〇テクスチャ2
　　ナナミちゃん、お久しぶり。ヤスオです。
　　８年ぶりに会いませんか？
　　返事待ってます。

〇ビルの裏通り

〇ビルの裏通り
なんか悪そうな人「眼鏡狩りだ!! 眼鏡をよこせ！」
女子の声「あの・・・ 持ってる眼鏡はこれだけですけど」
なんか悪そうな人「これだけじゃ足りねえ！ もっと・・・」
女子の声「何するの!? 誰か助けてぇ！」
「待てぇ！」

〇炎
羽眼鏡マン「コーラ缶を振って渡す事から世界征服まで この世の全ての悪事は許さない 平和の使者、羽眼鏡マン参上!!」

〇ビルの裏通り
なんか悪そうな人「俺はコンタクト星人の戦士 眼鏡を根絶させるために来た！」
羽眼鏡マン「そんな事はさせない！」
なんか悪そうな人「返り討ちにしてやる!!」
羽眼鏡マン「くらえ!! 正義の鉄拳」
なんか悪そうな人「くそ・・・ 覚えていろよ グフッ」
羽眼鏡マン「眼鏡は正義！ 正義は勝つ!!」
襲われていた女性「助かりました！」
羽眼鏡マン「美しいお嬢さんが無事で良かった」
襲われていた女性「よければお礼を・・・」
羽眼鏡マン「すまない、私はもう行かなければ では、さらばだ!!」
襲われていた女性「羽眼鏡マン様・・・ ス、テ、キ」

〇ハート

〇惑星

〇シックなリビング
ヤスオ「こんな時間にやってる番組初めて見たな」
ヤスオ「なんか安っぽそうな番組だったけど」
ヤスオ「変な時間に起きてしまって すっかり目が冴えてしまった」
ヤスオ「早いけどジョギングしよかな」
ヤスオ「このまま起きていても 落ち着かないし」
ヤスオ「返事は無し、か」

〇ゆるやかな坂道
ヤスオ（8年ぶりだしなぁ）
ヤスオ（メアドもう使ってないかもしれないし）
ヤスオ（・・・走りに集中しよう）
ヤスオ（僕は変わったんだ ナナミちゃんの為に強く・・・）

〇田舎の学校
幼少期のヤスオ「うぇーん」
幼少期のナナミ「ほらほら、もう泣かないで ヤスオ君をいじめてた子達は あたしがやっつけたから」
幼少期のヤスオ「ありがとう・・・ヒック 僕、強くなるよ ナナミちゃんを守れるくらい」
幼少期のナナミ「楽しみにしてる いつかあたしを守って じゃあね」
幼少期のヤスオ「いつもナナミちゃんに助けてもらってばかり」
幼少期のヤスオ「僕も強くならなきゃ 仮面メンマーのように強く そして今度は僕がナナミちゃんを守るんだ」
仮面メンマー「悪は許さない！ 全てはメンマの為に!!」
幼少期のヤスオ「みたいな！」
幼少期のヤスオ「明日から特訓するぞ！」

〇ゆるやかな坂道
ヤスオ（あのあとすぐに父親の転勤で それからナナミちゃんに会えないまま）
ヤスオ（メアドだけ教えてもらってたけど 恥ずかしくてメールできないままだったな）
ヤスオ（今頃メール送ったって イタズラと思われてるかな）
ヤスオ「はぁ・・・」
ヤスオ「ん？」
ヤスオ（あんなとこに人が・・・？）

〇ビルの裏通り
ヤスオ「大丈夫ですか？ こんなとこで寝たら風邪ひきますよ」
倒れている男「・・・」
ヤスオ「反応がない 警察呼んだ方いいのか それとも救急車を・・・」
倒れている男「ん？ ここはどこだぁ！」
ヤスオ「うわっ、酒臭い・・・ 酔っ払いかぁ」
酔っ払い男「酔ってないぞ！ 私は世界を救うのだ！」
ヤスオ「かなり酔ってる・・・」
酔っ払い男「これは勝利の酒だ！ うぃー・・・ヒック」
ヤスオ「ほらほら早く起きて家に帰った方いいですよ」
酔っ払い男「んー・・・？ キミは眼鏡似合うな！」
ヤスオ「眼鏡？ いえ・・・」
酔っ払い男「キミに決めた！」
ヤスオ「はぁ？」
ヤスオ（相当酔っ払ってるなぁ）
酔っ払い男「キミをヒーローにしたい！」
ヤスオ「はいはい それより家に帰られますか？ タクシーでも呼びます？」
酔っ払い男「引き受けてくれるか！ そうだ自己紹介しなくては 私は・・・」

