学園青春物語

香鹿

読切(脚本)

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香鹿

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〇ハイテクな学校
  朝 学校校門前
???「おっはよー! 今日も元気か、アリスちゃん」
夜須 凛音「ヘイヘイヘーイ!!」
有栖川「・・・・・・」
夜須 凛音「あれ? ちょっぴり暗いね、ちゃんと朝ごはん食べてきた?」
有栖川「・・・・・・」
夜須 凛音「チガウ?」
夜須 凛音「うーん・・・・・・あ! わかった!!」
夜須 凛音「朝の星座占いの結果が最下位だったりしちゃった?」
夜須 凛音「でも、そんなアリスちゃんでも大丈夫!拗ねたお顔がすっごく可愛いから」
有栖川「・・・・・・」
夜須 凛音「・・・・・・」
夜須 凛音「・・・一応、心配してるんだけど」
夜須 凛音「なにか、あった? 俺に相談できないこと?」
有栖川「ごめん」
有栖川「・・・・・・話しかけないで」
夜須 凛音「え、待って!!」
夜須 凛音(え、ど、どういうこと?)
夜須 凛音(話しかけないで、って)
夜須 凛音(もしかして、俺)
夜須 凛音(嫌われた・・・・・・?)

〇教室
  5限目の休み時間 凛音の教室
男子生徒「どうだった? 幼馴染とあれから喋れた?」
男子生徒「いやこの落ち込みよう喋れてねぇな、こりゃ」
夜須 凛音「わざわざ話しかけに来たってことは、聞いてくれるってことだよね」
男子生徒「おう、いいぜ。聞いてやんよ」
男子生徒「対価はあんパンな!」
夜須 凛音「まあ、いいけど」
夜須 凛音「ちゃんと聞いてくれるか?」

〇散らかった職員室
  朝のホームルーム後 職員室
有栖川「こちら、提出物です」
教師「うむ、ありがとう」
夜須 凛音「アーリースー!!」
教師「うるさい!!職員室では静かにせんか!!」
夜須 凛音「あれッ?先生、アリスは?ここにいましたよね?」
教師「そこに直れ!! こんのバカ者!!」
夜須 凛音「ヒッ───!!」
夜須 凛音「すんませんっした!!!」

〇渡り廊下
  3時限目授業中 渡り廊下
夜須 凛音「スゥーーー・・・・・・」
夜須 凛音「アーーリーースーー!!!」
夜須 凛音「──グハッ!!」
有栖川「あ、ごめん」
「アリスーー!! ボール見つけたーー?」
有栖川「見つけたよーー!」
夜須 凛音「ア、アリス、待って」
有栖川「今、授業中」
有栖川「この意味、分かるよね」

〇教室
夜須 凛音「────っていう現状なんだけど」
夜須 凛音「・・・・・・なあ、これってどういうことなんだ」
男子生徒「付きまといすぎて、遂に嫌われたんじゃね」
夜須 凛音「ウッ!!」
男子生徒「凛音が知らず知らずのうちに怒らせちゃったの方に一票」
夜須 凛音「あーーーー」
夜須 凛音「・・・やっぱり、そうなのかな」
男子生徒「まァ、なんにせよ、そんなに気ィ落とすなって!!」
男子生徒「現文終わったら下校なんだからさ、アリスちゃんにもう一回顔見せに行けよ」
男子生徒「ほら、授業中にその情けねぇ顔なんとかしとけよー」
男子生徒「ほら、笑顔笑顔!!」
男子生徒「じゃないとアリスちゃんに見損なわれちゃうぞ」
  キーンコーンカーンコーン
夜須 凛音(・・・ありがとう、2人とも)
夜須 凛音(だけど、おれ)
夜須 凛音(なんだか、しんどい)

〇図書館
  お昼休み 図書館
女子生徒「アリスー! これ読んでみて!!」
女子生徒「この服、アリスにすごく似合いそうじゃない!」
有栖川「ほんと?」
有栖川「わあ、このフリルブラウスかわいーい!!」
夜須 凛音「はあはあ、アリス、ようやく見つけた!!」
有栖川「──────ッ!!」
有栖川「ごめん、また後で話そ」
女子生徒「ええッ!! どうしたの!?」
夜須 凛音「ま、待って、アリス!!」
夜須 凛音「ゼー、ハー・・・・・・」
夜須 凛音「図書館、遠すぎ・・・・・・」

