桐生院カナタを殺してしまった!?(脚本)
〇備品倉庫
???「どうしよう・・・」
桐生院 カナタ「・・・」
樽山(タルヤマ)「桐生院カナタを殺してしまった!!」
〇学校の廊下
1時間前
沢口 マリ「じゃあ次はこれ被って言ってみ?」
樽山(タルヤマ)「え、何これ・・・」
沢口 マリ「いいからやれよ」
樽山(タルヤマ)「イテッ!」
桐生院カナタ?「え、え〜と 「マリは身体のどこから洗う派?俺は右脚」」
沢口 マリ「ほら〜♡ 首から上はカナタくん♡」
桐生院カナタ?(沢口さんて割とヘンタイ?)
沢口 マリ「苦労してカナタくんマスク作ったかいがあったわ」
沢口 マリ「あんたのそのカナタくんそっくりな声がブサイクな顔から出るのが耐えられないもの」
桐生院カナタ?(この女・・・!)
???「沢口さーん!」
沢口 マリ「あ、カナタくん!」
沢口 マリ「あんた、そのマスク外して!」
桐生院カナタ?「う、うん」
桐生院 カナタ「やあ、沢口さん! あ、シャンプー変えた?」
桐生院 カナタ「お! 樽山もおはよ!」
沢口 マリ「おはよう、カナタくん♡ わかっちゃった? 実はサロンで・・・」
樽山(タルヤマ)(何が「シャンプー変えた?」だよ! この女たらし!)
樽山(タルヤマ)(講義のときは居眠りばっかで、いつも俺のノートに寄生しやがって!)
樽山(タルヤマ)(大体俺の声そっくりなこいつさえいなければ、俺もこんな不遇な扱いを・・・)
桐生院 カナタ「ごめん、沢口さん! ちょっと樽山借りるね! また今度聞かせてよ!」
沢口 マリ「え、ちょ・・・」
〇備品倉庫
桐生院 カナタ「ふう、やっと二人きりだな」
桐生院 カナタ「実はお前に・・・」
樽山(タルヤマ)「いい気分だろ?」
桐生院 カナタ「え?」
樽山(タルヤマ)「お前の引き立て役として、声だけそっくりな俺はうってつけだよな」
桐生院 カナタ「そんなこと!」
樽山(タルヤマ)「もう俺に話しかけるな」
桐生院 カナタ「待てよ! 俺はお前に」
樽山(タルヤマ)「離せよ!!」
桐生院 カナタ「うわっ!!」
樽山(タルヤマ)「え・・・?」
〇備品倉庫
樽山(タルヤマ)「どうしよう 血が・・・」
樽山(タルヤマ)「殺しちゃった!!」
樽山(タルヤマ)「うわっ!!」
樽山(タルヤマ)「桐生院のスマホ? スケジュール帳か」
教養棟で講義
樽山(タルヤマ)「と、とにかく今はバレないように・・・ そうだ、桐生院になりすませば!」
樽山(タルヤマ)「この沢口さんのマスクと、あとは泊まり込み用の着替えで体型をごまかせば・・・」
〇大学の広場
桐生院カナタ?(バレてないよな?)
???「カナタくん!」
桐生院カナタ?「ひっ!!」
沢口 マリ「さっきはどうしたの? 樽山なんか連れてって」
桐生院カナタ?「・・・」
沢口 マリ「ん? なんか雰囲気変わった?」
桐生院カナタ?(ヤバい!!)
沢口 マリ「あ、着替えたんだね! そういうラフな感じもいい〜♡」
桐生院カナタ?(あれ? これイケるぞ)
桐生院カナタ?「ソ、ソウカナー アリガトー」
桐生院カナタ?(いっちょおちょくってやるか・・・)
桐生院カナタ?「マリ、講義の後ランチどう?」
沢口 マリ「え、いきなり下の名前で!? も、もちろん行く!!」
桐生院カナタ?(チョロすぎる・・・! お前が散々バカにしてた樽山だとも知らずに)
〇テーブル席
沢口 マリ「あ〜、おいしかった! ありがとう、カナタくん! しかもおごってくれるなんて」
桐生院カナタ?「イインダヨー」
沢口 マリ「でも、こんな豪華でよかったの? いつもはボロい方の学食の150円のうどんなのに」
桐生院カナタ?「え? (あいつうどん好きなのかな)」
桐生院カナタ?「あ〜、たまには気分を・・・」
沢口 マリ「カナタくん、なんか今日無口だね」
桐生院カナタ?「え!ソ、ソンナコトナイヨー」
沢口 マリ「いつも『アイツ』の話ばっかしてるのに」
桐生院カナタ?「え? アイツって?」
桐生院カナタ?「うわ!」
桐生院カナタ?(またスケジュール帳か)
丘の上病院 ミズキ
桐生院カナタ?(ミズキ・・・また女!? 病院て、もしかしてナース?)
