第1話で書かなくてはならないこと(脚本)
〇渡り廊下
編集長「前回、ログラインの作り方をお伝えしました」
編集長「誰(どんな問題や欲求を抱えた人)が(どんな障害や葛藤を乗り越えながら)何をする話」
編集長「でしたね」
編集長「実は、これを伝えることこそが第1話の役割に他なりません」
編集長「第1話ではもちろん物語は完結しないので、第1話で伝えるべきことは」
編集長「誰(どんな問題や欲求を抱えた人)が(どんな障害や葛藤を乗り越えながら)”何をしようとする”話」
編集長「とした方がよいでしょうか」
編集長「主人公は誰で、どんな問題や欲求を抱えているのか」
編集長「どんな障害や葛藤を乗り越えなくてはならないのか」
編集長「そして、主人公は何をしようとしているのか」
編集長「この“何をしようとしているのか”を、当社では“行動線”と呼んでいます」
編集長「行動線はすべてのキャラクターに必要です」
編集長「キャラクターが行動線を無視した言動をすると、読者はそのキャラクターのことを理解できなくなり、興ざめしてしまいます」
編集長「ですから、物語の中心人物である主人公の行動線はとても大事なものとなります」
編集長「物語を転がすために作者の都合で行動線に沿わないことを言わせてしまったり」
編集長「行動線とは関係のない行動を起こしてしまったりすると」
編集長「なんだか、よくわからない話になってしまうのです」
〇図書館
編集長「それでは、復習を兼ねて1つ例を挙げてみます」
編集長「まずは『誰が何をする話』」
編集長「山田太郎君が鈴木花子さんと結婚する話」
編集長「としましょうか」
編集長「このまま話を書くと、」
編集長「山田太郎君はお付き合いしている鈴木花子さんのことが大好きで、プロポーズしました」
編集長「プロポーズは見事成功し、無事結婚することができました」
編集長「という感じになります」
編集長「もちろんこれだと物語として全く面白みに欠けるものとなります」
編集長「山田太郎君が超空気の読めない人だったり」
編集長「山田太郎君が元犯罪者だったり」
編集長「山田太郎君が余命僅かだったり」
編集長「と、山田太郎君に設定を付け加えることで、作品に個性が生まれます」
編集長「山田太郎君と鈴木花子さんの仲を引き裂く元彼の田中次郎君が登場したり」
編集長「どうしても結婚を認めてくれない頑固親父が登場したり」
編集長「鈴木花子さんが記憶喪失になってしまったり」
編集長「と、山田太郎君のやることを阻害する障害によって面白みが増していきます」
編集長「読者が想像できないような障害を考え、山田太郎君ならではの設定で乗り越えさせていく」
編集長「これこそが、物語の基本構造となります」
編集長「では上の設定からいただいて、」
編集長「元犯罪者の山田太郎君が、どうしても結婚を認めてくれない頑固親父を説得して、鈴木花子さんと結婚する話」
編集長「を採用しましょうか」
編集長「さて、このお話で山田太郎君の行動線は何でしょうか?」
編集長「当然、鈴木花子さんと結婚しようとしています」
編集長「鈴木花子さんの行動線はどうでしょうか」
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参考になりました
ども、イチです✌🏻
まずは、面白い作品をどうつくるかの自分の行動線を考えてみます✍🏻