エピソード3(脚本)
〇川沿いの公園
赤星「ガキ人質に取って、女傷つけて、てめえそれでも漢か?ああ?」
怪物「な、なんだと!?」
怪物「俺は頭が回るからこれだけ冷静にお前たちを困らせ、パーフェクトな攻撃ができてるんだろうが〜〜!」
緑「おいおいおい! レッドの奴、敵に喧嘩売り始めたぞ?!」
青「全く、あいつら何をやってるんだ?!」
赤星「お前んとこの親分はそんな卑怯な戦い方を子分に教えてんのか!」
怪物「な、何を言ってるんだ!」
怪物「ボスは関係ないだろうが!」
赤星「そもそもお前は何のために戦ってんだ? あ?」
赤星「そのボスへの忠義か? てめえの信念のためか?」
赤星「何か守りてえもんでもあんのか? 言ってみろ」
怪物「さっきからお前は何を言ってるんだ!」
怪物「俺たちは人間の負の感情から生まれ、負の感情を餌に生きてるんだ!」
怪物「勝手な人間達の勝手な感情から生み出されたんだ!」
怪物「人間を恨むのは当然だろうが!」
赤星「当然なわけねえだろうが!!」
怪物「なっ、なんだと!?」
黄「お、おい! レッドの奴今度はめちゃくちゃキレ始めたぞ!!」
黄「大丈夫かよ!?」
赤星「てめえの生まれは確かに喜ばれたもんじゃねえかもしれねえ」
赤星「でもなあ! それがカタギの人間の幸せを奪っていい理由にはなるわけねえだろうが!」
怪物「か、かたぎ?!」
緑「普通に生きてる人達ってことだぞ!」
緑「裏社会に通じてない人たち!」
青「お前なに敵に解説してやってるんだ!」
緑「あ、ごめん」
〇川沿いの公園
赤星「俺も今のお前みたいに周りのもの全てが憎かった時があったからわかるけどよ」
赤星「それを拾って、正してくれたのが親父だよ」
怪物「お、お前の話なんて知らねえよ!」
赤星「お前にもボスがいるんだろ?」
赤星「お前、お前に1番大事な事も教えてくれねえやつをボスと慕って、それでいいのか?」
緑「おいおいおい、今度はなんだ? 説教??」
青「あいつ・・・どういうつもりだ・・・」
黄「な、なんかよお・・・ カッケェな、レッド・・・」
「は?」
怪物「俺らにとって1番大事なことは人間を苦しめることだ!」
怪物「そのために生まれてきたんだからな!!」
赤星「お前はそれをちゃんとてめえの頭で考えたのか?!」
赤星「そんなことが本当にお前のやりたい事なのか?!」
怪物「お、俺の本当にやりたいこと・・・?」
赤星「誰からも怖がられて、嫌われて、遠ざけられて、そんなことがお前のやりたい事なのか?!」
怪物「そ、そうさ!」
怪物「それが俺らの生きる意味だ!」
赤星「そんなわけねえだろ!!」
怪物「は?!」
赤星「そんなことが生きる意味の奴がいるわけねえだろ?!」
赤星「誰もが自分のために、誰かのために、どうにかもがきながら幸せになるために生きてんだろ?!」
赤星「簡単に諦めてんじゃねえぞ!!」
怪物「幸せ・・・」
怪物「俺らの幸せは、人間を憎んで、苦しめて、それで・・・」
赤星「それで、お前は幸せなのか?」
怪物「・・・い、いや、そんなこと、ない・・・」
緑「お、おい・・・ なんか説得成功しそうだぞ??」
青「あ、ああ・・・」
黄「すげえ・・・!」
赤星「俺だって、人様に褒められる人生じゃなかったさ」
赤星「でもな、俺は、俺を救ってくれた親父のため、俺を認めてくれた組の奴らのため」
赤星「忠義を尽くして、いびつな形でも、自分の幸せのため戦ってた」
怪物「だ、だからなんだってんだ!」
赤星「だから!!お前も! くだらねえことやってねえで、お前の幸せのために生きろつってんだ!」
赤星「まだ絶望すんのははえーだろ!」
怪物「・・・っ!どうしろってんだよ!!」
怪物「こんな見た目で! 人間を苦しめるために生まれた俺らが、どうやったら幸せになれるってんだ!!」
怪物「俺らのことなんか誰も認めてくれやしねえ! どうやったって歩み寄れねえんだよ!!」
つばさ「そ、そんなことないよ・・・」
怪物「はぁ?!」
つばさ「ひぃ!」
つばさ「こ、怖がってごめんなさい」
つばさ「こ、こわいけど、 こわいだけで、嫌いになってごめんなさい」
怪物「な、何を言ってやがる?!」
つばさ「見た目が怖いだけで、あっち行けー! ってやってたから・・・」
つばさ「ごめんなさい」
つばさ「最初からあっち行けってやられたら一緒に遊べないもんね」
つばさ母「つばさ・・・?」
つばさ「僕もごめんなさいしたから、怪物さんもごめんなさいして仲直りしてくれる?」
怪物「お、おお・・・」
怪物「ご、ごめんよ。 何も悪くないのに、怖い思いさせて・・・」
つばさ「ほんとだよ!!」
怪物「え・・・」
つばさ「こわかった!!」
つばさ「・・・でも謝ってくれたからもう怖くないよ!」
つばさ「仲直り!」
怪物「お、おう・・・」
つばさ「じゃあ、お友達!」
怪物「お、と、もだち・・・?!」
つばさ「うん!」
つばさ「だめ?」
怪物「い、いや、ダメとかじゃなくて、その・・・」
怪物「俺がお友達で良いのか・・・?」
つばさ「うん!」
つばさ「お友達いっぱいいた方が楽しいもん!」
怪物「お、おう」
怪物「じゃあお友達だ・・・」
怪物「ありがとな。ママのとこにお帰り」
つばさ「うん!」
つばさ「もう怖いことしちゃダメだよ!」
つばさ「約束!」
怪物「ああ・・・ 約束だ !」
つばさ「ふふっ!」
つばさ「じゃあ、ばいばい!」
つばさ「ママー!」
つばさ母「つばさ!!」
つばさ「ママ!怪物さんいい人だったよ!」
つばさ母「そうね、うん、本当に・・・!」
桃「お母さん、とってもいい子ですね」
つばさ母「・・・っありがとうございます!」
緑「くうううううなんだこれ!」
緑「泣けるぞ!」
黄「すげえ!すげえよ!レッド!」
黄「いや、兄貴と呼ばせてくれ!」