〇教室
「・・・・・・」
夜須 凛音「・・・・・・」
夜須 凛音(・・・ん)
夜須 凛音(・・・あぁ。寝ちゃったんだ)
夜須 凛音(あ、アリスに会いに・・・いや、もう遅いか)
夜須 凛音(教室がすごく静かだから、アリスもきっと家に帰ってる)
夜須 凛音(・・・はあ)
夜須 凛音(今日の俺、格好良くない)
夜須 凛音(ただ、アリスと喋れなかっただけなのに・・・)
夜須 凛音(しんどい、つらい。 喉を、掻き毟りたくなる)
夜須 凛音(好きなんだよ、アリス)
夜須 凛音(幼馴染だからって、ずっと言えずにいたんだ)
夜須 凛音(好き過ぎて、つらい)
夜須 凛音(どうやったら俺の横にずっといてもらえるか分からなくてしんどい)
夜須 凛音「・・・・・・」
夜須 凛音(ところで、伏せって寝てる俺の手、もしかして触られてない?)
夜須 凛音(え、血管んとこぷにぷにされてない!?)
夜須 凛音(先生か?)
夜須 凛音「・・・ん」
有栖川「────ッ!!!」
夜須 凛音「え、待ってアリス!! いかないで!!」
夜須 凛音「アリス、アリス!! お願いだから、置いてかないで」

〇学校の廊下
有栖川「────!!」

〇階段の踊り場
「待って!!」

〇学校の昇降口
夜須 凛音「好きだ!!」
夜須 凛音「好きなんだッ!! アリス!!」
有栖川「え?」
夜須 凛音「あ、いや、チガウ」
有栖川「違う?」
夜須 凛音「いや、違くないんだけど・・・そうじゃなくて」
夜須 凛音「ああァ!!! もういい!!」
夜須 凛音「好きなんだアリス、君のことが。 他のどんな奴らよりも大好きなんだ!!」
夜須 凛音「君の笑顔が見れないだけで、心臓が裂けそうになるくらい、胸が痛んだ」
夜須 凛音「ひとりぼっちのとき、いつもアリスが側にいてくれた。君は春のように暖かくて、幸せで、すごく素敵なんだ」
夜須 凛音「そんな君のことが」
夜須 凛音「好き・・・なんだ」
有栖川「────ぐすッ」
夜須 凛音「え?」
有栖川「うぁ、あああ、うわあああん」
夜須 凛音「え!? 泣かないで、アリス」
夜須 凛音「アリスが泣くと、俺も、悲し、くなる」
夜須 凛音「なんで、泣くんだよ!! もう!!」
夜須 凛音「ほら、泣き止んでよ、俺はアリスの笑顔が好きなんだからさ」
夜須 凛音「・・・落ち着いた?」
有栖川「ごめん、ごめん。私、勘違いして、凛音にひどいことした」
有栖川「私、凛音に彼女がいるって聞いて、もう側にいちゃダメだと思ったの」
有栖川「でも、違ったみたい」
有栖川「私も、貴方のことが好きなの」
夜須 凛音「え、え、待って、待って!!」
夜須 凛音「もしかして、俺ら両想い?」
有栖川「うん!」
夜須 凛音「ホントに?」
有栖川「うん、本当に!」
夜須 凛音「うわあ、マジで!? ありがとうアリス!!」
夜須 凛音「好き、好き、大好きだ!!」
夜須 凛音「あはははは!! すっごく嬉しい!!」
夜須 凛音「幸せにしてあげるから、ずっと側にいて!!」
夜須 凛音「後悔なんてさせてあげない」
夜須 凛音「だからずっと俺だけを好きでいて、ね」

コメント

  • 些細な勘違いでだいぶ我慢したんですね。
    好きだからこそ辛かっただろうに…、とアリスに同情してしまいます。なんにせよ、結果オーライですね!

  • こういうのこそ青春ですよね。ふたりともが遠慮しがちな性格だったら勘違いからいっきに距離ができてしまって戻れなくなるパターン。彼がストレートに伝えてくれる性格だったからこそ、勘違いを乗り越えることができてよかったです。

  • 彼のように好きな子へ一直線に気持ちを表現できる男子で素敵だと思いました。あきらめずに彼女に告白することができて本当によかったです!

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