〇男の子の一人部屋
爽「明日は待ちに待った初デート!! すっごい楽しみだな～!! どんな服にしよっかな・・・」
爽「うん!!コレに決定!! 早く来い!!明日!! ってことで、もう寝よっと」
　　翌日──

〇駅の出入口
爽「よしっ！待ち合わせ場所に到着～ ちょっと早かったかな？」
？？？「ごめん!!待たせちゃったかな!?」
爽「あっ!!来た来た!! いや、俺も今来たとこー」
星良「えっ。そうなの？ 私も今来たとこだし、気が合うね！ 私達!!」
爽「う、うん。そうだね・・・」
爽（えっ、その服なに・・・ 絶妙なダサさで反応に困る・・・）
爽（い、いやいや何考えてんだ俺。 服装で好きになった訳じゃないだろ!! 初デートだぞ!?）
爽（そんな事で萎えてどうする!? むしろ俺がもっと可愛くプロデュースしてやるよ!!）
星良「・・・？ 急に黙っちゃって、どうしたの??」
爽「えっ!? あ、いや何でもないよ!! 今日も可愛いからちょっと見とれてただけ!!」
星良「・・・なにそれ」
星良「もうっ。照れるな～ じゃあ行こっか!!」
爽「う、うんっ」

〇遊園地の広場
星良「遊園地に到着～!!」
爽「と、到着～」
爽（結局、服の事を切り出せずにここまで来ちゃった・・・）
星良「今日は思いっきり楽しもうね!!」
爽「お、おー!!」
爽（めちゃくちゃ良い笑顔だな・・・ もう、服の事なんていいか）
爽「う～んと楽しもうな!!」

〇メリーゴーランド
星良「あっ!! メリーゴーランドだ。乗ろ乗ろっ!!」
爽「あー・・・何かハズいけど、まぁいっか。 乗ろ乗ろ」
星良「やった！」
　　・・・・・・
星良「はー。楽しかったぁー!!」
爽「何か俺の馬だけ仕様おかしくなかった？ 俺のだけ逆回転してめちゃくちゃ恥ずかしかったんだけど・・・」
星良「あれすごいレアで、１日で数回しかやってもらえないんだよ!?爽くんラッキーだね!!」
爽「ど、道理でやたらと注目浴びたわけだ。 まぁ、星良が楽しめたならいっか・・・」
爽「じゃ、次はどれにする？」
星良「じゃあ次は～」

〇闇カジノ
星良「・・・では、はじめようか。 闇のデュエロをな・・・」
爽「いや、待った待った。ここ、遊園地だよね?? えっ・・・何を賭けるの・・・ まさか、命・・・!?」
星良「も～。そんなワケないでしょ！ 賭けグルったりしないって～ 健全なゲーセンだよ!!」
星良「勝ったらここの限定お菓子が沢山貰えるんだよ!?やるしかないでしょ!!」
爽「あ、そうなの？ んじゃ、可愛い彼女の為に頑張りますか!!」
星良「わーい！やったー!!」
　　・・・・・・
爽「・・・もう一回」
星良「もう止めときなって。結果的に私が大勝ちしたからオッケーでしょ」
爽「・・・あんだけ張り切っておいて結果出せないとか悔しいじゃん」
星良「気持ちはすごく嬉しかったよ！ ありがとう!!それに、真剣なところもすごく格好良かった!!」
爽「そ、そう？ ・・・じゃ、まぁ、いいかな」

〇遊園地の広場
爽「ふぅ。結構遊んだなー。 ここらでいったん休憩にしない？」
星良「おっ!!良いですな～。んじゃ私が飲み物とか何か買ってくるね～!!」
爽「えっ!?いやそこは彼氏である俺が──」
爽「ってはやっ!?もう行っちゃったんだけど・・・うーん。すれ違わないように待っとくべきか!?いやいや──」
？？？「おっ!!爽じゃん!! こんなとこで何やってんだよ」
爽「おー。タケか。お前こそどした??」
タケ「俺はここでバイトしてんだ。んで、今は休憩中ってわけ。お前は？」
爽「俺は今デート中!!」
タケ「へー!!良いなぁオイ!! って、あ、戻ってきたんじゃね??」
爽「あ、ホントだ。お帰り!!」
爽「ホントは俺が買いに行くべきだったのに、ごめん。すぐに追いかけなくて」
星良「いいよー。気にしないで!! 私に合わせてくれてたから疲れたでしょ？ 少しは休めたかな？」
タケ「おっ!!君が彼女!? 服ダサいけどめちゃ良い子じゃん!! 良かったな～爽!!」
タケ「彼女も戻って来たことだし、んじゃ俺そろそろ行くわ。じゃな!!」
爽「・・・っ、待てよ──」
星良「爽くん。ごねんね。──私、ダサかったんだね」
爽「!?えっ、いや、そんな──」
星良「・・・私、ね。前に気になる人からデートに誘われたことがあってね。うきうきして待ち合わせ場所に行ったんだけど」
星良「うんとお洒落して行ったつもりだった。でもね、待ち合わせ場所で笑顔で迎えてくれたと思ったら、表情がぎこちなくなってね」
星良「会話も弾まないまま、別れ際に「ごめん、思ってたのと違った。やっぱ無理」って言われちゃったんだ」
星良「何でか理由も教えてくれなくて、どうしてかなって思ったけど、そういうことだったんだね」
星良「その時の表情が今日の待ち合わせの時の爽くんと重なって──また、振られちゃうかと思った。でも、爽くんはずっと笑顔で・・・」
爽「振るわけない。確かにちょっと驚きはしたけど──」
爽「──ちょっと一緒に来て」
星良「えっ、何、ちょ、離し──」

〇観覧車のゴンドラ
星良「観覧車・・・」
爽「遊園地の締めと言ったらこれでしょ？ ・・・そのままで、聞いてくれる？」
爽「俺はさ、君の笑顔に惚れたんだよ。いつだってニコニコしててさ、それがもう可愛いのなんのって」
爽「自分じゃ気付いてないかもしれないだろうけど、今日ずっとニコニコしてたよ？」
爽「それを見たらこっちも何か嬉しくなっちゃったよ。・・・服なんか、どうでもいい位に」
星良「爽くん・・・」
爽「それに、彼女をもっと可愛く出来るのは彼氏の特権だからさ!!」
星良「・・・ありがとう」
星良「じゃあ、爽くんは私が格好良くしてあげるね!!」
爽「いや、それはいいです」
星良「ちょ、何でよ」
爽「ははは!!」
星良「もーっ」