〇炎
羽眼鏡マン「私は眼鏡星から来た羽眼鏡マン！ コンタクト星人からこの星の眼鏡を守る為 日々戦っている者だ！」

〇ビルの裏通り
ヤスオ「・・・」
ヤスオ「あの安っぽい番組のコスプレ？ 人気あるのかあれ」
羽眼鏡マン「もしかしてキミ！ 私達の番組も見てくれているのか」
ヤスオ「え、えぇ さっき見たばかりですけど」
ヤスオ（あの番組の制作者なのかな）
羽眼鏡マン「あれは実際の戦いの記録なのだ コンタクト星人の凶悪さと 眼鏡の素晴らしさを伝える為の番組で」
ヤスオ「はぁ」
羽眼鏡マン「まぁ、番組がない時間帯にこっそりと 無断で電波をジャックして 放送しているんだけどね」
ヤスオ「はい？」
羽眼鏡マン「もちろんプライバシーに気を使い 実際の被害者の方々は 私の母の画像にすり替えている」
ヤスオ「プライバシー以前に無断って・・・」
羽眼鏡マン「コンタクト星人も地球で身バレしないよう 編集で眼鏡をつけているようにしている 眼鏡アピールにもなるし一石二鳥だ」
ヤスオ（なんだかやばい人のような気がしてきた）
羽眼鏡マン「動画は娘が撮影していて・・・ おっと、そんな事より これをキミに」
ヤスオ「これは？」
羽眼鏡マン「それをかけて 『キスイダネガメネガメゾイヨツ』 と唱えるといい」
ヤスオ（断って暴れられたら厄介だな さっさと眼鏡かけて終わらせよう）
ヤスオ「これレンズ入ってないのか えっと、キスイダネガネガ・・・ なんだっけ」
ヤスオ「うわっ」

〇電脳空間
「何が起きたんだ？」
？？？「これを」
ヤスオ「・・・」
ヤスオ「なんじゃこりゃああああ！」

〇ビルの裏通り
ヤスオ「どういうことこれ？ え？　え？」
おっさん「私の後継はキミに託す」
ヤスオ「えっ!? まさかさっきの酔っ払い？」
おっさん「眼鏡の力を受け渡した私はもう ただのおっさんだ さぁ、行くがいいニューヒーロー！」
ヤスオ「え・・・ちょ・・・」
ヤスオ「とんでもないことになってしまった これからどうしたら」
女子の声「キャー！ 助けてぇ！」

〇ゆるやかな坂道
なんか悪そうな人「さっきは邪魔が入ったが今度こそ 眼鏡狩りをしてやる!!」
「待て！」
なんか悪そうな人「お、お前は!?」

〇炎
ヤスオ「歩きスマホから世界征服まで この世の全ての悪事は許さない!! 平和の使者、ニュー羽眼鏡マン参上!!」

〇ゆるやかな坂道
なんか悪そうな人「出たな、羽眼鏡マン!! ん？　ニュー？」
ヤスオ「問答無用！」
なんか悪そうな人「またも・・・ グフッ」
ヤスオ「体が勝手に動いてしまった なんだろうこの気持ちは」
？？？「それが正義の心」
ヤスオ「え？」
ヤスオ「誰もいない ・・・ん？」
　　ずっと見てる
　　頑張って、ニューヒーロー
ヤスオ「ナナミちゃんから返事が！」

〇ハート
ヤスオ「ナナミちゃん、見ていてくれ 僕はキミを守れるくらい強くなったって 証明してみせるから」

〇ゆるやかな坂道
ヤスオ「ん？ なんでナナミちゃん知ってるんだ？」
ヤスオ「それとこの姿どうしたら」
ヤスオ「とりあえず帰ろ・・・」
？？？「・・・」
ナナミ「あたし好みのヒーローになってね また会いましょう ヤスオ君」
ナナミ「ふふふ」

〇惑星
　　ーfinー