読切(脚本)
〇高級マンションの一室
「今日は卒業式か、、。高校の3年間早かったなぁ」
「裕くん約束覚えててくれてるかな??」
「って、、もう何年まえの話よ・・・。 流石に忘れてるだろうな、、」
「裕くんっていうのは同じマンションに住む 10個上のお兄さんのこと。小学生の頃から 片想いしてるんだ」
「昔にある約束をしたんだけど今日が一応、その約束の日なの、、。覚えてないだろうけど やっぱり期待しちゃうな」
「って、、そろそろ行かなきゃ!!」
〇マンションの共用廊下
横田裕一「あれ、お前こんな時間にどうしたんだよ。 もう9時だぞ!!」
私「どうって、卒業式は10時からなの!! 裕くんこそ平日のこんな時間に何してるのよ」
横田裕一「、、べつになんでもねーけど。 ちょっと出かけてくる」
私「ふーん、、。なんでもいいけどさ。 私、もう行くね・・・!!」
横田裕一「え?ああ、気をつけろよ、、!!」
〇川に架かる橋
「・・・。卒業式来てくれないんだ。 まぁ当たり前か、、ただのお隣さんだもんね。 出かけるってどこによ?」
「大事な日のはずなのに」
「、、。そう思ってるのも私だけかもね」
「・・・・・・早く学校行こ」
〇教室
「今日でこの教室ともさよならだ。 18歳。旅立ちの日が来たことに少しだけ 感動している」
「でもやっぱり頭の中は裕くんのことでいっぱいだった」
「違う。今だけじゃない。あの日からずっと。 ずっと裕くんの事だけを、あの約束の事だけを 想ってきたんだ」
「小学6年生。それは初めて『恋』を 知った年だった」
「あれから少しだけ大人になったけど 今も変わらず裕くんに見合う人になりたくて」
「約束通りの「素敵な女性」になりたくて 美容も勉強もお料理もたくさん努力したんだけどな、、」
「そんな事を考えていたら卒業式はあっという間に終わっていた」
〇学校の校舎
横田裕一「あっ、やっと見つけた! この学校の創りややこしいのな~」
私「あれ?裕くん、、何でいるの!?」
横田裕一「何でって、、今日卒業式じゃないのかよ? もしかしてもう終わってんの、、?」
「遅いよ、、!今終わったところ── っていうか来ると思わなっかたよ」
横田裕一「来るに決まってんだろ。お前の卒業式だぞ! まー遅れたのは悪かったけどさ〜」
私「そうだ、お出かけするんじゃなっかたの?」
横田裕一「ん?ああ、もう行ってきた」
私「??」
横田裕一「はい、これしかもう売って無かったんだけどさ」
横田裕一「卒業おめでとう!」
横田裕一「どうだ?結構キレイだろ??嬉しいか?」
私「バラの花束、、??私のために用意してくれてたの?」
横田裕一「当たり前だろ、、って!お前、泣いてんのか!?」
横田裕一「ったく、可愛いやつだなお前は」
私「もう!ばかにして、、」
私「そうこうしている間に周りの生徒から注目を集めていた私たちは近くの公園に行くことにした」
〇広い公園
私「もう夕方だね、、。なんかこんなにゆっくり 一緒に過ごすの久しぶりだね!」
横田裕一「こうしてこの公園に2人でいると なんか懐かしいな〜!」
横田裕一「お前よくこの公園で泣いてたよな〜」
私「え!一回だけだよ。たぶん、、?」
横田裕一「小6の時だったか?お前が帰ってこないって おばさんが心配しててさ」
横田裕一「探し回ってたらここにいたんだよな」
私「うう、、その節はご迷惑おかけしました、、」
横田裕一「ははっ全くだ!あのとき女の子との デートすっぽかして振られたんだぞ?」
私「ええ!?そうだったの?? 本当に迷惑かけてるじゃん、、」
横田裕一「いいよ。お前が無事でいる方が俺には大事だからな」
横田裕一「それにしてももう18歳だもんな〜 子どもの成長って本当に早いのな!」
私「もー子ども扱いして、、!」
横田裕一「悪い悪い!ただ本当に約束してからもう お前が18になったのが、、」
横田裕一「あっ、、」
私「え、、今約束って、、」
横田裕一「悪い、、覚えてないよな」
私「覚えてるに決まってるよ、、 ずっと忘れてなんかないよ、、!!」
横田裕一「うそだろ?」
私「ばか、、嘘な訳ないじゃん。 『高校卒業して素敵な女性になったら 俺がもらってやる』って約束したでしょ?」
横田裕一「まじかよ、、本当に覚えててくれたのか。 6年前のことを」
私「うん。今日卒業したから、約束守ってよね?」
横田裕一「ぷっ、、!お前って本当に可愛いな!!」
横田裕一「可愛いすぎて心配だから俺がもらってやるよ」
横田裕一「これからもよろしくな」
私「その時フワッと何かが唇に触れた 暖かくて柔らかい、、初めての感覚」
横田裕一「えへへ、、これからは恋人同士だからな」
横田裕一「好きだよ。これからもずっと大切にするな!」
私「こうして私の長い長い6年間の片想いは 実ったのでした」
キュンとなりました、素敵な彼ですね。約束をずっと覚えててくれるなんて、本当に幸せですよね。会話の内容を見ながら心が温かくなりました。
こんな約束してくれる幼馴染のお兄ちゃんがいるなんて、それだけで幸運な人生ですよね!それに、ちゃんと約束を覚えててくれるなんて!幸せになれますね。
ああー、彼も約束覚えてたのか!
近所に住んでいる素敵な年上の男性って、なんだかそれだけで憧れてしまうものですが()、その想いが10年経っても色褪せないなんて素敵だなぁ、と思いました😊
ヒロインの色々な努力が、これから彼の前で披露できると良いですね!二人の幸せな未来を願っています✨