがあります」
編集長「物語を考えるのは得意なんだけど、キャラは苦手なんだよね」
編集長「なんて口にする人もいます」
編集長「もちろん、世界観を作るのが得意な人、面白いアイディアを出せる人、など、人それぞれ得手不得手はあるでしょう」
編集長「ただ、当社ではストーリーもキャラクターも必須要素だと考えています」
編集長「なぜなら、「面白い」と「感動する」は別物だと考えているからです」
編集長「人に読みたいと思わせるもの、先を読み進めたいと思わせるものは世界観やストーリーによるものが大きいです」
編集長「しかし、読み終わった後に読者に感動を与えるものはキャラクターなのです」
編集長「というわけで、キャラクターに逃げずに向き合ってあげましょう」
〇学校の裏門
編集長「では、どうしたらキャラクターに感情移入してもらうことができるのでしょうか」
編集長「答えは明確で、前回お伝えした“行動線”に至るまでの背景を読者に伝えてあげることです」
編集長「前回例に出したログラインを取り上げます」
編集長「『元犯罪者の山田太郎君が、どうしても結婚を認めてくれない頑固親父を説得して、鈴木花子さんと結婚する話』」
編集長「山田太郎君の行動線は、”鈴木花子さんと結婚しようとする”ことでした」
編集長「ここで読者に感情移入してもらうためには、山田太郎君の行動線の背景」
編集長「つまりどうして鈴木花子さんと結婚したいと思うようになったのかを読者にしっかりと伝える必要があります」
編集長「元犯罪者でどういう境遇に置かれている山田太郎君は、鈴木花子さんとどのように出会い」
編集長「どこで好きになり、結婚したいと思うようになったのか」
編集長「ここで重要なのは、事実を伝えるのではなく、山田太郎君の心の動きを伝えることです」
編集長「心の動きに共感できたとき、山田太郎君の行動線を一緒に追いかけるようになり、山田太郎君を応援したくなります」
編集長「この山田太郎君の心の動きを描かないと、読者は主人公に共感できず、物語にのめりこむことができなくなります」
〇学校脇の道
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自分が共感できる人がヤバい人が多いので、リサーチしてから書きます!(何かに怒りを持って生きている人に共感することが多いので、多分炎上案件かと…)
弱い立場だと主役が応援されやすくなる。
発送を転換させるならば、強い立場に居れば居るほど、主人公と敵対する側の憎さがより際立つって事ですな。
参考にさせていただきます