破邪の拳 ~ニート武道家の地下格闘技トーナメント~

武智城太郎

第十八話 死の抱擁(脚本)

破邪の拳 ~ニート武道家の地下格闘技トーナメント~

武智城太郎

今すぐ読む

破邪の拳 ~ニート武道家の地下格闘技トーナメント~
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇劇場の座席
リングアナ「これより二回戦第3試合をはじめます!」
「キャーッ! 草刈さーん!!」
観客「遼さま、ガンバッテー!!」
リングアナ「早くも、草刈選手への黄色い声援が飛び交っております」
リングアナ「すでにファンクラブが存在してるかのようです」

〇闘技場
  そんな彼女たちに対し、草刈は手を振ったりしてファンサービスをしている。
  一方、大ダコのほうはというと、トレーニングが行き届いていたらしく、おとなしくスタンバイしている。

〇劇場の座席
リングアナ「立場上贔屓はできませんが、人類の誇りを賭けて、草刈選手にはぜひとも勝利してもらいたいものです」

〇闘技場
ミスター小林「両者とも、全力で闘うように」
リングアナ「おっと! 試合開始早々、大ダコ選手、複数の触手を伸ばして草刈選手の両手足に巻きつけたーーっ!!」

〇劇場の座席
リングアナ「草刈選手、早くもピーンチ!!」
リングアナ「よ、よもや、一回戦の衣流座選手のようなありさまに草刈選手も・・・!!」

〇闘技場
  そんな淫猥な不安をよそに、草刈はそのままガバッと大ダコを抱きしめる。
リングアナ「草刈選手、みずから大ダコ選手に密着!」
リングアナ「しかしこの体勢から、どう仕掛けていくのでしょうか?」
リングアナ「大ダコ選手、その怪力で草刈選手の手足を強烈に締めつけています!」
  だが一分と経たないうちに、触手をすべてほどいて、ウネウネと全身をくねらせはじめる。
リングアナ「大ダコ選手、これは草刈選手のベアハッグに苦しんでいるのか?」
リングアナ「しかし草刈選手は、軽く抱きしめているだけのように見えますが・・・」

〇劇場の座席
  一回戦のときとおなじく、最前列には科学者風の男が二人いる。

〇闘技場
  そのうち大ダコの全身から、白い湯気がもうもうと立ちはじめる。

〇劇場の座席
リングアナ「なんでしょうか、この白煙は?」
リングアナ「いったい何が起こってるんだー!?」

〇闘技場
リングアナ「大ダコ選手、さらに激しく全身をくねらせています!」
リングアナ「これは苦悶しているのでしょうか!?」
  やがて大ダコは、ピタッと動きを止めてしまう。
リングアナ「草刈選手が、ようやく大ダコ選手を解放しました」
リングアナ「大ダコ選手、まったく動く気配を見せません!」
リングアナ「ここでミスター小林が、大ダコ選手の身体をチェックします」
ミスター小林「・・・・・・」
  大ダコはバナナの房のような、見事な茹でダコになっている。
  カン!カン!カン!カン!カーン!!

〇劇場の座席
リングアナ「大ダコ選手の死亡により、草刈選手の勝利です!」
リングアナ「しかしあれは、どういう技だったのでしょうか? 謎です!」
リングアナ「次はいよいよ二回戦最後の試合!」
リングアナ「メタルバン選手とザ・ワン選手の一戦です!」

〇黒
  つづく
  次回予告
  
  第十九話 好感度
  
        乞うご期待!!

次のエピソード:第十九話 好感度

ページTOPへ