桐生院カナタ?(クソ! あの女たらしの本性を暴いてやるぜ)
桐生院カナタ?「ごめん、ちょっと用事!」
沢口 マリ「あ、ちょっ、カナタく〜ん!? 支払いは〜!?」
〇開けた交差点
桐生院カナタ?「はあはあ・・・ 丘の上病院はここ渡った先か」
???「ふぅふぅ 荷物が多くてしんどいのぉ」
おばあちゃん「おや、カナタちゃん!」
桐生院カナタ?「あ、どうも (知り合いか?)」
おばあちゃん「今日もミズキちゃんに会いに来たんかい? 好きなんやね〜」
桐生院カナタ?(講義は居眠りしてるくせに女のことは一生懸命か・・・クズめ)
桐生院カナタ?(信号青になった! ミズキとかいう女の顔拝んでやる!)
おばあちゃん「ありゃ? 今日は荷物手伝ってくんないんかの?」
〇中庭
桐生院カナタ?(どこだ? ミズキとかいう女!?)
???「お兄ちゃん・・・?」
桐生院カナタ?「お兄ちゃん?」
桐生院 ミズキ「来てくれたんだね! ありがと、お兄ちゃん!」
桐生院カナタ?「え、え〜と、ミズキ?」
桐生院 ミズキ「ん?どしたの?ミズキだよ」
桐生院カナタ?(ミズキって妹かよ!?)
桐生院 ミズキ「ごめんね、今日もこれから徹夜のバイトで忙しいのに」
桐生院カナタ?「徹夜・・・?」
桐生院 ミズキ「ミズキはまだまだ元気だから、手術は来月じゃなくても大丈夫だよ!」
桐生院 ミズキ「その前にお兄ちゃんの方が身体壊しちゃうよ・・・ たまにはゆっくり休んで?」
桐生院 ミズキ「けほっけほっ!!」
桐生院カナタ?(あいつ、妹のために徹夜でバイトしてたのか)
桐生院カナタ?(だから居眠りばっかり・・・)
桐生院 ミズキ「今日はあの人のお話しないの? いつもお兄ちゃんを助けてくれるお友達!」
桐生院カナタ?「??」
桐生院 ミズキ「いつも一生懸命お勉強してるから、すっごく賢くてカッコいいんだよね!」
桐生院 ミズキ「この間もノート貸して教えてくれたからすっごく感謝してるって言ってたでしょ!?」
桐生院 ミズキ「だから大切なお友達にはお菓子作ってお礼しなくちゃって うまく渡せた!?」
桐生院カナタ?「あ・・・」
〇備品倉庫
〇中庭
桐生院カナタ?(俺、なのか? 感謝してる・・・『友達』って)
桐生院カナタ?(あいつ、俺にお礼を?)
桐生院カナタ?(俺は、なんてことを・・・!)
桐生院カナタ?(こんなに小さい病気の妹もいるのに・・・)
桐生院カナタ?(俺のことを初めて『友達』と呼んでくれたやつを・・・)
桐生院 ミズキ「ええ!? お兄ちゃんなんで泣いてるの!?」
???「ミズキーーー!!」
「え?」
桐生院 カナタ「面会間に合った〜! ごめん、いつの間にか疲れて気絶してたみたい!」
「・・・」
「・・・」
桐生院 カナタ「て、俺が二人いるーー!!」
桐生院カナタ?「桐生院、死んだはずじゃ・・・ 頭からそんなに血出てるのに!!??」
桐生院 カナタ「え? 血?」
桐生院 カナタ「ペロッ」
桐生院 カナタ「あ゛あ゛あ゛〜〜!! せっかく樽山に作ったチーズケーキのベリーソースがぁ〜!!」
桐生院カナタ?「え?血じゃないの? じゃあ桐生院、生きてるの・・・?」
桐生院 カナタ「普通に生きてるけど・・・ ていうかその声、お前まさか」
樽山(タルヤマ)「うわあぁぁ〜〜!! よかったよぉ〜!! ごめんよぉー!!」
桐生院 カナタ「やっぱり樽山か! お前こんなとこで何やってんだ!?」
桐生院 カナタ「おい、抱きつくな気色悪いぞ!」
桐生院 ミズキ「よくわかんないけどめでたしめでたし!」
こんばんは!
松田さんの過去作読ませて頂いてます!
これは新しい角度のキュン!
イケメンで性格もい〜の!?
死んでなくて良かったですよ😂👍
声が似ているという設定がとても引き込まれました!素敵なお話ですね😊
いやぁ、ほっこりしますね☺️
樽山くんに凄く共感してしまいました😂
ハッピーエンドの勉強になります🙇♀️